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#10 家族に子供は絶対条件なのか。

2020年9月6日。

パートナーと話し合った結果、今のところは中絶する方向で話が進んでいる。私だけの意思ではない。2人が納得して出した結論だ。

家族に子供は絶対条件なのか

もしかしたら、賛否両論を呼んでしまうかもしれない。けれど、私たちの話し合いではこれが主な話題にはなった。

家族と一言で言っても、そのあり方がかなり違う。ひと昔前だったら『血のつながり』で決める節があっただろうけど、離婚や再婚が増えつつある今はそれだけで図れないはずだ。

たとえ『血のつながり』でくくられたとしても、個々の性格も価値観も違うんだから、家族というひとくくりになると無理やり同一化しようとして違和感を覚える。個人としてどう生きるかがベースにあって、そこで家族という名のチームをどう運営していくのか、と考える方がしっくりくる。

だからこそ、家族になるからと言って、そこに子供が必ずしもいなければならない......ってことはない。

子供がいるなら、子供がいるなりの楽しみも辛さもあるだろう。もちろん、その逆もしかり。それでも、個人としてすでに満たされているならば、これ以上これ以上に求めることはない、ということでもある。

『出産したほうがいい』という声もある

気の知れた友人、いつも一緒に仕事をしている女性同僚には妊娠していると伝えている。私の状況を理解している人たちのはずだが、そこでも『出産した方がいい』という声がやや多い。

その人自身が出産を経験しているかもしれない。中絶による私の身体への影響を慮っての声でもある。医療技術が発達しているとしても、中絶は身体の内側を傷つける手術なのには変わりがないだろうし、後遺症?として不調になりやすくなったり病気にかかりやすくなったり、リスクは否めない。

けれど、リスクを回避するために出産するのは本末転倒で無責任ではないか。
出産したらしたで、20年、30年はその子供を大人にする責任を負う。身体のリスク以上に重いものではないか。自分の身を守るために出産するのは本末転倒なんじゃないか、ということ。

少子化が進んでいるのを考えても、『出産したほうがいい』という声も理解ができる。受け止めることもできる。

が、そういう選択がしっくりは来なかった。
感覚的に子供を利用しているようにも見えるし、自分がやりたいことを犠牲にするぶん、どこかのタイミングで『産まなきゃ良かった』とも言いかねない。それは誰にとっての幸せにもならない。

カップルに合った幸せがある

私とパートナーは長い関係ではない。まだひよこレベルの浅い付き合いだし、一緒に過ごす時間も経験・体験もこれから積み上げていくところ。『これから』だからこそ、余計に子供を考えきれていないのも否めない。

だからと言って、妊娠も子供のこともないがしろにしたわけではない。本音をぶつけ合ったし、これまで以上に色々な話をしてきた自負はある。カップルが抱える事情は千差万別で、それぞれに合った正解がある。私たちはあらゆる選択肢の中から中絶を選ぼうとしているにすぎない。

基本は、自分の幸せは自分が決めるものだと思っている。誰かに指図されたりコントロールされたりするものではない。そして、他者が関わることで、幸せに豊かさが追加される。だから、他者との関係をどう築くかで、人生は大きく変わる。

カップルの幸せはカップルが決める。
当たり前のことなんだけど、その当たり前に気づくことが難しかったりもする。焦りすぎず、でもちゃくじつに前進しよう。

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