「安保3文書」の閣議決定に対する抗議声明
「安保3文書」の閣議決定に対する抗議声明
2015年の「安全保障関連法」の廃止と立憲主義の回復を求めてきた「おかやまいっぽん」は、岸田内閣が12月16日に行った「安全保障3文書」改定の閣議決定に抗議し、撤回を求めます。
自公政権は2013年に策定された国家安全保障戦略に基づいて、2015年に安保関連法可決を強行して集団的自衛権行使の法整備を行いました。そして、今回の「国家安全保障戦略」の改定で、「戦後の我が国の安全保障政策を実践面から大きく転換する」として「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を「日米共同で効果的に発揮する」としています。また、「核兵器の脅威に対しては、核抑止を中心とする米国の拡大抑止が不可欠」として核抑止(脅迫)に固執し核兵器禁止条約に背を向けています。
防衛力整備計画では実践的な「反撃能力」として航続距離1000㎞以上で中国まで届くスタンド・オフ・ミサイル(12式地対艦誘導弾の改造、トマホーク購入)、スタンド・オフ・ミサイルを搭載する潜水艦の取得、戦闘機(F35B)を運用できる空母としていずも型護衛艦を改造するなども明記しています。これらは、日本国憲法の下での「専守防衛」においては違憲で持てないとしてきたものです。そして、23年度から5年間の防衛力整備計画に必要な費用が43兆円としており、これが実行されたら、日本は米国、中国に次ぐ軍事大国となり、大軍拡と大増税が続き、暮らし、平和、憲法が破壊されます。
国家安全保障戦略の「平和国家として専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核3原則を堅持するという基本方針は今も変わらない」というのはまったくのごまかしです。
重大なことは、今回の閣議決定は、歴代の政府が繰り返し国会で確認してきた「政府見解」=「敵基地攻撃能力の保有は『法理上可能』だが『同能力の保有は違憲』(1959年3月19日の当時の伊能繁次郎防衛庁長官の答弁)を無視していることです。
そして、「戦後の安全保障戦略の大転換」によって、「専守防衛」で戦争しない日本という国の根本を変えることを、国会でのまともな審議もせず、選挙で国民の判断を求めることもなしに閣議決定によって強行することは、立憲主義の否定であり、民主主義を破壊するもので絶対に許されません。
わたしたちは、アジアでの緊張を激化させ戦争につながる憲法違反の閣議決定を撤回すること、ウクライナの戦争を一日も早く終わらせ、世界の紛争を戦争にしないために、平和憲法を持つ日本が平和外交で積極的役割を果たすことを求めて、声を上げ、つながる市民の行動をつづけます。
2022年12月19日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求めるおかやまいっぽんの会(おかやまいっぽん)
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