9/8 いくら婦人
きのう、筋子を買ってきて、いくらの醤油漬けを作った。
生鮭が並ぶ売り場から、1300円もする筋子を選び取る。胸が高鳴る。こんなにきゅんきゅんするの、久しぶり。
我が家では、いくらを食べるのは私だけだ。
夫は魚卵をぜったいに口にしないし、娘と息子はひと粒食べて顔をしかめる。さらに私は、コレステロールD判定の女。だから魚卵に手を出すのは勇気が要るのだ。
自宅に戻り、ぷちぷちと皮にまとわりつくいくらの粒を塩を混ぜた湯で丁寧に洗う。湯を変えて繰り返すうち、白い皮がプカプカと浮いてきて、小さな玉が次々と現れる。もう!可愛いといったらありゃしない。
ザルにあげ、タッパーにうつし、醤油大さじ4と日本酒大さじ1を回しかける。生の生姜が無いから、チューブの生姜をすこし入れて混ぜてみる。ぐっと赤さが増し、なんだか妖艶さすら感じる。
夜は、漆塗りのどんぶりにほかほかごはんをよそって、これをかけよう。刻んだ大葉を乗せてもいいかもしれない。うっとりとしたまま、冷蔵庫に収める。
昨日の夕食は、
・新物さんまの塩焼き
・大根おろし
・生湯葉の刺身
・ネギとチーズ入りの納豆巻
だった。
無論、私はいくらごはん。漬けてから、せいぜい5時間。一晩は待てなかった。さんまの内臓をアテにビールを飲み、湯葉をちょっとつまんで、いざ、いくら。
く〜っ
好き。大好き。
完全に幸せ。背徳感。優越感。
ご飯でこれだけ幸せになれるなら、1300円の筋子も決して高くはない。(はず)
今朝も、私だけいくらごはんにした。
朝起きて、まずは家族のための朝食作り。娘と目玉焼きを焼き、パンをトースターに入れ、レタスをちぎり、ウインナーを焼く。いつもなら、テレビを観てボーっとしている夫と息子にイラっとするのだけど、今日は優雅。
私だけいくらごはんですもの。平民の皆さんに申し訳ない。コーヒーだって入れて差し上げる。私は飲まないけど。だって、いくらとコーヒーは合わないでしょう?
パンにかぶりつく平民たちを微笑ましく眺めながら、ご飯の上にいくらを木さじで1杯。いや2杯。白と赤の対比が何とも言えず美しい。赤いものは厄年にもいいと言うから、厄まで晴れてしまうかも。
かくして、私は束の間のいくら婦人生活を謳歌している。冷蔵庫にまだある、可愛い可愛いいくらちゃん。
*いくらレシピはこちら
ナースあさみさんのnoteへ。こんな写真を見たらもう、ね。
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