夫婦で鮨という自由(おまけ)
✳︎夫婦で金沢に鮨を食べに行った話、つづきです
(1)はこちら
https://note.mu/okariday/n/n1f7e00209a34
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翌日。
2人とも6時にはすんなりと起き出す。
はやく起きなさい、お着替えして、歯磨いた?などのいつも連呼する言葉は当然不要で、なんだか寂しい。老人になった気分。
ただテレビの音だけが聞こえる中、淡々と準備する。30分もかからなかった。
チェックアウトし、ちょうどホテル前にいたタクシーに乗り込む。昨日おすすめしてもらった、東茶屋街へ。朝が早いから当然どこも開いていないだろうが、その静かな街並みが良いらしい。
モザイクしたら怪しくなっちゃった。
確かに静かで、いい風情。着物デートとか良いかもしれない。しかしこの日は、溝掃除の日だったようで、街の人が総出で溝を掃除をしてた。風情は1日にしてならず。おつかれさまです。
とりあえずお互いを写真に撮りあって、自撮りで老いに驚愕して、ぐるっと川辺へ。
近くを流れている浅野川が、女川だからとても良い、男川じゃないから、と昨日お姉さんがしきりに言っていたが、どういう意味だろう。
今調べたら、金沢の文豪、泉鏡花が大正8年に発表した「由縁の女」でそのように表現されたのが始まりだそう。
浅野川は、ゆったりと曲線的な川ということらしい。確かに、のどか。ここでも自撮りして顔の面積におののき、運動不足だからせめて近江町市場までは歩こう!と決意する。
道すがら、金沢ワイナリーと書かれた素敵な町家や、万葉集が飾られた古本屋を見つける。今度は昼間にゆっくり見て回りたい。ピクトグラムがぎっしり描かれた小道で、「すばらしいデザインだねえ」と“デザインあ”の真似をする息子の真似をして笑う。平和な朝だ。
近江町市場に到着しても、日曜なのでお店はまばら。観光客は海鮮丼の店と回転寿司に集まっている。せっかくだから、と私たちも回転寿司で朝ごはんをとることに。
のどぐろの炙りとか、ブリとろとか、悔いのないように好きなものを食べる。
普段だったら躊躇するような高価な部類のお寿司だ。それなのに、舌が猛抗議する。
昨日の鮨と比べたら、シャリがぎゅうぎゅうで、ネタも冷たくて、どうにもバラバラなのだ。「おにぎり。これは、おにぎり。昨日のとは、ぜんぜん違う」と夫も言う。思わず、「これレゴブロックじゃない?」と言ったらさすがに叱られた。
私たちの舌は鮨を覚えてしまった。
これは、進化なのか劣化なのか。今まで通り、スシローを愛せるだろうか。
この後、金沢駅に戻り、お土産を買い込んで、カフェでぜんざいとパフェを食べた。帰り時間のギリギリまで、一点の曇りもなく自由だった。
列車を乗り継いで、15時。子ども達のお迎えの時間。さぞ歓迎されるだろうと思ったら、迎えが早いと泣かれてしまった。子ども達も甘やかされまくりの2日間を楽しんだようで、ほっとする。
ちなみに、実母にはデパ地下で買ったお菓子だと言って土産を渡し、子ども達にもパパとおでかけしたよと伝えただけだ。
金沢で旨い鮨を食べたことは、私たち夫婦だけの秘密である。
(おわり)
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