スパロボF スーパー系編
この記事はスパロボをある程度知っていてなおかつスパロボ30が発売されてる今になってスパロボF始めてみようとか考えてる奇特な人向けの記事です。
スパロボFとは、今は亡きウィンキーソフトが開発したマゾヒスト養成ソフトである
この記事は、スパロボシリーズほぼ全作やった暇人筆者が、スパロボFについて勝手に解説するだけものである。
スパロボFのスーパー系について
「スーパー系は使えない」
と言われがちなスパロボFではあるが、まぁ、大体合っている。
Fのスーパー系と言えば、「雑魚にすら攻撃を当てられない」「雑魚のワンパンで落ちる」
《《《《《《宇宙B》》》》》》
などの悪評が祟り、「ニュータイプにあらずんば人にあらず」などと言うにわかどもにより粗大ゴミ扱いされがちである。
そこで、まずは近年のスパロボとは大きく違うスパロボFの戦闘システムについての解説をしよう。
まず、命中&回避システムについて話すと、この時代の運動性は今で言う照準値も兼ねていた。
そのため、運動性の低いスーパー系ではなかなか当たらない…と言いたいが、真の問題はそこではない。
近年のスパロボには馴染みが薄いが、この当時には"限界反応"というモノがあった。
"限界反応"について説明すると、例えばアムロの回避値が250だとして、アムロの搭乗する機体の運動性が100なら250(回避値)+100(運動性)=350(総合ステ)の値が得られるわけであるが、その機体の"限界反応"が300だと、総合ステが300以上になることはない。300(限界反応)-350(総合ステ)=-50となり、50は死にステとなるわけである。これは命中値の方にも適応されるので、命中値も300までしか上がらない。
これが、"限界反応"。
今作の"スーパー系"と呼ばれる連中は、この値が低い。これが一番の大問題。
これがどうゆう事になるのかというと、限界反応が低い=運動性を上げても限界反応が邪魔をしてすぐ真っ赤になる。
「雑魚相手にすら攻撃が当てられない」
と言われてしまうのはこれが原因である。
次に、攻撃計算式の話をしよう。この頃の攻撃計算式は「基本攻撃力-基本防御力=ダメージ」なのだが、式を紐解いて行くとかなりおかしい計算をしている。
基本攻撃力の算出方法は「武器攻撃力×(格闘or射撃の値/100)×(気力/100)×地形適応」。
基本防御力の算出方法は「装甲の値×(気力/100)×地形適応」(地形適応の数値はA=1.2、B=1.0、C=0.8、D=0.6)
ん??????ちょっと待って??
これ、×の数違くないか?????
これがどうゆう事かと言うと、基礎攻撃力の上昇式に基礎防御力の上昇式がついていってないのである。
更に耳を疑う話であるが、この時代のキャラステータスに"防御"というモノはない。
武器改造に加え、レベルアップにより射撃&格闘が伸びる事で武器攻撃力は上がるが、防御力の方は機体の装甲と気力で耐えるしかない。
これにより、後半になればなるほど装甲が意味を成さなくなり、より回避偏重の構成を強いられる事になる。
「雑魚のワンパンで落ちる」
と言われてしまう理由はこれにある。
まぁだからと言って、最初から最後まで使えない産廃というわけではない。
「雑魚にすら攻撃を当てられない」と言うのはF完になってからの話で、運動性が照準値を兼ねるという事は裏を返せば運動性を上げれば当てられるということであり、Fの間なら運動性&限界反応に五段階改造を施しておけば、精神コマンド無しでもオーラバトラー以外ならスパロボAPでのEWAC無しのアムロ程度には当てられる。
「雑魚のワンパンで落ちる」と言うのもF完になってからで、気力ゲーのスパロボFは気力が高ければわりと耐えてくれる。逆に気力が低ければ装甲が高くても思ったより耐えない。
それに加え、Fのリアル系は"必中"を持たない事が多い。酷い話ではあるが、確実に仲間になるMSパイロットの中ではド底辺能力のキースしか覚えない。
その為、驚異的な命中&回避力を誇るライグ=ゲイオスやシロッコヴァルシオンを相手にする際や、「踏み込みが足りん!」で有名な切り払い技能やシールド防御技能を持っている連中に対しては、全員必中を持っているスーパー系の方が楽に狩れる。
それに、Fシリーズはクソめんどくさい全滅プレイでも繰り返さない限り、常に資金難との戦いになるので、資金を持っているユニットは"幸運"と出来れば"努力"を掛けて倒すことが推奨される。
スーパー系の複数乗りには幸運(と努力)を持っているキャラが多いので、資金を多く持っているボスを倒す仕事を任せる事が多く、そういった点でもボスキラーは適任。
にわかが勘違いしていそうな「スーパー系は熱血止まりでリアル系は魂を覚えるから、スーパー系は火力でも負ける。だからボスキラーとしてもスーパー系は不遇」というのも半分位は間違えで、前述した幸運&努力の必要性もあり、一部以外のボスキラーの地位は揺るがない。
というより、一番の問題は魂とかそんなもんじゃない。
理由は後でたっぷり解説する。
少なくとも、F時代の主力機体がZ、リ・ガズィ、ジェガンという泣きそうになるくらい乗機に恵まれないNT勢よりは全然強い。産業廃棄物と呼ぶのはにわかくらいであろう。
が、そんな擁護もF完辺りからは全く出来なくなる。
F完に入ると待望の10段階改造が出来るようになるわけだが、そこに至るまでの期間が恐ろしく長い。
どれくらい長いかと言うと、ラスト15話辺りでようやく解禁される位長い。
そのくせ、敵は序盤からバンバン改造してくる…というより、明らかに数値のおかしい敵が跳梁跋扈する。
こいつらに対抗する為には運動性&限界反応を上げて命中を確保しなくてはいけないのだが、前述の改造問題により、上げたくても上げれないという事態を引き起こしてしまう。
ドン亀の機械獣相手ならそこまで苦にならないが、中盤のオーラバトラー相手になると、改造していても命中率が良くて2割、悪くて0という悲惨な状態に陥ってしまう。
それに、限界反応の低さも相まって改造する時は常に運動性と限界値の両方を改造しなくてはならないため、二重に金が掛かる。
ならば"必中"で…となる所だが、毎ターン精神コマンドを使っているようでは、今度は精神ポイント残量×2で会得出来る経験値ボーナスを貰えなくなってしまう。
一応、運動性と限界反応を10段階改造すれば現実的な数値が出るのだが、その頃にはF完最序盤で手に入るF91にでも金をぶっこめば良いと気が付いているだろう。
そして前述の切り払い問題も「敵の射程圏外から攻撃すると、シールド防御も切り払いも発動しない」という攻略法があり、接近戦主体のスーパー系に対して「射程の長いファンネルでアウトレンジ攻撃をする」という明確な攻略手段がますますスーパー系(とオールドタイプ)の立場を厳しいものにしている。
更に、スーパー系は二回行動が遅い。
この時代のステータスには、"反応値" という物があり、この値が200になると"二回行動"が出来るようになっていた。
これは敵も同様で、F最終話に狂ったスペックのキュベレイと共に登場したハマーン様を皮切りに、F完からはネームドも次々と二回行動をし始め、終盤に至っては雑魚まで二回行動をし始める。
こちらも自軍最速のアムロを筆頭に次々と二回行動が出来るようになるのだが、リアル系に比べ、調整ミスを疑うレベルでスーパー系の二回行動が遅い。
リアル系でも二回行動の遅い者は居るが、ゲッターチームや戦闘のプロですら、リアル系最遅のカツとほぼ同じレベル、冷遇の目立つゴーショーグンチームはなんとlv75といういじめのようなレベルでようやく二回行動可能となると言う時点で酷く冷遇されている。
二回行動には、単純に攻撃回数を二回にするというだけでなく、二回移動による展開力に、位置取り→MAP兵器を1ターンで行える事や、二回修理、1ターン補給など、それが出来るだけで戦術に大きな幅を持たせることが出来る。
特に、インフレしきったF完終盤の「どちらが先に殴るか」というゲームバランスにおいて、MAP兵器で敵を殲滅するにも先に殴るにも、二回行動は大きなアドバンテージを持つ。
雑魚でも二回行動してくる終盤になると、気力差をつけない限り、まず間違えなくスーパー系は殴り負けると思って良い。
そして最後の大問題、"宇宙B"
スパロボFのスーパー系は、まるで懲罰かのようにどいつもこいつも宇宙Bに設定されている。
カツやシャングリラチルドレンですら宇宙Aなのに、ゴーショーグンチームやコンバトラーチーム、果ては戦闘のプロですら宇宙Bである。
ネタ的な意味でも散々言われている宇宙Bだが、"宇宙A"と"宇宙B"の差について話すと、宇宙Aは宇宙Bより1.2倍、攻撃計算式と防御計算式に加算される。
たったこれだけ…のように思えるが、計算式に当てはめてみると、とんでもない差が出てくる。
ざっくりとした例を挙げると、宇宙BのコンバトラーVの超電磁スピン(必要気力130、威力5600、EN消費100)より宇宙Aのνガンダムのフィンファンネル(気力制限なし、威力4400、弾数8)が同じ気力130ならフィンファンネルの方が高火力…という事態を引き起こす事になる。
装甲についても同様で、宇宙Bのグレートマジンガー(装甲3700)と宇宙Aのダンクーガ(装甲2600)が防御計算に当てはめると大体同じくらいの数値になる。
「スーパー系は火力&装甲が高いから二回行動が遅い」というフォローも、これにより通用しづらくなる。
更に深刻なのは、スパロボFにはパイロット側の「宇宙B」を改善する術が全くない。
この時代の地形適応算出は、パイロットの地形適応と機体の地形適応の内、低い方に合わせて適応されるという形をとっており、機体の地形適応が宇宙Aでも、パイロットの方が宇宙Bならどうあがいても宇宙Bとなる。
この適応方式で一番割を食っているのがゴーショーグンチームで、機体の方は宇宙Aなのだが、メインパイロットの北条真吾が宇宙Bのせいで宇宙スペースナンバーBになってしまっている。
この残酷な格差によってスーパー系の中にも致命的な格差が産まれており、スーパー系で「宇宙A」の時点で一軍候補、それ以外は大体ベンチ送り…という酷い事態を引き起こしている。
総括すると、スーパー系は序盤は強いが後半になると低い運動性&限界反応に防御側が不利な計算式と遅い二回行動、そして宇宙Bによって、半分くらいは隅に追いやられていく、という事になる。
まぁ、全く使えない粗大ゴミでは無いし、困ったら宇宙適応Aのスーパー系を使っておけば問題ない。