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かめやのみみ読 「雛の花」感想

あまりにも感動をして、急遽パソコンを開いた須賀です。
読み(見に)来てくださった方、ありがとうございます。


みみ読って?

まず、最初に『みみ読』の説明を。
自分は、お客さんの1人(偶にスタッフ)なので簡易的な説明になりますが、悪しからず。
岡山県総社市在住の『金池 兼広』さんが主催で行っているイベントになります。
『あの名作を今度は耳で読む』をがキャチコピーで、耳で読むから『みみ読』金池さんの造語になります。

以下パンフレットから引用
         金池兼広の『みみ読』
①日本を代表する作家の短編小説・随筆等で、30分から60分で読めるものを選んでいます。
②基本、全文読みます。今は使われない差別的な表現も出てきますが、原文を大切にしています。
③活字が見えないので、音だけでは意味が理解できない言葉もありますが、そこはさらりと聞き流してください。
④あくまでも金池の解釈で読むのが『みみ読』。皆様の持っている原作のイメージを壊さないことを願います。


感想

役者紹介・感想

『雛の花』 浅田次郎:作
1人の少年(僕)と祖母の思い出話でした(凄くザックリとしていて申し訳ない)
今作の読み手は3人

金池 兼広さん(以下カネさん)
役:セリフの無い語り部分、少年の祖父、父親、謎の紳士老人
やっぱり、カネさんの声はいい!
もう何度か聴きに行ってるのですが、いつもカネさんの語り部の声には安心感がある
始まりはいつもカネさんの語り部から、その声が聴こえてくると「そうそうこの声を聴きに来たんだ」そう思える
勿論、語り部だけでなくセリフ部分も上手い!
声だけで祖父と父親の違いがキチンとわかる、声だけなのに描写が見える

木原 真理子さん『劇団歴史大陸』(以下木原さん)
役:祖母、母親
初めましての、木原さん
だったのですが衣装が着物で来られていて、その時点でもう素敵!
そして、木原さんの演技力の凄さ
初めて聴く作品なのに、祖母の姿が見えてくる(声だけで)
作中、この祖母は喉を痛める描写が出てくるのですが、そこからの演じ分けも、もう違和感がない!
気品があって、凛とした祖母の姿が声だけで、しっかりと見えました

長楽 舞さん『劇的集団転機与砲』(以下マイさん)
役:少年(僕)
今回で『みみ読』出演2度目になるマイさん
先日の、SOFT GEARさんの観劇後に食事に行った際に、今回の『みみ読』に参加をしているのを聞いたのがきっかけで聴きに来たと言っても過言ではない
上手い、素直にこの感想に尽きる
正直、少年役か~と思って聴き始めていたのですが、いざマイさんが演じる少年の声を聴いたときに、スッと耳に入ってきて段々と少年の姿が見えてくる
こんな事を書くと、失礼に当たるかもしれないけど、マイさんは少し声が低いお人なんですが、そこが今回の配役にマッチしていた(声が低いマイさん好きです)
それに加えて、発声の力強さ
これは『劇的集団転機与砲』で鍛えられている(努力をしている)マイさんの実力で間違いない!
作中で、歌舞伎の屋号を呼ぶシーン(大向こう)があるのですが、そのシーンの上手さ、あれはマイさんだからできたシーンだった

聴き終えて

まず、作品の素晴らしさに拍手
凛とした祖母は、最後は喉頭がんを患い、1人で病院に行き、亡くなってしまい、最後お葬式のシーンに繋がる作品なのです
この話を聴いていて、自分の『祖父』を思い出していた
祖父も、最期の時は自分で決めた人でした
でも、家族の前で最期まで強い祖父の姿を見せてくれた人でした
そんな祖父が青春を過ごした『総社』という地で聴けたのは何かの縁なのかな

まだまだ、知らない面白い本が沢山あるんだなと改めて実感

そして、素晴らしい役者の3人でした
この3人だからこそ、この感動が生まれました
『声だけで描写が思い浮かぶ』自分の馴染のない場面の描写が、まだ見たことのない土地の描写が思い浮かぶ、見えてくる…..本当に良い『みみ読』でした 

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