ハンター×ハンター ハンター試験編の解説&考察|冨樫という漫画家が垣間見える【岡田斗司夫】
ハンター×ハンターね
一番最初は実は
そんな大した漫画じゃないんだよ
これ見てもらったらわかる通り
第1話のカラー見開き
ハンター×ハンターの
少年ジャンプの第1話のカラー見開き
大したことない 正直
「人は彼等をハンターと呼ぶ」
このお宝の書き方とかね
主人公のこの表情とかね
ここら辺のその
金貨のこぼれ方とかを見ても
少年漫画の枠の中で
こんなキャラクターが出てくるのかと
この描き方見ても
ぶっちゃけそんなにね
すごい漫画とは思わなかった
俺本当にハンターハンター好きなんだよ
ただハンターハンターってね
ジャンプの中では
それはワンピースもそうなんだけど
ワンピースもハンターハンターも
マスターピース いわゆる―
レジェンド漫画じゃない
機動戦士ガンダムってあるじゃん
機動戦士ガンダムって
未だにずっと続いてて
人気があるんだけど
なんだかんだ言って
テレビに出る時に
例えばお笑いのタレントさんとか
そういうのが話題にする時って
シャアとかアムロとか
ファーストガンダム
ウルトラマンも
例えばウルトラシリーズも
未だにウルトラマンとは作られてる
仮面ライダーとかも作られてるけど
でも商品化された時に
やっぱ真ん中にあるのは
ウルトラマンとかバルタン星人とかさ
ガラモン ピグモン とかさ
なんかそういう
初期のウルトラ怪獣ばっかり
それは何かって言うと
レジェンドと
現在進行形の話との差
レジェンドになった物っていうのは
なんか
幅広い年齢層に
すごい受け入れられてるんだけども
現在進行形の話とか
それから10年後ぐらいに続けられたのは
確かにファンやマニアはいるんだけれども
実はレジェンドにはなかなかなりにくい
少年ジャンプで言うとねやっぱりね
北斗の拳とかドラゴンボールは
レジェンドなんだよ
それに比べて
ハンターハンターとかワンピースは
レジェンドじゃない
言っちゃえば
ドラゴンボールがガンダムだとしたら
ハンターハンターはZガンダムぐらい
いやもう
Zガンダムのファンにしてみれば
「Zこそがガンダム」とか言うんだけど
それくらいのポジションの作品
まずその「引いた目で見たら」ね
ただ
漫画としてみたら俺
本当に最高の漫画
まぁ熱く語るわけです
第1シーズンの
ハンター試験編の面白さは
ハンター試験編なんだけど
テストの多様さ
一応 五次試験まであるんだけど
それだけじゃなくて
まずハンターハンターの会場
ハンター試験の会場に
行くまでのテストとかね
ものすごい多様性に富んでる
おまけに最後まで全員が―
ハンター試験って言うんだけども
みんなが最初に期待する
戦う
戦ってどっちが強いかで―
決着つけるとかっていうのが
全くない
もう本当にないまま
ハンター試験が終わってしまう
でもちゃんと見た感じ
盛り上がりはあるっていう
すぐい面白い作り方をしてる
テストそのものが6段階に分かれてて
まず第1段階
「ハンター試験会場に行けない」
ってテスト
ハイペースでストーリーが進むんだけれども
第2テストとして
第1次試験で
サトツさんって人についてくって
ついて行くだけって言うのが
何話も何話も続いて
障害物競走みたいなものから
スローダウンでキャラ紹介する
第3試験がブラハとメンチ
美食ハンターが出てくる
これあの
ミッションクリア型で
コミカルな話を見せる
4つ目のクエストがトリックタワー
てっぺんに
高い塔のてっぺんに行って
最後まで 一番下まで行きましょうって言う
初の戦闘と見せかけて
実は全ての戦闘が頭脳戦
ここら辺もね
その冨樫さんの
いわゆる
普通のバトル漫画を描きたくない
ってのが現れてて面白いよね
最後のですね
ゼビル島というところで
お互いのネームプレートを取り合う
対戦に見えるんだけども
実は何だろうな
アドベンチャーというか
インディジョーンズみたいな冒険もの
最終試験として出てくるのが
まるであの
ジャンプの人気投票システムみたいな
どのキャラに人気があるのか
っていうのが重要なんだって
印象度を競う戦い
この辺が面白かったよね
前哨戦
「会場に行けない」
5話で出てます
第1話 旅立ちの日(出発の日)
第2話 嵐の出会い
第3話 究極の選択
第4話 魔獣 凶狸狐(キリコ)
第5話 第一次試験開始
という風なことでですね
第4話の一番最初のページ
ハンター(試験)会場に行くだけで
4話か5話費やしてる
それで
それぞれのクリアが違うと
例えば第1話の旅立ちの日は
育ての親のミトさんて人が
ハンターになるのを反対してて
ミトさんが課したミッション
大きい魚釣り上げて来い
ヌシを連れて来いと言うのを
クリアした時に
後はその
回想シーンで
何でハンターになりたいかを語られると
これも普通の回想シーンじゃなくて
ゴンの回想シーンの中で
ゴンが憧れてる
カイトさんていう人が出てきて
そのカイトさんの回想シーンの中で
ジンというゴンのお父さんの
後ろ姿が出てくるという
なんか倒置法みたいな
関係代名詞が
二重三重構造になってるみたいな
すごい変な構造で作られてんだけど
ストーリー自体すごいスピーディー
2話 嵐の出会い で
レオリオとクラピカ
後々になってもずっと出てくる
メインキャラクターの二人が出てきて
海が荒れて船長が意地悪言って
お前らがハンターになりたい理由は何なんだ
ていうのを言うっていう
これもなんかその
設問型っていうのかな 設問型のクエスト
でもその質問っていうのは
ちゃんと答えを出しながら
実はゴンが嵐の中で
海に落ちそうになった
男の人を助けてあげるという形で
対立が解消される
本当にね上手く
戦闘がありそうなんだけど
回避されて
それが必ずしも
はぐらかされた感じがしない
というふうなお話になってんだね
3話 究極の選択
港にやっと着いたんだけども
さあどうやって会場に行ける
一本杉まで行けるだろうか
ドキドキ二択クイズを出される
ここであのハンターハンターで
こっから先 延々ある
二択と見せかけて三択
究極の二択クイズを出して
それで悩んでると
ゴンが3つめの いわゆる―
テーゼがあって
アンチテーゼがあって
ジンテーゼがある
それを乗り越える型の
回答を出して乗り越えるって
一番最初のハンター(試験)会場に
行くクエストは全て―
ゴンが人間力で解決してるやつばっかり
レオリオとクラピカが対立してる時に
ゴンだけが嵐の中で吹っ飛ばされた
人のところにバーっと行くとかね
そういう人間的な魅力で
全部解決するという形
次の魔獣キリコもそうだよ
ゴンだけが動物―
魔獣を魔獣として見るんではなくて
一人一人のキャラクターとして見てるから
(魔獣の)見分けがついたということで
魔獣キリコの機嫌が良くなって
手伝ってくれるとか
全てゴンの人間力で解決してる
こう言うね
一番最初の
前哨戦
会場に行けないってだけで
割とね
普通の漫画でやるようなアイデア
ザクザクザクザク出してる
第2クエスト
これもねさっきも言ったように
単なる障害物競走と言うかね
単なるかけっこなんだよ
受験生311名 ヌメーレ湿原
単にこのサトツさんという人に
後ろについてくだけなんだけど
もうここへ来るまでの段階で
みんなもう疲れ果ててんだよね
なんかね 6時間ぐらい
この人の後を追いかけて走っていく
というマラソンをやって
その後
ものすごい上り坂の階段を登らされたあと
すごい危険な平原の中をついてくる
このあたりから
お話はスローダウンしていって
レオリオ クラピカ あと
やっと出てきたヒソカとかキルアとかの
見せ場っていうのかな
キャラの掘り下げが始まる
さっきまでの
第1の会場に行くクエストは
クエスト自体が複雑で色々面白い
ところが今回は
このサトツさんの後に
遅れないようについてくって
クエストがすごい単純な分
ストーリーが弱くなって
その代わりキャラの掘り下げは深くする
この辺りの10話までの
緩急の作り方がすごい上手い
5話までを
ストーリー手動で
あくまで子どもたちに
わかるように
こんなクエストこんなクエスト
こんなクエストというのは
1話完結で見せたんだけども
6話から先は
延々ただ単に
ついていくっていうだけで
キャラクターの掘り下げをさせる
もうね
10話までの展開は 本当に
あらゆる物語作家の
お手本となるような
本当にうまい作り方してる
一次試験開始
第6話 一次試験開始② で
レオリオの頑張りを見せて
実はトンパはすごい
という伏線もある
トンパっていうあのね
なんかやなキャラクターがいるんだ
他のハンター試験に出てくるやつらを
なんだろうな
いじめたり
心理戦で追い込んだりして
辞めさせるようなやつだけど
俺これが好きで
なんで好きかって言うと
さらっと出てくるセリフで
ハンター試験 申し込み回数
35回 最多記録
ちょっと待てよと
トンパって10歳の頃から
ハンター試験で
今45歳だからさ
10歳のころから
ハンター試験出てるって事は
ゴンより若いんだよ
ゴンより若い子供の頃から
ハンター試験に出てて
延々生き残ってるから
実はこいつさりげなく凄いなって
さりげなくすごいキャラクターだから
後ろの方になってきて
なんでこいつが生き残れたのかっていうのが
やっぱりその
冨樫漫画の中では どれぐらい―
状況が読めて裏が読めるのかと
頭脳線が主力の
キャラクターであるというのが
後で分かってくるんだけど
まぁ実はトンパがすごいのが分かってて
その後もずっと走ってるだけの話だから
なんでレオリオは
ハンターになりたかったのか
なんでクラピカは
ハンターになりたかったのか
何でキルアは
ハンターになりたかったのかと
それぞれの自分語りが
ずっと後ろ走っていく中で続いていって
ヌメーレ湿原に出てからは
湿原の中の生物が最大の敵と思わせて
そん中に出てくる
ヒソカって言う
まぁ最後の最後まで
未だに訳のわかんない
キャラクターとして出てくる
いわゆるワイルドカードっていうのかな
ジョーカーみたいな感じに
出てくるキャラクター
そいつがいきなり周りの人間を○しだすと
ハンターハンターって
8話ぐらいまで人死なない
すごい追い込まれたような感じであっても
全然人が死なない感じだったのが
8話ぐらいからガンガンガンガン
単にハンター試験に
参加しただけの罪もない人が―
ゴンゴン死んでくんだ
だからなんかね
タッチが変わってくる
9話 霧の中の攻防
ヒソカの行動原理を
読者に考えさせるようになる
つまりヒソカが―
俺がハンター試験やってやるよって
周りのキャラクター○した時に
なんでこいつはこんな行動するんだろうって
読者が考えるように仕向けてくる
レオリオとかが
なんかこう
なんで助かったのか未だに謎なんだけども
そういう話になってくる
ヌメーレ湿原サトツさんに
ついてくのが終わったら
第3クエスト
ブラハとメンチが出てくる
グルメハンターの話
これは与えられたミッションをクリアする
例えばえーと
メンチ(○ ブラハ)だったら
豚の丸焼きを持って来いって
豚を捕まえて持ってくる
メンチだったら
握り寿司を作れと言われたら
もう全員
握り寿司って何なのか
聞いたこともない
日本出身の半蔵ってやつだけ
寿司を知っていてニヤニヤしてると
皆が「あいつは知ってる」と
なんかコメディだけで
このシリーズ書き切ってるんだよ
だから
ハンター試験で さっきも言ったように
ヌメーレ湿原で わりと―
殺伐とした話をしたので
その次は
人が死ななくて
なんか笑っちゃうような話ばかり
特にこの
寿司を出すって言われたら
こんときに考えたのが
サイズを考えてみる
手で握れるようなサイズで
新鮮な魚という風に言ったら
まあこういう風なもの考えて
ダメと言われて
次はゴンが同じようなもの考えたら
お前もレベルが同じと言われて
ガーンとなっていて
心中察するぞゴンと
落ち込んでるゴンを慰めるみたいな
こういうコミカルな流れをずっと作る
さっきまでの
前回までのちょっと深刻な流れを
一旦緩急で言うと緩やかにするような形で
お話をずっと面白く作ってく
でね
僕がねやっぱりね
あの面白かったの
このグルメハンター話の後で
飛行船に乗って
ネテロ会長が次の会場へ連れて行く時に
じゃあちょっとお前たち遊ばんかって
ゴンとキルアに言う
このボールをお前たちが
向こうに着くまでに取れたら
お前らはハンター試験を無条件で合格
ゴンとキルアが2人でやると
ここでようやっと
それまで謎だったキルアが全開で
一生懸命取ろうとするんだけど取れない
キルアは早々に諦めちゃうんだけど
ゴンは諦めないっていうのがあって
キルアは
これ以上ムキになったら
殺しちゃうかもしれないな
ていうことを言いながら
心の中でむしゃくしゃする部分が晴れない
んで
キルアは
ドンって当たって文句言っただけの人を
○しちゃうんだよね
キルアも実は
ハンターハンターの中では人情キャラで
ゴンのことが大好きで
妹のことが大好きで
いいやつみたいに見せてるんだけども
本質は気にくわないやつを―
自分の中のむしゃくしゃを解消するような
○しちゃうようなキャラクター
でもそういう
今コメントに流れた悪人なんだ
悪人をいつまにか僕らは
多分ハンターハンターの
キャラクター投票やると
キルアが1位になる事が結構あるぐらいの
なんか良いもんキャラみたいに
いつもの間にか捉えてる
そこら辺がハンターハンターの
面白いところでもあり
恐ろしいところ
後に出てくるゴンの魅力って何かって言うと
善悪の判断をせずに
すごいものをすごいと思う
ていうものがあるんだけど
それはこの漫画の中でも
冨樫さんという漫画書きが持ってる性格
どうやってもこの人は
こういう悪いことやってる
罪を背負ったキャラクターなんだけども
何か僕らこういう人物だ
っていうのを忘れちゃう
もうあまりにも妹好き好き言ってるから
ついつい許しちゃうところがまあ面白い
これ何かって言うと
この前にキルアが
肢曲っていう足運びを見せる
ネテロ会長と対戦するとき
ハンター協会の会長ね
その人からボールを奪うという時に
足運びに緩急をつけるだけで
分身の術みたいに見える
これもすごく新しい
分身の術が漫画の中で出てくるときは
素早く動くとかさ
あと何かまあ
念の力みたいなのがあるんだけども
足運びだけで
見てる人間の心のリズムを狂わせて
どこ歩いてるのかわからないみたいなもの
暗殺術だよね
そういうものを見せて
恐ろしい子供だとネテロ会長に言わせて
後でゴンに「あれどうやるの教えて」
って言われると
お前は知らなくてもいいし
知ってはならないと言う
なんでか?なんでネテロ会長がそう言う
いわゆる戦闘の技なのに
戦闘の技を極めたネテロ会長が
本来尊敬するはずの戦闘の技なのに
なんでゴンに「知ってはならない」
って言ったのかって言うと
それは暗殺術であって
それが行き着く先っていうのは
こういう世界だ
つまりキルアが本質的に持ってる
邪魔な物・腹が立つものは
○してもいいという世界だっていうことを
ネテロ会長が分かってるから
そういう知ってはならない世界だという後に
このキルアのシーンがあるんだ
そこら辺というのはね
やっぱその漫画読んでると
ワクワク感とか
キャラクターの魅力に引っ張られて
よくわかんない時があるんだけども
ちゃんとねそういう
道徳的な伏線をきちんと張ってるところが
ハンターハンターの少年漫画
としての上手いところだと思う
トリックタワー 次の第4クエスト
第4クエストのトリックタワーは
高い塔の中に入って
これを下まで降りろと
何時間以内
72時間だか以内に降りるっていうクエスト
ダンジョンを次々とクリアしてくやつで
バトルがほとんどない
工夫だけで言う
8話もあるんだけども
最初はその
ダンジョンの中にどうやって入るかだけで
1話終わってしまって
次の話では
これから5対5の戦いが始まると
ドラゴンボールだったらもう5対5の戦い
魁男塾だったらもう5対5の戦いって言ったら
絶対バトルシーンなんだけど
5対5の戦いが始まったら
一番最初にこちら側から
出ていくのが例のトンパ
なんか憎めない45のおっさんが出てきて
向こうから殺人鬼が出てきて
さあどうなるかって言ったら
トンパがいきなり土下座して
参った!って言って
5対5で戦うんだから
とりあえず3回勝てばいいだろってことで
いきなり降伏して
レオリオが首絞めて
何考えてんだ勝つ気ないだろって言ったら
勝つ気なんかねーよ決まってんじゃん
俺はこういうのが楽しくて
ホビーで趣味で参加してるだけであって
俺別にハンターになんかなる気ねーぜ
っていうのを語るって
まさかのトンパ語り
レオリオ語りは2ページないぐらい
1ページ半ぐらいでレオリオ語りがあって
これまで自分のことを語るので一番長いのが
あのー
クラピカの2ページ語り×2回があった
トンパ単独で3ページにわたって
己の心情を語るっていう
トンパ愛されてる
一番俺が好きな多数決の罠っていう回
これをこの回で
ハンターハンター大好きになった
多数決でやってはいけないこと
それは何か
相談と挙手であるっていうのを
延々トンパの独り言で心理描写で
相談と挙手が何で
やってはいけないのかの論理を
4段構成で描いてるんだけど
ど真ん中に顔を置いて
こういう風に書くコマ割りの面白さ
ハンターハンターってこういう
文字だけのページになった
時のワクワクドキドキ感
これが悪い方に走ると
グリードアイランド編の
カードを見せるだけで4ページ連続
あれはさすが俺も引いたんだけども
この頃のその
文字だけを見せるんだけども
どういう風にそれを
絵を入れて行こうかと
この目線とかを入れることによって
このキャラクターの考えとかが分かりつつ
何を言ってるのかを
小学校の子供にもわかるように
ゆっくりゆっくり論理を展開する
これを読んでるだけで割とね
論理学の初歩が学べるような
テキストになってんだけど
すごい面白いんだよね
最終問題はこの
トリックタワーの最終問題が
3人しか通れなくて早い道と
5人で通れる長い道がある
さあどっちをとるか?と
二択に見せていて
またゴンが人間力というかとんちを使って
第3の方法を見せると さっき言った
テーゼ
アンチテーゼ
ジンテーゼ型の回答で
クリアしたと
第5クエストがゼビル島のネームプレート
お互い持ってるネームプレートを奪い合う
(ナンバープレート)
やっとここで
いわゆるワイルドカードとして出てくる
ヒソカのネームプレートを
ゴンが奪わなきゃいけない
ゴンが奪った瞬間なんだけども
奪われたことを
胸のカードが生まれたことを
左手で確認して
何だ?ってみたときの
この嬉しそうな顔
ナンバープレートを
奪われたことが悔しいんじゃなくて
ナンバープレートを奪うぐらい
成長してくれたことが嬉しくて
でも嬉しいんだけど
これは全く愛ではない
おいしそうに実って♡みたいな
ワクワク感で見られてって言うような
この一連のやり取りで初めて―
ゴンとヒソカが直接対戦みたいなことをやる
これもこの瞬間だけで終わってしまう
どんどんどんどん引き伸ばされる
この後でようやっと
お互いのナンバープレートを奪い合いの後で
ちょっとだけ対戦があるんだけど
それもまぁ一瞬で終わってしまう感じ
あの本当にね
ハンターハンターっていうのは
こういうワイルドカードって言うか
ジョーカーとかねいう
無限の力を持ってるような
謎のキャラクター
それは
あるときはクラピカ
あるときはキルア
ある時はヒソカなんだけど
ヒソカだけは今に至るまで―
本当に全力の力を出さない
ゴンも可能性だけ主人公だから出されていて
本当の本気はいつまでも見えない
その最も初期のカードが
未だに連載・・
次34巻発売されることになっても
まだ直接対決していないという凄さが
ハンターハンターの懐の深さ
ということですね
最後は
あの最終試験は
お互いに戦って
参ったと言った方が負けで
参ったと言わない限り戦いが続く形
ゴンは半蔵という忍者キャラと戦う
半蔵があまりに強くて
絶対勝てないはずなんだけども
ゴンの
真っ直ぐな目を見て半蔵が
「気に入ってしまったんだあいつが」
ていう風なところで
このキルアの目
これって嫉妬なんだよね
つまり
全ての能力を持っていて
お兄ちゃんから闇人形と言われてて
お前は欲望を持たない
違う俺はゴンの友達になりたいんだ
という風に言ってたはずなのに
ゴンに対して持ってるのは
友達になりたいではなくて
「気に入ってしまったんだあいつが」
っていう風なことで
こんな顔しなきゃいけない
こんな顔 何かこれが
単純な嫉妬だったらいいんだけども
自分がゴンを贔屓する理由も半蔵と全く同じ
つまり
そこでなんか
最終的なハンターハンター試験で
最後に出される印象値っていうのが
少年ジャンプの中で人気漫画に
なるためにはという設問と全く同じ
好かれるとはどういうことか
影響力ある人っていうのは
無視されない人っていうのは
どういうもんなのかっていうのを
クライマックス試験に持ってくるって言うね
なんかその
漫画の構造と言うか
ジャンプ漫画の構造自体を
クエストの中に入れ込んだ
この辺りの作り方がすごく面白かったです
以上ですね
あのハンターハンターですね
第1シーズンと言うか
第1シーズンの
ハンター試験編
5巻ぐらいあるんだけども
ざっと語ってみました