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作画崩壊を楽しむ低評価アニメ『異世界はスマートフォンとともに。』の解説【岡田斗司夫】

2017年9月回 当時岡田斗司夫がたまたま見てしまった異世界転生モノアニメについて語る
狂った作画を見てなぜこんなにひどいアニメになるのか制作現場の状況も踏まえて説明
フリップ解説のため映像の方がお楽しみいただけます。

ラノベと言いながら僕―

もともと興味を持ったきっかけは

ラノベのノベルス

いわゆる小説ではない

たまたま

AmazonだかNetflixで見てた

『異世界はスマートフォンとともに。』

そんなタイトルのアニメがあって

何!?と

聞き逃がせんことを
俺は今聞いたぞと思って

なんじゃそのタイトルは

この瞬間に

どんな都合のいい話が出てくるか分かる

そんなの持ってるやつが

周りに女の子はべらして

なんじゃこれは?と

多分僕よく悪口で言ってるんですけど

見てるだけで頭が悪くなる作品

正直これが

いわゆるラノベ好きな皆さん

僕なんかよりずっとディープに読んでる

前列ヤンキーの皆さんとか

そういう方にとって

どのようなポジションですね

面白いとか面白くないとか

イケてる or ダメ とか

アニメとしてどうかって

どう受け取られるのか
皆目分からないんですけど

しかしですね

アニメとして酷いのは分かる

アニメとしてこの上なくヒドイのは分かる

余計なお世話ですけども

僕にとってどんな風に
このアニメが見えてるのかを

フリップにして皆さんに
お伝えしようと思います

まずですね主人公が―

第2話から色々持ってきた

相手の目潰しをする魔法

ブラインドサンド

ブラインドサンド 目潰しですね

この砂をですね

このベージュ色に書くセンスが

センス無いんですよ

昔ガルフォースというアニメが

OVAアニメが作られるときに

赤井孝美がですね

ダメなアニメの見分け方わかりますか?

それは涙を水色に作画してること

人間の肌の上を涙がはしった時に

水色に描くバカがいると思いますか?

でもダメなアニメは描くんですよ

ガルフォース見たら水色の涙があった

同じように

砂を砂色で描けばいいというもんじゃない

ブラインドサンドって言ったら

これが相手の目潰しをするんですね

相手の目潰しをするシーンが

これなんですけども

ひどくないですか?

頭の周りにですね

茶色のですね

腹巻きみたいな物があって

これ声優さんが

「うわぁぁ目がぁぁぁぁ」

って言ってることで

なんとか場面を持たせようとしてる

これひどいなと思った

絵が下手なのかなと思ったんですけど

これね

絵が下手っていう単純な問題じゃない

実は―

『異世界はスマートフォンとともに。』は

「絵が下手」ではなくて

作ってる人のセンスが変

このブラインドサンドで

相手をやっつけた後の

場面なんですけども

この構図を御覧ください

ないでしょコレ普通

こんなてんでバラバラな配置にしませんよ

これやるんだったら

もっとカメラ位置を下げて

目線近くにしたほうが緊迫感があるし

顔のアップ入れていいんですよ

これを延々ロングでやって

この男の子がこの女の子に駆け寄って

みんなが走り去るまで

ずっとこの構図Fix(固定)でいくから

すんごい―

なんか間抜けなんです

その他にもですね

馬車に乗ってみんなが移動するシーン

ありがちはありがち

この女の子が一人延々説明で喋ってて

手前で馬車の所に2人乗ってるんですけど

このシーンがですね

長すぎるんですよ

宮崎駿みたいな構図の能力があれば

このシーンでも持つんですけど

これで延々20秒ぐらいの長セリフされると

ものすごく辛くて

このピクリとも動かない

手綱を持ってる手が

どんどん気が狂って見える

だから

こういう手綱を持ってる手を
入れ込んでるシーンは

長く撮っちゃダメなんです

こういうのは2秒か3秒のインサートカットで

20秒もあるカットで
手が微動だにしないことをやると

視聴者もどんどん変だと思ってくる

ただ下手じゃないんですよ

無理のある構図をやりすぎてる

無理のある構図のおかげで

主人公のですね

お兄ちゃんが本を読んでるシーン

魔法の本を読んでるシーン

これもありがちの構図なんですけど

フレームが下に行き過ぎてる

おかげでこの足の異常なまでの長さ

1メートル半くらいある
長い太ももが描かれてしまう

手もこの位置に本を描きたいばかりに

多分顔が先に描いちゃって

目線合わせたいんですね

その位置に本を持ってきちゃったので

自動的に手・腕がグーンと伸びて
膝が前に伸びちゃってる

手足が長くてイケメンな
キャラと言うんじゃなくて

これは明らかに化け物の体型

おわかりでしょうか

異世界はスマートフォンとともに。は

お話自体の都合のよい―

異世界ハーレム物だという―

本来の面白みを2とすると

僕にとっての面白みの残り8/10は

狂った作画を観ること

絶対おかしいと

たぶんスタッフも気が付いてるんだけど

もう直せないと思って

どんどんどんどんOK出すしかない

なかなか苦労してるなというのはこれ

助けた女の子のお父さん
貴族の所へ行ったら

よくやってくれたって言うんですけど

これもね

このシーンが延々長い

長いおかげで

ここの後ろにいる女の子が

アニメではよくあるんですよ

手前で喋ってたら後ろの
女の子が止まってること

ただ長すぎるから
全員が微動だにしないのが

ものすごくおかしい

おまけに

この全員の不自然な―

手首の隠し方を見て欲しい

アニメとか漫画とか絵において

絵を書く人みんな分かると
思うんですけども

人間の掌とか手首って
描くのが一番難しい

なので

避けるように手を隠してる

この構図が見てると現場の
(状況が)わかる

手首隠したいから

テーブルをその位置で

その大きさにしてる

っていうのがわかって

腹抱えるくらい笑った
皆お行儀良く(座ってて)

これで全員Fixのまま延々長台詞で
しゃべるからものすごく可笑しい

主人公は伯爵様みたいなのを
助けたおかげで

何かお礼に―

お金もらうんですけども

これもね
こんなことしなきゃいいんですよ

ワンカットで執事が

銀のお盆に入れた―

宝箱とお金持ってくる

これを両手で持って

こういう風に持って

渡す瞬間に

90度回す作画をする

こんなことしなきゃいいんですよ

普通に横からインサートするカットと

主人公が「あっ」て驚くカットで

カットを割ればいいのに

これを馬鹿正直に
真正面から撮ってやるもんだから

執事の手の上で

お盆が不自然な90度回転する

Netflixでも見れますから

このお盆回転だけは見てください


めちゃくちゃ変です

他全員止めなんですよ

執事とかですね

この伯爵様が

全員止まってて

執事が手先の動きだけで

ここからここまで止めセル(止め絵)

手首から先だけ別セルで
クイッと回転させてるから

ものすごくおかしなことになってる

まあまあまあ

こういうアニメなんですよ

異世界はスマートフォンとともに。
って言ってるんですけども

2話にして

もうね

スマートフォンの出番が
そろそろなくなってくる

2話の僕が見た
唯一のスマートフォンの出番は

迷子になった女の子に
グーグルマップで場所を教えるシーンだけ

(スマホ)全く使ってない

本来の楽しみ方とは
違うかも分かんないですけども

さっきこれ

僕ネガティブの方向で言ったんですけど

逆に言えば

こんな馬鹿正直な構図で

長尺で撮ってるアニメって珍しい

普通もっと楽しようと思ったり

これね もっと楽できるんですよ

手が抜けるんですよ

異世界はスマートフォンとともに。
というアニメを

同じ内容で撮ろうと思ったら

カットを短くしていってやれば

もっと楽にできるんだけども

どうもね・・・

映画的な構図を取ろうと
してるので無理がある

もう言い方変ですけど

劇場版ドラえもんみたいな
構図で撮ろうととしてる

やたら無理があって

心の底からね

ダメだなぁとか
本当に思っちゃうんですけど

と同時に

主人公がモテモテでいいよなーと

鼻を伸ばして見てしまう部分もあります

人から見たら僕もそういう意味では

あれを見てる時は

ただのヘタレなオタクなんですね

異世界スマートフォンとともに。
の中でも主人公は―

ごく当たり前なこと 例えば―

迷子になった人に教えてあげるとか

たまたま自分が持った能力で

目が見えないって言ってる
お母さんをホッと治してあげるとかも

本当に主人にとっては簡単なことなんですね

やってあげると
やたら大げさに感動されて

そのおかげでモテまくると

なんでこんなことに

最近のアニメなっちゃったのかって

その辺の構造分析っていうのは

今日の後半裏放送の方でやろうと思います

ということですね

今回はこういうですね

異世界転生ものについて
考えてみようと思って

あれこれやってるんですけど

[コメント]
コンテ切ってる人おかしいのかな

コンテはね

だいたいこんな意味でっていうやつで

その後レイアウトって担当の人がいて

このレイアウトの人が全体の構図を取る

『アルプスの少女ハイジ』とか

『母をたずねて三千里』は

宮崎駿が全レイアウトあげてるから

めちゃくちゃ決まってるんだけども

多分ねこの

『異世界はスマートフォンとともに。』
もレイアウトの人は頑張りすぎてて

それが現場の作画に落ちていく時に

こんなの描けるわけねーよとか

頑張って描いたら変になっちゃった

ってことだと思うんだけどなー

[コメント]
どのアニメにもいるの?

まともなアニメだったらいるけれども

#岡田斗司夫 #アニメ #考察 #異世界はスマートフォンとともに#作画崩壊 #低評価アニメ

■異世界はスマートフォンとともに。 dアニメストア


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