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この夏の星を見る / 辻村 深月

Title: この夏の星を見る
Author : 辻村 深月
Release Date: 2023/6/30
Publisher: KADOKAWA (2023/6/30)
Number of pages: 485ページ

その本を選んだ理由

辻村深月の新作ということで本屋で戸棚に置いてあったので購入。辻村深月の青春群像劇は好きなので期待して購入した。

筆者の紹介

1980年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。
2010年に『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』が第142回直木賞候補作となる。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。

最も印象に残ったシーン・一押しポイント

コロナ禍という制限された時期に葛藤を抱えながら、自分たちに何ができるかという悩みながら進んでいく。みんなでスターキャッチコンテストという手作り望遠鏡で天体観測をする。
辻村深月らしく節ごとに主人公が変わるのだが、主人公の環境が似ているのと、性格に個性がないので、「いま誰の視点で話しているの?」って悩むことが多かった。特に凛久(リク)と真宙(ピカチュウ)の境遇がにすぎていて、どっちの話?ってなる。◇◆◇◆◇◆で視点が動くのだが、思い切って視点の変更先を書いた方が良かった。それかもっと明確に区別できる個性をつけるべきだった。
「コロナ禍のせいではなく、コロナ禍のおかげで僕らは出会えた」、「距離なんてぶっちゃけ関係ない、距離があっても繋がっていればいい」あたりは辻村節だったね。綿引先生と宇宙飛行士のつながりは「スロウハイツ」の応用だったし。「かがみの孤城」みたいに複数の伏線が一挙に回収されていくカタルシスはなかったけど、辻村深月だった。強引に一人を主人公にするのであれば、五島列島組の佐々野円華だろうか。お得意の群像劇もいいが、佐々野円華をもっと中心に添えればいいのにって思った。溪本亜紗は途中、ずっと空気だったし、真宙(ピカチュウ)は「ピカー」しか言ってなかったのが残念。

今後の自分の行動や考え方の変化

「距離は関係ない。」リモートワークやインターネットが発達した今だからこそ、もっとつよくそう思うべきなのに、距離を意識してしまう。距離の呪縛から解放された思考をできるようにしたい。あとは「なになにのせいで」を「なになにのおかげで」の変化をできる行動力を身につけたいと思った。


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