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晴れトーーク!ANTミラー対戦編 の手の内全部晒す & Eternal Party 2024 Tokyo レポート

割引あり

2025.1.2 更新
有料部分のおまけ「Eternal Party 2024 Tokyo」の項を追記しました。
2025.1.1 修正
読みづらい箇所や抜け漏れを修正しました。

岡(@okarin_)です。
2024年の振り返り記事を先日書いたばかりですが、このトピックについては短くまとめてしまうのももったいないかと考え、個別に書くことにしました。

ANTミラー対戦編の項で、記事途中から有料箇所を設けさせていただいています。
Xで私の該当ポストをリポストすることで無料で閲覧いただける設定にしていますので、もし良ければ拡散していただけますと幸いです。
(「晴れる屋チャンネルの動画はYoutubeのサジェストで観るけどnoteの記事は読むきっかけがない」層もおそらく多いと思うので、そこにも届くくらい伸びたら嬉しいと思い、今回試験的に導入してみました。ご協力いただけると大変嬉しいです)

また巻末には先日のEternal Party 2024 Tokyoで使用したリストを掲載し、当日の簡易対戦レポートとリストの改善点を1月1~2日中に追記していく予定です。戦績が良かったわけではなく、あくまでおまけ程度の付加価値となりますが、併せてお楽しみいただければと思います。

前置き

年明け早々の1月2日と6日、晴れトーーク!配信開始。
以降、これがなければおそらく縁が無かったであろう様々な方から声をかけていただきました。驚くことにプレイヤーズコンベンションの会場で「動画を観た」という方と握手させていただく機会もありました。上振れです。

【ANT】というアーキタイプの魅力は底知れず、晴れる屋チャンネルの動画を再生数順でソートすれば倉成さんの顔のサムネイルをいつでも拝めるほどには視聴回数も伸びています。嬉しい限りです。晴れる屋メディアの皆様、大変ありがとうございました。

その裏での様子ですが、収録に際してはト書きをあらかじめ知らせてもらっていながらも当日はほぼ一発撮りで、終わった後は「もう少し事前に考えてくればよかった、大した話もできなかったな」と身のない反省をしていました。
しかし、動画には「濃い話」「深い」「勉強になる」という想定外のコメントがいくつも寄せられており、嬉しい反面少し複雑な気持ちになったというのが正直なところ。「ちょっと待ってください、まだ深くないですよ」と。
せっかくなので年内に反省文、もとい動画の補足を書いておきたいと思い記事を上げることに。
特にミラー対戦編の方はケーススタディに役立ちそうなので、自身のプレイの振り返りを兼ねて細かい点まで情報を充実させています。正直なところトーク編の箇所を差し置いても読んでほしい内容となっているので、目次から飛んでいただければと思います。

前置き2

2024年6月以降「指輪物語やモダンホライゾン3のカードが入っていないデッキはもはやデッキとは呼べない」というのが持論で、現在のレガシー環境を見渡してもおそらくそれほど間違っていないでしょう。

ANTがその中で採用し得るカードといえば《苛立たしいガラクタ》でしたが瞬く間に禁止に追いやられ、自分は現時点でANTのことをデッキと呼んでいいかどうか考えないようにしながらプレイしています。(2024年12月現在は少なくともTier外で、【ANT】はどちらかというとデッキではないでしょう。。)

ただし、自分が腰を据えてANTを調整するときはいつも、目標とするトーナメントを勝ち抜き得る最強のデッキに仕上げられるつもりで調整しています。今だとただの盲信ですが、デッキが面白過ぎるせいで諦められません。
明日マジック星人が地球を攻めてきてレガシーで対抗戦をすることになり、もし自分が代表に選ばれた場合、残念ですが皆さんには地球を諦めてもらうことになるかと思います。

トーク編

収録当日に偏頭痛を起こしていてコンディションが良くなく、喋ろうと思ってたことが半分くらい飛んでしまっていました。

ゲスト

倉成さん (@kuranariad)
総帥。

クラタさん (@misterkle1705)
強豪。

オカ
スイスラウンドのバブルマッチで《苦悶の触手》2枚と《燃え立つ願い》を全部サイドアウトし、勝ち筋が無い60枚で3本目に臨んだ経歴を持つ。

自己紹介

  • The Last Sun2018優勝の実績で認知いただくことが増えましたが、その時のレガシーの戦績は所詮6-2-1です。真のMVPはモダンの【鱗親和】であったことを白状しておきます。
    さらにそれ以降で目立った実績も無かったうえ、出演が決まった直後の休日17時の部で0-3してしまい、この状態で出演するのは精神衛生上悪いと焦ってました。

  • なので翌週の3連休のうち2日かけてThe Last Sun予選に出向いたところ、結果は①4-1-1からの1没&②3-0-2からの決勝2-0→トスによる権利獲得で一安心。

  • 出演後のレガシー神挑戦者決定戦で優勝したので、もし事前に分かっていたらもう少し態度が大きかったと思います。

デッキの魅力

なぜかイラストのバージョンが一向に増えない
  • ロングゲームの面白さについてもう少し話せばよかったですが、盤面説明が大変だし状況も想像しづらそうで伝わらなかった気もします。

  • デッキの印象の認識レベルについて。
    視聴者の大半を占めると思われるカジュアル層の「ANTはすごく早いコンボ」を経て、ある程度レガシーを経験している人は「ANTはオールインコンボではない」と言い出せるようになり、更に通ぶる人からは「ANTはコントロール」という言説も耳にするようになる印象です。
    個人的には、相手のアーキタイプのみならずゲーム展開に応じて速度を細かく調整するので「ANTは広義のミッドレンジ」の認識です。

あるある

現行で4,5種類ある中でこのバージョンが一番好き イラストも枠も
  • 「苦悶の触手で勝たないけど生きながらえる」
    あるあるじゃないよなと思いながら話してました。多分この後の「気持ち良いとき」と喋る順番を間違えました。
    「n妨害の上から勝ち」語りはあるある過ぎるかなと思って敬遠しましたが、倉成さんの《三なる宝球》超えは面白かったです。

気持ち良いとき

  • 「擬態して勝つ」
    こっちの方があるあるでした。
    配信されてからは自意識過剰かもしれないけどそれなりのケースで擬態を諦めるようになりました。

  • 擬態については話が長くなりますが、こと【ANT】においては「デッキが青いにも関わらず《Force of Will》が無いことを知られたくない」「キルターンを後伸ばしにしても良い」という都合が噛み合った結果、その戦術が有効であることが比較的多いというだけです。

逆だったかもしれねェ…
  • 「《サリア》と《石鍛冶の神秘家》の出す順番が逆になったり」
    それっぽい喩えと思いきや、【デスタク】側はおそらくほとんどのケースで《スレイベンの守護者、サリア》から出すと思うのであまり適切ではなかったと後から反省していました。
    対【デスタク】なら「ANT側が《Volcanic Island》置いてゴー。デスタク側が《不毛の大地》ケアして1ターン目に《思考囲い》を打つ選択肢を諦め《平地》から置いたところ、ANT側の《思考囲い》が残って《サリア》を捨てさせてそのまま勝ち」というエピソードがあったので、この話を持ち出した方が良かった。

  • レガシー環境は年々高速化を辿る一方なので、擬態自体が成立しないケースもどんどん増えていると思います。
    序盤に相手が基本土地とフェッチランドを並べるだけで碌に動かないのであれば大抵の場合【ANT】です。これだけ覚えていただければ大丈夫です。

問題児
  • 《電位式リレー》の是非
    話すタイミングを逃したこととして、仕掛けが2ターンに渡ることを前提としたカードが自分のプレイ方針に合ってないと考えています。
    成り行きで仕掛けが2ターンがかりになることはよく起きるので受け入れられますが、カードテキストに「2ターンかかりますよ」と書かれていると扱いが難しい。
    個人的には全てのカードがそのターン中に勝つためのパーツであってほしいです。

好きなカード

入ってるカード全部好き

「夏の帳」「ライオンの瞳のダイアモンド」「炎の中の過去」
無難なところを選びました。
直近でいうと《虹色の終焉》もかなり好みだったのですが逆張りし過ぎだろうと取り下げました。
誰も《むかつき》を挙げていないことを後から指摘されて「確かに」と思いました。もちろん《むかつき》も好きです。

嫌いなカード

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「敵対工作員」「三なる宝球」「精神壊しの罠」
Tier外のアーキタイプに対してのみクリティカルなサイドカードは満遍なく嫌いです。
【ANT】には勝つかもしれないけど優勝できないよ、というお気持ちですが、もしかしたら自分たちも似たようなことを他所で言われているかもしれません。

当たりたいデッキ

当時は6勝1敗くらい

直近で台頭していた【ディミーアマークタイド】を挙げ損ねていました。
メインに《夏の帳》を4枚積んでいるアーキタイプがディミーアカラーに負けるのは大問題なように思えます。せめて口先だけでも必勝レベルであるべき。


ANTミラー対戦編

対戦の機会を倉成さんに譲っていただいた。感謝してもしきれません。
でもサイドに《敵対工作員》が入ってると仰ってたので順当な采配だったかもしれません。
そしてキャリアの序列はどこへやら、学兄のクラタさんを差し置いてサムネの枠を頂戴しました。勝負の世界は非情。

動画コンテンツのための対戦にも関わらず「クラタさんに勝ちたい」という欲が芽生えてしまい、恥ずかしながら対戦中は終始具体的な情報を開示していませんでした。とても口頭で説明できる量ではなかったというのもありますが。

「50%の確率で勝つ」
プロツアーサンデープレイヤーが相手のミラーマッチなのでこれでもかなり強気なふかしであることに後から気付きました。
実際のところ、全部自分が7枚キープして自分だけが《渦まく知識》を唱えたので勝っただけといえます。レガシーはいい加減なフォーマットです。

デッキリスト

狭い【ANT】界隈で当時よりちょっと前に流行していた5色タイプ。
自分は保守派だったので《鏡に願いを》はこの時点でまだ試していませんでした。

直近のThe Last Sun予選を抜けたリストから1枚だけ入れ替えていました。詳細は下記の通り。

out: 1《アロサウルス飼い》
《活性の力》まで採用できていないと嬉しい組み合わせが少なく、強く使える状況が限定的過ぎると感じました。

in: 1《外科的摘出》
空いた枠には《虚空の杯》系か【リアニメイト】系に刺さるカードを入れるつもりでした。
(いずれもゲームレンジが短いアーキタイプなので、初手に含まれるサイドカードの枚数が勝敗に直結しやすい。そのため枚数を多く取ることにバリューが生じる)
《虚空の杯》系には4《虹色の終焉》1《母聖樹》1《衰微》1《蒸気》と既に十分な枚数が取られてそうだったので、この1枠は墓地対策用に。
対策カードの種類が散っていた方がサイド後の2ゲームで相手に裏目を引かせやすいかと考え、1《トーモッドの墓所》+1《外科的摘出》の組み合わせを選びました。

GAME1

1本目後手、相手不明で1マリガン、自分7枚キープ

「初手に点数をつけるとしたら?」「80点」
《渦まく知識》+ フェッチランド+青マナ土地が成立していないので90点以上ではないですが、欲しいカードが2~3ターン以内に一通り揃いそうな手札であるため。
相手によっては《ぶどう弾》でクリーチャーを除去し、コンボまでの猶予ターンを引き延ばすことも視野に入ります。不要そうなら《知識》でデッキに戻すか《ライオンの瞳のダイアモンド》(以下《LED》)で戻すだけ。

1〜2ターン目
相手《Volcanic Island》→《思案》、シャッフル無しでドロー処理後エンド。
自分《冠雪の島》ドロー、《溢れかえる岸辺》セットエンド。
相手《霧深い雨林》セットエンド。
自分《マイコシンスの庭》ドロー、《冠雪の島》セットエンド。

この時点で《渦まく知識》を唱えなかった理由としては、オープンハンドに様々なゲーム展開を受け入れる余裕があり、急ぐ必要がなかったため。

  • 相手が【デルバー】の場合→1t目にクロックを置いてこなかったので時間的猶予あり。ドローソースを丁寧に使って確実にパーツを揃える方針を立てる。

  • 相手が【スニークショー】の場合→相手にデッキがバレると最速で仕掛けてこられて間に合わない可能性あり。こちらがコントロールや同型である可能性をギリギリまで匂わせて相手に無闇に突っ張らせないようにする。(同型は突っ張り得かもしれないので自信無し。誰か教えてください)解説でも述べられていた通り、フェッチランドの色(青白)が良い迷彩になっている。このプランに沿う場合も急ぐ必要なし。

  • その他、《オークの弓使い》のケアで先打ち→少し厄介だが、手札がそれなりに整っていたので無視してコンボまでいける想定。慌てて夏の帳で対応しなくても良さそう。
    アップキープに出すのはフルタップでコンボ始動を許しやすくなりリスキーだし、エンドに出すなら対応して《渦まく知識》を打てる。(相手がパスしてきたらそれはそれでゲームが伸びるのでOK)

  • ちなみに実戦では、
    ①「相手が自分のデッキを知っている」を知っている
    ②「相手が自分のデッキを知らない」を知っている
    ③「相手が自分のデッキを知っている」かどうか判断できない
    の3パターン(※)があり、今回は②を想定していたが③の場合は《島》→《思案》で手を進めるかも。
    (※)深掘りすると、これに加えて「相手が『自分のデッキが知られているか』をどう考えているか」を考慮に含めることができるが、複雑になるうえ一人相撲に陥るケースが多いので割愛。

3ターン目
相手《島》セットエンド、自分対応して《渦まく知識》、相手対応して《渦まく知識》、処理解決、《渦まく知識》によるドロー《Volcanic Island》《思案》《冥府の教示者》、ライブラリートップに《Volcanic Island》《冠雪の沼》を積んで処理解決。《溢れかえる岸辺》起動して《Underground Sea》を戦場に出し優先権放棄。
自分 《水蓮の花びら》ドロー、《Underground Sea》から《思考囲い》対象相手、以下略。

相手が3ターンほぼ動き無しだったので、《実物提示教育》《Force of Will》辺りの溜め込みを警戒し牽制が必要になるフェーズ。このタイミングでの《思考囲い》はほぼ有効なので、唱えることは確定。

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