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人生を変えたお片付け  お話1. ~とある主婦のお話~

「忘れ物ない!?お弁当持ったの!?忘れてももうぜっっったいに!!!届けないからね!今度はね、アホ弁当じゃ済まされないからね!」

長女は忘れ物が多く、つい先日も、
お弁当忘れたから学校に持ってきてと連絡があり届けてきたのだが、
あまりに忘れ物が多いので頭にきた母は、
その怒りをお弁当に込め、持って行ったのだった。

「もっとちゃんとしなさいよ!!忘れ物ばっかりして!」

・・・

「ママ~
ユメが絨毯の上におしっこしちゃった~」

「え~~~もう最悪!!! 気を付けていってらっしゃいね」

ごくごく普通の主婦の朝。


夫と3人の娘。犬2匹。

家事と育児に追われる日々。

夫は早朝に家を出て、帰宅はいつも22時過ぎ。

一番上のお姉ちゃんが学校に行くのを見送ってから、
2歳と、まだ生まれて3ケ月の小さな妹たちを保育園に預けパートに向かう。

「子どもが1歳になったら働いてくれ。」

マイホームを建てたこともあり、
夫にはそう言われていた。でも、、、

「子どもが3歳になるまではお家で自分で見ていたいんだよなぁ
小さい時間なんてあっという間だもん。」

それが彼女の本当の気持ちだった。

でも、
なかなか望み通りに行かないのが現実。。。

朝起きて、
歯磨き・洗顔・化粧に着替え。
洗濯物を回し、チャチャっと掃除。

お弁当を作り、朝食の準備に後片付け。
そして保育園の準備。
ゴミ出しをしてから子どもたちを保育園に預けてパートに向かう。

「お客様は神様です!常に笑顔で接客を!」

作り笑顔とスピーディーな行動、
そして丁寧な対応。

お昼休憩は15分。
急いでお弁当を買いに行き、ご飯を食べて用を足し、
スイッチON!

いらっしゃいませこんにちは~^^

パートが終われば急いで下の子どもたちを保育園に迎えに行き、
スーパーで買い物をし、
家に帰ると休む暇もなく子どもの相手をしながら洗濯物を取り込み、
お風呂掃除に夕飯の準備。

「いただきまーす!」

「ガシャーン!! あーこぼしたー」

「あらら。。。」

「あーももちゃんがブロッコリー口から出したー」
野菜嫌いな末娘。

「野菜も食べてくれよー。。。」

「ママ~お父さんから電話ー!今日ご飯いらないってー!」

「はぁ!?早く言ってよ!!子どもたちだけならお弁当買ってきたのにーーーー!」


ご飯を食べ、お風呂に入り、

寝かしつけの絵本読みでは、自分が半分寝ている状態。

子どもが寝たのを確認し、
そーっと起きて夕飯の後片付け。

起きて片付けができた日は花丸まる。

子どもと一緒に寝てしまう撃沈の日がほとんど。。。

次の日の朝、
片付いていないぐっちゃぐちゃのキッチンに
ガクーンと肩を落とす。
朝から最悪なスタート。

また今日も嵐が通り過ぎるような一日が始まり、
そして終わる。そんな毎日。。


疲れが溜まったのか、ストレスか、
彼女はとうとう身体を壊してしまう。



「『鬱病』ですね…」

「え?鬱病?なんで?私が鬱病?」

診断結果に疑問を感じながらも、
身体がおかしくなっているのは事実。

思うように身体が動かなくなり、
働くことができなくなってしまい、
パートを辞め自宅療養を始めることに。

ご飯を食べていると突然右手が動かなくなり箸を落とし、
落としたことはわかっているのにその箸が拾えず、
そのまましばしフリーズ状態。

階段を上りたいのに右足が上がらない。

「なんで?そんなはずないじゃん!!」

考えなくたって自然に動くはずの右足が、
動かそうとしても全く動かない。


わけもなく突然急に悔しい気持ちがこみ上げてきて涙が止まらない。
その涙を拭いたいのに、、
手も上がらない。
涙と鼻水が床にポタポタとこぼれる。

「なんでこんなになっちゃたんだろう。。。」

頭も気持ちもしっかりしている。
なのに体が動かない。。。

悲しいような虚しいような、
悔しいような。。。

そんな思いとの闘いの日々。

ある日彼女はすべてを手放したくなり家を出る。

いつも決まった時間にきちんとお迎えに来るお母さんが来ない。

保育園からの着信にも携帯電話を取ろうとしない。

家族からの着信も、
仲の良い友達からの着信も
横目で携帯電話の画面を見るだけ。。

やっと気持ちを取り戻し、
みんなが心配する中深夜の帰宅。

そんなこともあったのが、
時が経つごとに次第に症状も良くなり、
心と体のバランスも少しずつ良くなってきた頃、

4つ年上の姉から

「整理収納アドバイザーっていう資格があるよ!片付けが好きなあなたにいいんじゃない?」

と言われ、資格を取るために勉強を始める。

無事試験に合格し、日々片付けを学んでいく中で彼女は、片付けの奥の深さに気づく。

自分にとって不要なモノを取り除いていくと、

目の前にある、

視界が変わり、
空気が変わり、、
感じ方が変わり、
考え方が変わる。。

そして、

人生が変わる。



リビングのテーブルの上、

片付けられずに置かれた一本の鉛筆。

そのたった一本の鉛筆を片付けることでテーブルの上が片付く。

テーブルの上が片付くことで空気が変わり、

今度はリビング全体が片付く。

リビングが片付くことにより、そこから次第に家全体が片付いてゆく。

たった鉛筆一本の片付けが人生までをも変えてしまうかもしれない。。

そんなことに気づいた彼女は自分なりのやり方で片付けを発信してゆこうと、ブログを書き始める。

書くこと、伝えることの楽しさを発見した彼女。。。


彼女は今・・・


作家として執筆活動に励んでいるのであります。


『片付けは人生を変える。』
人生を変えたお片付け お話1. ~とある主婦のお話~

#創作大賞2023

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