#15 「誰かにオススメしたい本・映画・アニメ・ドラマ」
私がオススメしたい絵本は「大きな木」です。
(作・絵シルヴァスタイン)
絵本というと大人の方向けではないかと思われがちですが、黄緑色の表紙を開くと…全くカラフルな雰囲気ではありません。中身は白黒のシンプルな世界観なので、電車で読む大人の方にも違和感なく読めるオススメの一冊です。
「大きな木」作・絵シルヴァスタイン
この「大きな木」は私がオススメしなくとも、ご存知の方がたくさんいらっしゃると思います。まさに言わずと知れた世界的ロングセラー絵本です。
日本語訳では「大きな木」ですが、原書(英語)だと「The Giving Tree」という題名になります。
The Giving Tree(与える木)という題名を見て、大人の方でしたら少しだけ、どんな木か想像してもらえるかなと思います。
本の内容
ある少年が老人になるまでの様子を、1本のりんごの木がそっと見守ってくれるストーリーです。温かさやときに切なさも教えてくれる内容です。
私は幼いながらも、りんごの木から愛情や切なさを教えてもらいました。人から感情を受け取ることはあっても、幼い子どもが絵本から愛情や切なさを教えてもらうってなかなかないかなと思います。
大きな木の「翻訳者」に驚いた
日本では1976年に本田錦一郎さんの翻訳版が出版。
2010年に村上春樹さんの翻訳にて復刊したそうです。
それなので、私が小さい頃に読んでいた大きな木は本田錦一郎さんの翻訳版。息子に購入した本は村上春樹さん翻訳ということになります。
私は本田錦一郎さん翻訳版で育ってきたので、馴染みがあるのは正直に言うと本田錦一郎さん版の大きな木です。
しかし、村上春樹さんの翻訳版も素敵です。
これからもどんどんと日本中で読まれていく本だと思うので、村上春樹さん版が主流になっていくのかなと思います。
本田さんと村上さんのどこが違うか?
まずは、本田錦一郎さん版は全文がひらがなです。一方で村上春樹さん版は漢字が使われていてひらがながふってあります。
訳し方については、本田さん版は、気持ちをつぶやいているような「ほんとうかな」「〜だった」というような雰囲気です。一方で村上さん版は「〜じゃありませんよね」「です・ます調」というような優しい雰囲気です。
現在、書店では村上春樹さんの翻訳版が販売されております。絶版になった本田錦一郎さんの翻訳版を古本屋さんや図書館で見かけた方はとてもラッキーかなと思います。
もしも、本田錦一郎さん版を手に取られた方がいらっしゃったら、少年がリンゴの木に掘った名前が村上春樹さん版とは違うところもかわいいので…ぜひそのイラストの違いも見てもらいたいです。
(これはマニア的な領域かもしれません)
テキスト数やオススメの年齢
テキスト数はたまに多いページも出てきますが、基本的には少なく、1行で終わるページもあります。
白黒でシンプルなのに愛のこもった絵を見ながら、話を進めていける内容です。
【1人で読むなら】
小学生低学年くらいのお子さんからオススメかなと思います。
【大人の方にも】
ちょっと優しさを取り戻したいな…という時にオススメな本です。
お子さんから大人の方までオススメです。
私と「大きな木
「大きな木」は小さい頃に母が買ってくれた一冊で、いつもリビングに置いてある本でした。
いつでも手に取って読むことができたので、私にとって幼い頃から距離の近い絵本だったような気がしています。
自分が母親になり、息子にも読んでほしい1冊だったので購入し読み聞かせもしてきました。
大人になってから読んでみると、登場するりんごの木が両親のような温かい存在であることに気がつきました。
作・絵シルヴァスタインさんへ
1964年に初版が世に出て、子どものみならず大人にまで読まれて…ましてや世界中で読み継がれる絵本になるなんて…
シルヴァスタインさんは、想像していらっしゃいましたか?きっと答えはnoかなと思います。
シルヴァスタインさんはどんな気持ちでこの本を書いたんだろう…聞いてみたかったです。
私も母から受け継がれ、同じように息子に受け継ぎました。「大きな木」でみんなを繋いでくれてありがとう。
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