死人テストと具体性テスト
いきなり怖いタイトルで失礼しました(汗)
この「死人テスト」とは、行動分析学のオージャン・リンズレーが定義したものです。「死人にもできることは行動ではない」という行動の定義として有名なんです。
例えば、「静かにしなさい」は死人でもできます。よって行動ではありません。「おしゃべりをやめて口を閉じましょう」であれば、死人は自ら口を閉じることはできませんので行動となります。
また「具体性テスト」とは、「具体的に行動できるかどうか」という指標です。
例えば、「ちゃんと片付けましょう」というのは、「ちゃんと」に具体性がありません。「最初にあった場所へ元の通りに片付けましょう」というのは具体的にどこに何を片付ければよいかが明確です。
この「死人テスト」と「具体性テスト」の両方を満たすものだけが【行動】といえるわけです。
子育てだと、ついこんな言葉で注意してしまうことが……
「静かにしなさい」
「おしゃべりしない」
「廊下を走らない」
「きちんと片付けて」
「すぐにやりなさいね」
「しっかり勉強するんだよ」
実はどれも【行動】を指示していなかったですね。
だから子どもは具体的な行動として理解できないので、なかなかいうことを聞かず……
ここに大きなコミュニケーションのミスマッチが起きてしまうわけです。
それはそのまま親の怒りへとつながってしまいます。
悲しいかな、スーパーで買い物をしていると「こら!○○しない!」という強い口調が聞こえてくるんですよね。
「死人テスト」と「具体性テスト」が社会に浸透していないことがよくわかります。
ではどうしたらよいのでしょう?
それは「××を○○しましょう」と、明確に伝えることです。
言い換えれば、肯定的で具体的な言い方にするということです。
「静かにしなさい」→「先に、ママのお話し聞いてもらえる?」
「廊下を走らない」→「廊下は歩きましょう」
「すぐにやりなさい」→「○○時○○分からはじめましょうね」
「しっかり勉強するんだよ」→「ドリルを××ページ、全部○がつくまで解き直しましょう」
ほんの少し言葉づかいを変えるだけで、ずいぶんと印象も変わります。
それはそのまま相手の行動を変えることにつながります。
「~してはいけない」という否定語から「~しましょう」という肯定語へ。「ちゃんと、すぐに、しっかりと」という抽象的表現から「○○を、××に、△△へ」という具体的表現へ。
「死人テスト」と「具体性テスト」。
ぜひ自分の言葉づかいをチェックしてみてはいかがでしょうか?
明日も佳き日でありますように
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