「水俣曼荼羅」自主上映会・プレ企画1(2/18)「岡山から<水俣>を考えること」
3/19の「水俣曼荼羅」自主上映会に向けて、関連イベントを開催していきます。第1弾は2/18(土)、松村圭一郎×頼藤貴志対談「岡山から<水俣>を考えること」です!
■出演: 松村圭一郎、賴藤貴志
■日時:2023年2月18日(土)14:00〜15:30
■開催方法:オンライン配信(Zoomを使用)+「スロウな本屋」(岡山市南方)での対面参加
<内容> 2023年1月20日、文化人類学者の松村さんが、地元・熊本の生活誌を紐解いて綴った『小さき者たちの』が刊行しました。 水俣、天草、須恵村を生きた市井の人々の言葉から、私たちが知らなかった日本の姿が浮かび上がってくる、渾身の一冊です。 本書のなかで、松村さんが数多く著作を引用し紹介した、原田正純医師という方がいらっしゃいます。原田さんは、生涯をかけて水俣病の診察や患者の掘り起こしに奔走された医師であり、松村さんはその原田さんの著書を紐解きつつ、こう書かれています。
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原田の文章には、医師として患者とかかわるだけでは見えてこない地域の人びとの姿が描かれている。それは、専門や職業の枠をこえて、ひとりの人間として人びとの声に耳を傾け、向き合ってきたからだろう。『小さき者たちの』p83より
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国や企業と対峙し、小さきものの声を届け続け、「現場を忘れた疫学はきらめきと真実を見失う」とも語る原田さん。 そして、その原田さんの弟子であり、誰よりも遺志を継ぎつつ、現在も水俣病研究を続けていらっしゃるのが、岡山大大学院教授の頼藤貴志さんです。 頼藤さんは「水俣病患者や被害者の思いを科学的に、世界に伝えていくことが私の使命です」と語っておられ、いまでも毎月、岡山から水俣へ向かい、患者や被害者宅を回っておられます。 文化人類学的な視点から水俣の暮らしを紡いだ本書を、いま現在も水俣に赴き、病の研究を続けている医師はどう読んだのか。熊本にルーツを持ち、岡山で教鞭を執るおふたりが、岡山の書店「スロウな本屋」さんで語り合います。 ご参加お待ちしております。
<登壇者プロフィール>
松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)1975年熊本県熊本市生まれ。岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『うしろめたさの人類学』(第七二回毎日出版文化賞特別賞)、『くらしのアナキズム』(以上、ミシマ社)、『はみだしの人類学』(NHK出版)、『これからの大学』(春秋社)など、編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)。
賴藤貴志 (よりふじ・たかし) 1977年熊本県八代市生まれ、熊本大学医学部卒業。2019年より岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授。専門は疫学。胎児性水俣病患者さんとの交流で、「環境要因の人体への影響」に関心を持ち、水俣病・大気汚染などの環境疫学、小児・周産期疫学などに関し研究。European Environment Agency編集の『Late lessons from early warnings: science, precaution, innovation』や、写真集『MINAMATA』 ・『いのちの物語 水俣 桑原史成写真集1960~2022』などへの水俣病に関する寄稿を行っている。
>オンライン参加チケット
オンライン参加のチケットは下記ミシマ社のサイトから購入できます。
→「ミシマ社の本屋さん」
>「スロウな本屋」での対面参加
会場参加チケットのお申込みは、スロウな本屋までどうぞ。
→「スロウな本屋」