34話(回想).お母さんを卒業します。
私の名前はお片付け薫。お部屋も身体も心も片付ける、お片付け研究家薫です。お部屋をスッキリ綺麗に片付けたら、身体の不調も片付き、心のモヤモヤも片付き、思考までもがクリアになってきた。自分にとって余計なモノ、余計な思考が片付いた時、曇っていた視界が晴れ渡り、空から不思議な囁き声が聞こえ始めた。その囁き声に導かれるまま、私は新たな人生を歩きだす。片付けから始まる不思議な物語。
第一話はこちら↓
インドから帰国して、また以前のような生活に戻った。と言いたいところだが、我が家の生活は一変した。
パートナーさんに子どもたちをお願いして2ヶ月間も家を空けていたので、生活はすっかりパートナーさんのペースになった。
最初のうちは、次女が夕食を作ったり、自分と妹の2人分のお弁当を作ったり、一生懸命家の事をしてくれていたんだけど、まだ15歳。一生懸命で頑張り屋さんの小さなお母さんは、心も体も疲れてしまった。
3年ほど家庭内別居をしていた私達。私とパートナーさんとはもちろん、子どもたちとも会話はほとんどなかったし、食事も別だった。それがいきなり私が居なくなったことで、子どもたちはとても困っただろうけど、パートナーさんにとっては、楽しい日々の始まりだった。毎日張り切って食事やお弁当を作り、とても楽しそうだ。
片付けを極めてからの私の作る料理は、
・動物性食物不使用
・化学調味料不使用
・砂糖不使用
・小麦粉不使用
おやつも手作りだった。https://www.instagram.com/kaoru_okataduke_food?igsh=a21razN0ZmwzY2hh
お肉や魚を食べないと言うとみんな必ず、
「じゃあ何食べてるの?身体大丈夫?」
と聞かれる。
でも私はもちろん、子どもたちも風邪を引くことはほとんどなかったし、何より子どもたちの肌艶の良さと、艶のある髪をよく褒められた。ストレートロングの娘たちの髪はシャンプーのCMに出れそうなくらいツヤツヤだった。
そんな子どもたちを見て、
「身体に良いもの食べてるからだね!」
と、私の事を褒めてくれる人もいたけど、大概の人は、子どもたちまで巻き込まれて可哀想に…と言う目で私たちを見ていた。
そんなストイックな?奇妙な?食生活が、私がインドに行ったことで一変し、普通の食生活に戻った。
週末の外食や学校の給食でのみ食べていたお肉や魚料理が日々の食事となった。
パートナーさんの作る料理は、毎日お肉料理。そしてアイスやスナック菓子が好きな彼は、子どもたちにもたくさん与えた。それが普通。普通の食卓。普通の家庭。私の食生活が特殊なだけ。だからこれで良かったのだ。
でもね、アイスやスナック菓子には砂糖や添加物が大量に使われている。それらは私達の思考を麻痺させてしまう。
色々なエネルギーを感じるようになった私。砂糖や添加物は、もっと!もっと!と中毒的なエネルギーを引き起こすし、動物性食物は命そのもの。その生命は、どんな環境で育ったのかも私に教えてくれる。
敏感で繊細な私の娘たちには取り入れたくないエネルギーだった。だから私はそれらを断舎離したのだった。
でも気付いたの。こんな暮らしをしていたら、人間では居られなくなってしまうという事を。
私がveganだと知っている人は教えてくれる。
「やっぱりお肉食べないとダメだよ!veganで死んだ人がいるんだから。」
片付けの資格を取ってからもう10年近くになる。10年近く片付けを研究し続け、お部屋だけでなく、自分の身体もよく観察し、不要な食べ物を摂取する事を断舎離し、身も心も身軽になった私は分かった。
お肉を食べないから死ぬんじゃない。
人間として生きられなくなるんだということを。この地球に存在する物、身体に良い物も悪い物も、色んな物を食べていくのが人間なのだ。
だから今回私のインド行きで、パートナーさんに子どもたちをお願いできた事は、すごく良いチャンスだったのだと感じている。こんな機会がなかったら、この私の生活スタイルを変えることはできなかっただろう。
私はいいの、これで。むしろこっちの道を進まなくてはいけない。
でも子どもたちは、これからもたくさん地球で楽しんで生きていかなくてはならない。
将来大人になった時、私との暮らしを思い出して、どちらに進むかを考えればいい。
時間は短かったかもしれないけれど、子どもたちには十分に接してきたと思う。駆け足だったけど、伝えるべき事は全て伝えたつもり。
『卒業』
あの日空から降りてきた言葉に、私は従わなくてはならない。
宇宙はいつも、最高のタイミングで良い波を運んでくる。だから、ためらうことなく、恐れることなくその波に乗り、人生の波乗りを楽しばいい。
私は全てに感謝する。
思いもよらぬ出来事にも。
全く価値観の違うパートナーさんと結婚生活が送れたことも。
全てに感謝。
そして、最愛なる娘たち。
私を選んで、私のもとにやってきてくれてありがとう。
あなた達のお陰で、お母さんを精一杯楽しむ事ができました。
ちょっと変わったお母さんだったけど、
楽しかったね!楽しかったでしょ!?
素敵な時間をありがとう。
(この物語はフィクションヒューマンドラマです)
第1話https://note.com/okatadukekaoru/n/ne7b0fb9ff425