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【復習】赤い女たち(アクサラ・ひきこさん・イザナミ・姑獲鳥)

だいぶ時が空きましたが・・・授業の復習です!!

女怪人の系譜

・カシマさん、テケテケなどから見て取れるのは、女性の下半身の身体的欠損

・産女という妖怪がいる。妊婦中に亡くなった女性が妖怪化したもの。血だらけの腰巻をつけ、小さな赤ん坊を抱いている。中世の文献では下半身がより血まみれで、足がないようにも見える。これは下半身のないカシマさんやテケテケの前身では?

口裂け女の口は、傷ついた女性器・歯のある女性器の象徴という民俗学的な説がある。ヴァギナ・デンタタ (※)の一つか?マスクは下着であり、その下着を外すと口=性器があらわになる。女性に対する欲望と恐怖を現わしている。

※『ヴァギナ・デンタタ 』
外国の神話に見られる女の怪物。膣に歯や牙が生えていたり、膣の中に武器があったりする女が、誘惑した男を殺したり男根を食いちぎって去勢したりする民話は世界各地の文化にみられる。ラテン語で「歯の生えた膣」・「歯のある膣」を指す言葉。

・女性の性の欠損、下半身の欠損、血。全体的に「赤い色」であり性的にはネガティブのイメージがある。そんなネガティブ性を象徴する怖い女の系譜を「赤い女」と呼んでいる。


赤い女

・例えば口裂け女は赤い服を着ている事が多い。

・小野不由美『奇談百景』に出てくる赤い服の女。話を聞いた人の元に現れて襲い掛かるという存在。カシマさん的。


・00年代初頭に大阪・梅田に当時あった泉の広場にて、赤い服の女がよく目撃されていた。目に白目の部分がなく、全て黒に染まっている。

・00年代終盤に洒落怖で登場した赤い女と言えば、アクロバティックサラサラ。通称アクサラ。赤い服と帽子を被り素足。異様に身長が高い。長くサラサラとした黒髪で、左腕には多数の切り傷。口が大きくて歯も大きい。眼孔に眼球がなく黒く染まっている。高いビルの屋上から飛び降りて地面にぶつかる寸前で姿を消したり、走っている電車や自動車の前に突然現れる、断崖絶壁にしがみ付く、など奇怪な行動が目撃されている。

・服は白だが系統としては赤い女のひきこさん。かつて学校でイジメられ家では両親から暴力を受けていた少女。イジメと暴力で傷だらけの顔だが、治りかけると恨みを忘れないために自分で傷を付ける。子供を見つけると「私は醜いか?」と聞き、正しい返答をしないと肉片になるまで引きづられる。口裂け女に近い。

・赤い女、カシマ、産女。ネガティブ性の更にルーツは日本神話に登場するイザナミか?夫のイザナギと、日本の国土と神々を生み出した存在。だがある時、火の神を生み陰部を焼かれて死んでしまう(ここにも性器の欠落という種が?)


まとめ

このように都市伝説は姿形を変えて時代を超えていく。原型となる話を辿り、変わりゆく経緯を調べるが何よりの醍醐味。都市伝説のエンタメ性はここにある。

授業を通して思った事

赤い服を着た女性は欲求不満であるとういう都市伝説を聞いた事があります。また赤い服を着る女性はモテる、ナンパで声をかけられやすいと言ったデータもあるとかないとか。

いずれにせよ、赤という色は性に直結しやすい。性欲は人間が元気で「生きている」証拠でありポジティブ。一方で、ネガティブな性の側面も。男性側が女性側に感じる欲望と恐怖が怖い女たちを生み出したのかもしれません。


以上。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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