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#24 妊娠届の提出率低下をコロナだけのせいにしないでほしい。

2020年10月23日。

2日くらい前に、『妊娠届が前年よりも11%減少、コロナの影響か』というニュースが出た。

コロナの影響で出生率が低下した......と言いたいのは理解できるけど、もしコロナがなかったとして『出生率が上昇もしくは例年と同様だ』と想像できたのか?と逆に聞きたい。

私は、コロナはあくまで世界的な問題のひとつであって、経済に影響はあったけど、日本の出生率には影響してないと思う。何でもかんでもコロナのせいにすればいいってもんじゃない。現実を見てほしい。

妊娠届(出生率)の低下は必然じゃないか?

妊娠・出産はセンシティブな問題だ。

人によってバックグラウンドがかなり違うので、ひとくくりに言い切れるものではない。なので、これは私の個人的見解にすぎないし、不快に感じられたり、その予感がするなら、読まないほうがあなたのためだと思う。

世の中には色々な価値観を持った女性がいる。これまで出会ってきた人を思い浮かべてみると、

①独身を貫きたいと思っている
②絶対に子供がほしくて妊娠した
③子供はほしいけど、不妊治療をしている
④予期せぬ妊娠をして、出産すると決めた
⑤パートナーはほしいけど子供はいなくていい
⑥結婚したいけど、自分は無理と思っている
⑦結婚したいと言ってるだけ(本心ではない)
⑧縁に恵まれず独身のままでいる
⑨特に結婚したいとは思わない

の9パターンくらいにわかれると思う。どんな人生にするのかはその人の選択だから、周りの人がとやかく言うべきものじゃない。その人が良ければ、それでいいのだ(ちょっとバカボンのパパっぽいけど)。

仮にこの9パターンの女性がいるとして、妊娠届を出せるのは②か④の女性だけだ。そもそも論で該当する人が限られすぎているんだから、減るのは必然なんじゃないか。コロナのせいじゃない。

コロナで産み控えをしてる?

識者かな?『コロナで産み控えをしてる』なんて発言があったけど、勝手に決めつけないでほしいなと思った。

確かに、妊娠によって身体は思うように動かないし、できることが限られてくる。助けが必要でも頼れないのはしんどいし、分娩の病院をどこにするかでも迷う。コロナによって制約は増えたかもしれないけど、妊婦が不安に思うことの多くはコロナ前からもあったことなんじゃないかと、私自身が妊娠して思うことだ。

体調は不安定だ。日々の変化で戸惑うことも不安もあるけど、それと向き合ってひとつひとつクリアにして乗り越えるしかない。その過程があって『母親になる』ということなんじゃないか。

コロナは不安を増大させて、妊娠をためらった女性も実際にはいるかもしれない。けど、自分たちの意志だけではどうしようもない事象でもある。コロナだからといって、産み控えをしてるわけじゃないんじゃないか。

不妊治療中のカップルにも配慮しよう

詳しいわけでもないし、浅い知識であれこれ言うつもりはないが、今の日本では不妊治療をしているカップルが多いと聞く。子供がほしいと思っていても、うまくいかないカップルだっている。

不妊治療をしていても必ず妊娠するとは限らないし、妊娠しても流産してしまう場合もある。お金だってかなりかかるし、体力的にも精神的にも疲弊しやすいんじゃないかと想像できる。場合によっては、不妊治療が原因でパートナーとの関係に亀裂が生じる可能性だってあるんじゃないか。話を聞いてもらいたいと思っていても話しにくいだろうし、カップルでどうにかしないといけないことが増える......大変なことばかりなはずだ。

妊娠届の低下のニュースは、そういうカップルにとっては変にレッテルを貼られたような、気持ちになるんじゃないか。不妊治療中のカップルこそ、お互いの意思のもと子供がほしいと強く願ってるであろうに、その思いが踏みにじられて傷ついて......コロナのせいで片付けられるなんて。コロナでもそうじゃなくても関係なかったはずなのに。

今の時代は妊娠も出産もリスクでしかない

と、私は本気で思っている。
妊娠してる身でこんなふうに言うのは問題かもしれないけど、女性がみずから妊娠・出産をしようと思うのはすごいなと思う。

最近、私自身はだいぶ穏やかになって、出産も産後のことも受け止められるようになって覚悟もより強くなったけど、やっぱり、『女性にとっても結婚は墓場なんじゃないか』と思うことはある。

パートナーの性格とかによって違いはあるにせよ、いまだに

・家事は女性が中心でやるもの
・結婚したら子供の話題を振られやすい
・妊娠しなかったら女性のせいにされやすい
・子育てはワンオペ、キャリア断念
・時間にゆとりがなく疲弊

など、結婚の良いイメージができない。私がバツイチだから余計に結婚に対してネガティブなイメージを持っているだけなのかもしれないが、出産すると決めた時点で、あきらめるつもりはないにしても、『あきらめなきゃいけないことが増えるんだろうな』と思った。

正直、性別も年齢も関係なく、今の日本は生きづらいんじゃないかと思う。
それでも、どうにかやっていくしかなくて必死にもがいて、もがききれなかったら見てみぬふりをされて放置されてしまう。今置かれている状況でベストを尽くすほかないのだと思い知らされている。

だからこそ、結婚したいと思う人は減っていく一方だし、結婚したいと思って出会いがあったとしても、先々のことを考えると『この人とは結婚できない(したくない)』と思って縁を手放す。モラハラ、亭主関白な面を見たら、関わりたくないと思うのも自然だ。そして、結婚にこだわらない生き方をしていたり、結婚はしたとしても子供までには行き着かなかったりもする。

考え方も価値観も、年々多様化している。
結婚したら子供を作るもの......みたいな風潮があるけど、結婚にこだわらない仕組みを作ってほしいなと思う。事実婚でもいいし、子育てに特化したパートナーシップを築くでもいい。

少子化のことをニュースに取り上げるなら、結婚に限ったことではないが、多様性を認めること。まずはここからなんじゃないかと思う。

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