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見知らぬカタカナ、ぜんぶ食べたい
これは私の欲望の話。
見知らぬカタカナって、なんであんなにおいしそうなんだろう?
私は味の想像がつかないメニューが好きだ。いっそカタカナでなくても、読めなくても構わない。
ロティ・プラタ
シャシリク
バインミー
大腸包小腸
…
これはどんなだろう?と、その見た目、香り、味に想いを馳せる。考えたって、想像はつかない。食べないと答え合わせできない、贅沢な問題。
先日、足を運んだniruさん。
店名のNiruは、「煮る」という意味で、煮込み料理と自然派ワインのお店。
このメニューを眺めるだけで胸が高鳴る。悲しいときは上から順番に音読すれば、だいたいの煩悩なんて吹き飛ぶんじゃなかろうか。
一緒に行った方も食べることが大好きな人だから、何を注文しよう?から始まって、至福の答え合わせタイムが始まるというわけ。
はあ。なるほど。わお。うわ。
そういうふうに出てくる言葉は、条件反射だ。あちっ!とかと一緒。
たとえば、ウフマヨ。
これは辻仁成の小説、エッグマンに出てくる。時間が経ってからの念願の答え合わせ。とろりと流れ出る黄身の美しさ。
たとえばマスカルポーネと珈琲黒豆。あ、だめだ写真がない。黒豆が甘い珈琲で煮てあって、マスカルポーネとウィスキーで和えてある。頬がきゅうっとなるくらい、おいしかった。
それから、ササミとツナの春巻き。
シナモンがかかってるの。目が1.5倍になる。私はシナモン大好きなのに、林檎とかシュガートーストとか、甘いものにしか使っていない。ハッとする。
自家製フライドポテト ヌクマムバター。
蒸してから揚げたじゃがいもに、ナンプラーのうっとりする香り。もう登場からおいしい。
他にも頂いたけれど、写真が重いからこれくらいで。 トップの画像はフェジョアータという牛肉と豆の煮込み。牛肉がほろほろに煮てあって、ハムスターのようにほっぺに詰めて帰りたかった。
おいしいものを前にすると、もう少しだけ、たくさん食べられるようになりたいと思う。私が9.9割満腹になっても、「わたし?わたしは今5割かな」と優雅に言ってのける同行者のおかげで、色々と食べられた。
あさみさん、ありがとう。持つべきものはたくさん食べる友人。ほがらかな彼女は口福を擬人化したような方で、やっぱり私の神さまだった。
最後にniruさんのリンクを。
自然派ワインと煮込み料理「Niru」
・営業時間:18:00- 23:00
・定休日 :日曜日
・アクセス:東京都渋谷区東1-25-5 1F
・Insta :niru_shibuya (当日以外のご予約はDMで。)
見知らぬカタカナ食べたい仲間の方がいたら、ぜひ足を運んでもらいたい。
私は地方在住だからなかなか行けないけれど、メニューの文字を見ながら、牛のように反芻してしばらく心で食べたい。3日に1度くらい、メニューのどこかを変えていると仰っていたから、欲望は尽きない。
niruさん、心ときめく時間をありがとうございました。