無職転生はガチの異世界を描く作品|他のなろう系異世界転生モノはただのコスプレ|岡田斗司夫
無職転生の原作・アニメ全部に
通じで言えることなんすけど
割と僕が感心してるのが
いわゆる'なろう系'の作品なんだけど
ちゃんとファンタジーやってる
きちんとしたファンタジーというのは
なろう系とか異世界転生モノと
いわれるジャンルの大半は
厳密に言うとファンタジーじゃない
ロールプレイに近い
ロールプレイというか
コスプレというか
というのは
転生した先の異世界とか
中世の世界の価値観が'現代そのもの'
例えば
王様とか僧侶とかは
いかにも異世界っぽいこと言う
神の怒りに触れるぞ!とか
王は絶対だ!って言うんですけど
山賊とか盗賊とかそういう人たちが
フランス革命以後の人権意識とか
アメリカ独立宣言以後の
私的所有権とか
それを前提にしても
戦後民主主義 丸出しな人たちが
いっぱいいるのが当たり前
それはもうファンタジーの世界というより
コスプレの世界だ
衣装とセットがそうなってるだけ
というのがすごく多かったけども
異世界モノの魅力は本来いえば
僕らが住んでる世界とは
歴史も文化も社会の成り立ちも
全く違うところが本来面白い
だからこそ異世界に
現代から転生していった人間が
(現代の)意識を持ったまま行った人が
なんでこんなに違うんだろ?
なんでこんな不思議なんだろう?と
疑問に思ったり、語りかけたり
しゃべったりするおかげで
観てる観客にも
この世界でこういうルールなんだってのが
徐々に染みてくるって話になる
この辺をめちゃくちゃ緩くしちゃうと
ただ単に・・
何も思いつかない
なんか便利な仕組みとか
あとは選挙制度とか
そういうのは思いつかない
可哀想な 昔の人たちのところに
現代人が行ってちょっと喋るだけで
皆が「おー!」って感心してくれるという
ご都合のいいお話になりがちなんですけど
この無職転生は割とそれやってない
主人公ルーデウスが持っている知識が
異世界で割と役に立たないと
かろうじて役に立つのが
魔法は一体どういうことかって言うと
個別の元素というのかな
エレメントみたいなものを操作するんだけど
その時に
現代の科学の知識を応用して 例えば
上昇気流はこういうふうになってるとか
積乱雲はこのように出来るって言う
その部分を分かってるから
ちょっと(魔法を)使いやすい
かなりわずかなものにしか役に立たない
そうではなくて とことん
前の・・
ニートでずっと部屋の中で
ゲームばっかりしていた駄目な俺が
異世界に行ったら
今度こそまともになろうって
その意志と勇気
外へ出ようっていう
本当にそれもマジな意味の
外へ出ようという勇気だけで
新しい世界でやり直す
そこが無職転生の感動ポイントだと思う
そのいわゆる・・
いわゆるというのも
僕はあまり読んだわけじゃないので
割と すみません
偏見で喋ってるところがあるんですけど
世界転生モノの
現代人の知識を持ってこんな便利なことが
いっぱいあったというよりは
そういうなんか
現代での自分の人生の反省を
ベースにやり直してるところが
今の世界を生きる人間に
語りかけてくるもの
教えてくれるものがあるんじゃないかな
現実社会の価値観の違いとかあるんですよ
例えばその
無職転生では
一夫多妻制の世界が描かれてるんで
もう本当にそれが駄目で入れない
っていう人もいるんですけど
割とそこはプロセスを追って
丁寧に書いてるので
ちょっとそこ
許してみてやってください
最後に まとめとして
無職転生は実は倫理ものなんじゃないか
つまり 現代における
「君たちはどう生きるか」とか
昭和のSFファンにとっての
「銀河英雄伝説」とか
そういうポジションですね
つまり なんでしょうね
理念なき理想なき社会に
住んでいる僕たちの
ある種 政治論とか人生論を
きちんと語ってくれる
割と珍しい作品だと思います
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