見出し画像

障害者職業センターに行く

就職活動をしようと決めたたろうがまずはじめに行ったのは障害者職業センターというところでした。

各都道府県にあります。ここは障害者に限らず、高齢や病気など諸事情で就職が困難な人を支援してくれるところです。まず説明会に参加して、担当支援者と面談しながら個別に方針を決めていきます。

たろうは中学不登校で通信高校をどうにか卒業したものの、ほとんど社会と接したことがない状態でした。睡眠や体調も不安定でしたので、障害者職業センターの職業準備支援、ジョブコーチ支援、職業相談を受けることにしました。

職業センターには当事者自身、おひとりで相談に行ってもいいのですが、可能であれば体調や生活などの事情をよく知る人に付き添ってもらったり、紹介状を書いてもらうなどの準備をしておくとよりスムーズかもしれません。たろうは発達障害者支援センターの相談員の人に同行してもらいました。たろうが高校生の頃から知っている人なので、たろうのことをわたしたち家族よりじょうずに説明してもらえて助かっています。
福祉関係の人たちは、連携している場合が多いので、必要な相談員やサービスを紹介してもらえることもあります。相性がとくに悪くなければ知り合っておくといいです。

職業準備支援の個別カリキュラム

たろうにはどのような職業準備支援が必要かを考えるために、以下のような具体的な目標を立てました。

  1. 就職に向けて生活リズムを安定させ、日中の活動量を維持する。

  2. ハローワークでの相談や、事業所見学・実習など就職活動を進める。

定期的な通所と作業支援

ほぼひきこもりだったたろうは、まず定期的にセンターに通うところから始めました。週3日午前中の利用から開始し、徐々に作業時間を増やしながら疲労度等の確認をしました。
清掃や仕分け・整理といった労働業務や屋内現場の仕事と事務の作業課題に取り組みました。過集中で休憩を取らず、疲れがたまりがちなようすが見られるとの指摘があったので、タイマー等を利用して意識的に休憩をとるなどのくふうを検討しました。

就活は自身を見つめてことばにすることから始まる

作業と並行して行われたのが自身の特質を認識することでした。
何が得意でどんなことが苦手か。どうすると疲れやすいか。どんな支援や理解があると楽になるか。支援者の視点と当事者自身がいっしょに考えてひたすらことばにします。疲れたときのことやうまくいかなかったときのことを作文に書いていました。
最終的に履歴書に添えるための自己紹介シートを作成します。
(1)自己アピール
(2)特性とご理解いただきたいこと
   ①職務遂行②対人関係③その他
(3)支援者からの助言とお願い
といった項目ごとに事細かに記入。
ひたすら自分のことをことばで表現する作業です。

何ができて何ができないかをことばにする訓練の繰り返し

就活では自分の能力を評価してもらうことに注力しがちです。そのせいでできるかどうかわからないこともつい「できます」「やります」と言いたくなります。実際に、なんとかなるんじゃないかという気持ちになるのも本当です。就職というのは、そんなふうに少々無理をしてでもがんばらねばかなわないというような圧力があるように思います。

ただ、とくにハンデがある場合、何となくがんばりますといった自信や意欲を表明するだけでは通用しません。
自分には何がどのくらいできて、何が苦手でどんな助けが必要なのか? 
そういうことをきちんと具体的にことばにして伝えることが相手の安心と信頼につながります。
また自分のことを見つめてことばにすることは、漠然とした不安を減らす効果もあるようです。

発達障害たろうの就活について書いていく予定です。
よろしければ、これまでの記事もご覧ください。


いいなと思ったら応援しよう!

おかし
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートは作文愛好家としての活動に使わせていただきます。