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愛が、なんだ

https://www.netflix.com/title/81710306

上映日:2019年04月19日
製作国:日本
上映時間:123分
ジャンル:恋愛
配給:エレファントハウス
監督:#今泉力哉
脚本:#澤井香織, #今泉力哉
原作:#角田光代
主題歌/挿入歌:#Homecomings

レビュー

ロジックトリックというか最後まで騙されてしまった映画。途中まではたぶん当たっていたのだと思うけど、ずっとそのままなわけがなく徐々に変化していく人を「人は変わらない」というバイアスでみていたことにも気付かされる。そして日本映画にあるがちな「マンネリ(よくある展開)」を織り交ぜていく秀逸な展開。制作費がない日本ではこういう地味な演出で客を楽しませるしかないのかもしれない。
以降ネタバレです。ですが私の解釈なのでネタバレですらないかもしれない。
28 歳のテルコはマモルに惚れて、男のために仕事を辞めて人生を勝手にささぐ女。恋愛中毒で依存症。一方、マモルはDVとかはしないけど、だらしないだけのダメ男。好きでもないのにテルコと体の関係だけは持ち続ける。テルコの友達の葉子。マモルを批判ばかりするが、女版マモル。ようするにこっちもクズ女。批判はするが、されると烈火の如く怒り出す。そして、その葉子の精神安定剤、ナカハラくん。この男が本当の恋愛依存症のストーカー男。
ナカハラとテルコが似たもの同士っていうところから、作者は視聴者(読者)を騙し始めている。何も考えずに見るとテルコはマモルを愛しているように見える。恋愛ストーカーにしか見えない。心の中にあるテルコの声も「マモちゃんが好きなんでしょ」って言っている。こっちも当然そう思ってみちゃう。でも心の声は蛇足すぎて下品な気がするが、それくらいしないと日本の視聴者は騙されてくれないのだろう。
恋愛不器用な女が自分にも周りにも嘘をつきつづけている話のままラスト5分。「どう収集するの?これ。そもそもどうでもいい恋愛ストーカーのダブルカップルの話を2時間近く見せられて、なにもなくてフェードアウト?日本映画っぽいけど。それただの駄作で小津安二郎じゃねーから!」って思い始めた。
テルコが「マモルのことを好きなわけない。そしてこれは恋愛じゃない。恋じゃない。ましてや愛なんてでもない。そんなものはとっくの前に過ぎている。」。

「いつになったら私は田中守になれるのだろう。」

で映画は終わる。
その視点で振り返ってみると、確かにテルコはマモルのことを途中から好きでもなんでもなくなっているように思う。そしてテルコが全く「嘘」をついていないと仮定すると、「田中守になる」が目的の場合、すんなり合点がいく感じがする。見直した場合、しっくりくるセリフとシーンがたっぷりあるだろうってことも想像つく。恋愛ストーカー物語の振りしたロジック推理映画でした。なかなか面白い。

出演者

#岸井ゆきの
#成田凌
#深川麻衣
#若葉竜也
#穂志もえか
#中島歩
#片岡礼子
#筒井真理子
#江口のりこ

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