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「現代人物論 池田大作」小林正巳著(昭和44年9月25日)第1回    ジャーナリストの責務として池田大作氏を語る(1)

本投稿につきましては,著者御遺族ならびに出版社の了解を得て,配信をしています。

まえがき
創価学会は世間の白眼視のなかで 、今日の巨大な組織を築いた 。今や日本の社会における比重と発展性からみて、創価学会を無視して十年 、二十年後の日本の将来を語ることは不可能だろう 。
しかし、その奇跡的ともいえる爆発的発展の過程において 、過去の新しい思想運動がすべてそうであったように、末端地域社会での摩擦はある程度避け難いものだったに違いない 。そうした摩擦があるいは誇大に流布され 、あるいは多分に悪意をもって宣伝されたこともあって、いまだに創価学会に対する一般の誤解は根深いものがあるようだ。
しかも、そうした世間一般の空気を映して、はじめから批判的ないし、興味的に書かれた書物は多いが、その理念なり、活動の実態なりをまともに取りあげてきたものはきわめて少ないように思う 。
一応名の通った評論家、学者などの誤った事実認識に基づく論評なども、この誤解を 一層助長してきたといえよう 。
だが、今日のように日本社会における創価学会の比重が増し、日本全体に大きな影響力をもつようになった以上、いつまでも誤解のまま放置されていてよいものではないだろう 。誤った認識は正されなければなるまい 。私は幸いその頂点に立つ池田氏の考えを直接きくこともできたし、地方指導に同行して“庶民の指導者”の素顔をみる機会にも恵まれた。その点からも,こうした誤認識や誤解を正すことがジャーナリストとしての私の責任でもあると思う 。