【復習】トンネル怪談考察①元祖トンネル怪談とは?
オカルト研究家・吉田悠軌先生による有名怪談の考察授業。1日目のテーマは『心霊トンネル怪談(前編)』です。
それでは早速、授業の復習です。
心霊スポットのトンネル怪談
・廃墟やダム、橋、神社など数ある心霊スポットの中でもトンネルは非常に人気が高く、かつ怖い場所。現役のトンネルはもちろんの事、古くなった旧トンネルなどは人通りも少なく昼間でも薄暗い。トンネルは怪奇現象の宝庫であり、今までに多数の怪談や心霊目撃談、噂話を生み出してきた。
・そんな数あるトンネル怪談を調べると、あるパターンの物語が見て取れる。それらを要約すると、
①若者数人が地元の心霊トンネルへドライブへ出向く。
②トンネル内で停車し、内部を探索するが特に変わった事はない。
③「クラクションを3回鳴らすと幽霊が出る」との噂があり試した。
④すると天井から血がしたたり落ちるか、血まみれの女がドサリと落ちてくる。
⑤慌てて車を発進させ(もしくは徒歩で)逃げ出す。
⑤コンビニかガソリンスタンドに到着し一息付くと、車の窓にびっしりと手形が!さらにメンバーの一人がいない事に気付く。
⑥急いで現場に戻ると置き去りにされた当人がトンネル手前に立ち尽くしている。
⑦話かけても何の反応もなくどうやら精神に異常をきたしてしまった。何を見たかは分からないがその友人は未だに精神病院にいる。
・細かい点が微妙に違っていたり派生系の話もあるが基本的には上記がトンネル怪談の基本。
元祖トンネル怪談とは?
そんなトンネル怪談の原型となるのは1970年代にタレントのキャシー中島が発表した体験談。とある雑誌の企画で行った怪談座談会で話された体験である。(内容は冒頭の動画を参照)
・この話は当時、かなりの衝撃をもたらした。以降、様々な類似怪談や亜流怪談が生まれたが、キャシー中島の体験談にある生々しさを超えるものは見当たらない。
・その後、キャシー中島の怪談のように体験者の身元がハッキリして尚且つ、同じトンネルだと思われる実話怪談が出てくる。それは、お笑い芸人・松本キックが『月刊ムー』で2002年2月号に発表したエピソード。(内容は冒頭の動画を参照)
心霊小坪トンネル
・2つの体験談に登場するトンネルは、心霊スポットとしては有名な神奈川県・逗子と鎌倉を繋ぐ小坪トンネル。昔から幽霊の噂が残る非常に息の長い心霊スポット。
・あの川端康成が1953年に発表した短編小説『無言』にも登場。鎌倉から逗子へ抜けるトンネル、その手前にある火葬場近くで女性の幽霊が現れて、車やタクシーに乗り込んでくるという怪談が紹介される。
・この一帯は非常にトンネルが多く、それぞれの怪談がどのトンネルを指しているのか判断が難しい。
・大きく分けると内陸側と海沿いにそれぞれトンネルがある。
・内陸側は明治6年に竣工された名越隧道と小坪隧道。そして昭和41年に逗子隧道が開通、合計3本のトンネルに。その後、交通量の増加でそれぞれのトンネルと併走する新道が開通。新トンネルが鎌倉方面、旧トンネルが逗子方面として使われ、現在と同じ6本のトンネルが出そろう。
・海側には飯島トンネル、小坪海岸トンネル、さらに内陸側と同じ名の小坪隧道の3本が。
・2つの体験談で語られている情景描写などを読み解くと恐らくだが、キャシー中島の怪談現場は内陸側の小坪隧道、松本キックの方は海沿い小坪海岸トンネルだと考えられる。詳しくは吉田先生の書籍『怪談現場 東海道中』を参照。
授業を聞いて
小坪トンネルと言われる多数のトンネル群を見たくて早速行ってきました。
現役のトンネルで交通量も多いため、心霊トンネルの旧道にありがちな恐怖を感じる事ありませんでした。レンタサイクルで鎌倉駅から向かったのですが、海沿いの道を走り最高に気持ち良かったですね。
ですが、唯一不気味だったのは内陸側のトンネルの上です。
ここら辺は元々山だったのか高台が多く、トンネルも山の中を通っているようです。で、トンネルの横からトンネルの丁度上に登っていく山道があるんですね。
そこを登ろうとした時、「これ以上進んではいけない」という心の声が聞こえて引き返す事に。。。。あんな経験は初めてでした。あれは何なのか?そしてあの山道の先には何があるのか・・?
以上。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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