空をこえて七星のかなたとか
短編集。星テーマ?
うーん、合わなかったですね。いろんな少女(たまに少年)たちが日常を過ごしてたり青春してたりちょっとつらそうだったり不満そうだったりしている。その模様はいい感じで楽しく読めるんですけど、各編、終盤に物語が急にミステリだったような顔をしだすので、いささかびっくりしてしまうというか、ミステリ以外の物語にもっとがんばってほしかったのに負けてしまったようで、残念な気持ちになるというか……。なんか安易に感じられてしまったというか。
加納朋子さんけっこう好きなんですが……。
よかったのは『星は、すばる』かなあ。
ひょんな事故。男の子に枝で右目を突かれて、視力が落ちちゃった小学生の女の子の話。かつて1.5だった視力は0.08に。なぜか左目も矯正した上で0.1に。
宇宙飛行士になりたかったのにつらい……かつてあいつと約束したのに……。そんなこんなで加害者の男の子にお世話してもらう生活に……。
「……ごめん……なさい……」
友達同士の距離から、ぐっと踏み込み、私はコータの顔を真正面から見つめる。
その頬を伝う涙を見つけてしまい、慌てて適正な距離を取る。それを合図にしたように、コータは憂鬱な下校を再開した。とぼとぼと揺れる黒いランドセルに、私はそっと手を添える。
明るくて元気なのが取り柄みたいな男の子を、こんな風に泣かせてしまったことに、私はうろたえ、罪悪感を覚え……。
けれど確かに、心から満足していた。
うーん、いい……。ひとを絶対に従わせることのできる権限を手に入れた少女……。ふたりの関係は作中で奴隷と重りにたとえられているけれど、重りでもあると同時に主人であることへの自覚……。これにはドSなミステリファンも大喜び……(ちがう
うーん、でもなあ。うーん……。
まあ対象年齢は低めに作られてる気もするし、残念がるのもなんかちがうのかもしれない……。合う人はおとなでも合うんだろうし、まあ、うーん、いいか。『早朝始発の殺風景』の「メロンソーダ・ファクトリー」とか好きな人はいけるのかも。しらんけど。そいじゃまた。
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