今日はJIEL(一般社団法人日本体験学習研究所)主催の
『第13回ナラティヴ・セラピーを学ぶ「デモセッション」』
というオンラインの学びに参加していました。
kouさん(国重浩一さん)によるナラディヴ・セラピーの実際のカウンセリング場面を、午前午後で2ケースたっぷりと60分ずつ味わうという講座でした。
印象に残っていることをいくつか書き記しておきたいと思います。
「表現をチャレンジしてくれる」
相談者の発した言葉を一つひとつ丁寧に確認する姿が印象的でした。
「もう少し言えることはありますか?」
「いまどんな感覚がありますか?」
「このお話しをしてみてどう思っていますか?」
このことについてこうおっしゃっていました。
つい、相談者が口にしたことをそのまま受け取ってしまうことがあります。それをそのまま「相談者の語った事実」として受け取るのではなく、確認して修正する余地を与えることが、安心して正直に話すことにつながるのだと感じました。
わたし自身も「何を言ってもよいですよ」「どんな言葉も受け止めますよ」というサインを送る・雰囲気を醸し出すことを大切にしてきました。ですがkouさんのセッションを拝見すると、まだまだだなと感じますね(笑) 細かなやり取りなんですが、ちょっとした一言による確認が本当に丁寧で、その積み重ねが安心感を生み出しているんだと捉えました。
「表現にチャレンジしてくれる」ようなカウンセリングは、何としても身につけたいですね。
「リアルタイムでつなぐものではない」
お話しを伺った際に、その瞬間に言葉の意味や意図、語りたいこととどうつながっているのかを確認したくなってしまいがちです。言い換えれば「解決してあげたくなる」わけです。
カウンセラーが焦って「これってつまりこういうお話しですよね」などとまとめようとするケースがありますが、それでは相談者が語りたいことになりません。
それに対してこうおっしゃっていました。
じっくりとお話を聴いて、相談者自身にどんな語りだったかをふりかえってもらうことでつながりを味わってもらう感じがしますね。
そのとき、kouさんが特に大切になさっていたのは『相談者ご自身が望んでいるものとして聞こえるお話しをピックアップすること』です。周囲の誰かから言われたことや、社会通念としてあるべき論よりも、本人が望むもの・望んでいるものを語ることが、心の声をより明確にできるのでしょうね。
わたしもどちらかと言えば、じっくりとお話しを聴いて、ご本人に気づいていただくような関わりを好みます。ただ、その意図が不十分だったかなと、今日の学びを受けて感じています。
何のためにこの言葉を使って問いかけるのか、ということをセッション中のすべてにおいてわたしがきちんと説明できるレベルでないと、本当の意味で「意図して問いかける」ことにはならないのかなと。まだまだ精進が必要なようです。
「共鳴が⽣じる」
今日は2名の60分カウンセリングセッションをオブザーブすることができました。
そのお話しを客観的に伺っているにもかかわらず、自分と重なる話題が出てくるとつい「わたしの時はこうだったな・・・」と考えてしまいました。
その瞬間、お話しを聞き逃してしまい、相談者の感じている世界に意識が向いていませんでした。それがよくないこととわたしは思っていました。
しかし参加者同士でディスカッションを行った際に、同じように感じていた方がいたり、それでもよいとおっしゃってくださった方がいました。そこで提示されたのが、今日の学びの前提でもある『ナラティヴ・セラピーのダイアログ』にも掲載されているこの言葉です。
わたしはこれまでの人生で経験してきたことや、いまの仕事や自分の性格などが相互作用して、“わたし”をなしています。
その“わたし”が、お二人の会話に共鳴し、自分事として捉えようとしていたのかもしれません。もし経験がなければ、違う仕事をしていれば、同じ話でも反応することはなかったでしょう。
逆に言えば、このお話しに共鳴する“わたし”は、どのように(今日のお話しを)理解したのかを見つめ直すチャンスでもあります。
これを単純によい/わるいという捉え方をしていたのは、何か要因があるのでしょうね。ここのところ調子が悪いことも影響しているかもしれません。
今日は素敵な時間を過ごすことができました。
『きくということ』とじっくり向き合うには、カウンセリングの場で志をともにする仲間と学ぶことが、わたしにはしっくりくるようです。
来週はキャリアカウンセリングの講習を受講予定です。
学んだことをいかにして実践するかは課題です。ここで満足することなく、自分の力となるよう努めていきます。
さぁがんばるぞ!
明日も素敵な一日になりますように。