有名になりたい 第7話
2004年は月に2〜3本のペースでライブをやった。
初めて作ったシングルは50枚くらいは売ったと思う。千葉ZXと本八幡サードステージを拠点にかなり精力的に活動を続け、少しずつ軌道に乗ってきたように思う。
Theプッシーズでも毎週スタジオに入っていたので、かなり音楽漬けな日々だった。この頃のギターはテレキャスター。
まるでウィルコジョンソンだと言われるくらいにはカッティングの鬼だった。自分は千葉のウィルコだと大言壮語を吐いたりもして、サードステージの店長に怒られた思い出がある。
当時はBBS、所謂掲示板がコミュニケーションツールだった。対バンとやりとりしたり相互Linkしたり。今では廃れた文化だが、お客さんとバンドの距離が近かった(今は逆に個人的過ぎて閉じた印象)
そこである女性と出会うのだが、彼女は今で言うメンヘラだった。毎日手首を切り刻んだ写真がメールで送られてきていたが、かなり仲は良かったように思う。
企画にも来てくれ、その後は自身もバンドをやっていた筈だ。歌詞が好きで、ライブも遊びに行った。そんな交流がいくつかあったが、当然付き合っていた彼女には良い顔されなかった。
そして、自分の価値観を変えるバンドと出会う。
Theプッシーズで10月にイベントをやる事に決まった。Theピーズのカバーイベントだ。場所は武蔵境スタット。
リーダーのNさんが窓口として出演バンドを募集したのだが、そこでTHE HANMEN TEACHERSという柏を拠点にしていたバンドと出会う。早速ライブを観に行った。柏ZAXという箱で観たハンメンは兎も角凄いバンドだった。スリーピースで演奏ははちゃめちゃだったが、曲がめちゃくちゃ良かった。Theピーズやたま、奥田民生が好きなベースボーカル、けんごさんと運命的な出会いをする。
趣味も近く年齢も向こうが一つ上で近かった。ここから、Theシーチキンズの方向性が変わる。
キャデラが、かっこつけたらダサい!と熱弁していた。自分は正直、どんなバンドを観ても俺達のがかっこいいと思っていたが初めてこれは負ける…と思った。
彼らの曲名を挙げると"ロックスターはいつもガリガリ" "人間は腐る" "ベッドでラララ"など只者では無い感じが伝わるだろうか。それをギターソロを全く弾かないギタリストと、発狂したようにMCをし、ジャンプしまくるベーシスト、ドラム初心者のドラムでやっていた。
歌詞も曲も完璧だった。自分の中では未だにけんごさんを超える人はいない。
キャデラはハンメンのギタリスト、ノリオさんとめちゃくちゃ仲良くなって良く遊んでいた。2人で家に遊びに来たりも。
ノリオさんからはsyrup16gやバーガーナッズ、魚喃キリコや南Q太と言った漫画家などを沢山教えてもらった。対バンとしても個人としてもハンメンの3人とは親しく付き合っていく。
ピーズナイトに出演したバンドはこちら。
THE HANMEN TEACHERS/Do The ブギー/Theプッシーズ
Do The ブギーはいまや海外ツアーもしてるThe Fadeawaysのトヨシマくんの前身バンドだ。
彼らもまた衝撃だった。同い年のトヨシマくんのガレージフリークっぷりは当時から凄かった。武蔵境スタットまでライブを観に行ったが、そこでガレージ畑のライブの感じを初めて味わう。圧倒的に垢抜けていたし西東京!といった感じだった。
そのイベントでセッションをやる事になり、スタジオも入った。バンドメンバー以外と合わせるのは楽しいものだ。
そして第1回ピーズナイトが開催される。この頃はニーネのライブやTheピーズのライブで知り合いが増えていった。
現在、rhapsodyというイベントを主催しているMくんとも同い年という事で話すようになった。その彼女のKさんという方には沢山のバンドを教えてもらった。未だに話す時に緊張するのだが、それはこの頃の思い出があるからだと思ってる。恩人の様な感じだ。
ピーズナイトはお客さんも沢山来てくれて、大盛況だった。
Theプッシーズではトリを務めた。この界隈で出会った人達には色んな事を教えてもらったし糧になっている。
そしていよいよTheシーチキンズの初めての自主企画となる。
知り合いのバンドも増えてきたし企画というものをやろうと決めたのが夏頃。場所は立地と値段で小岩eM SEVENという箱に決めた。出演した事も無いのにアポを取り話を聞き12月1日を押さえた。
出演バンドはTheシーチキンズ/Do The ブギー/THE HANMEN TEACHERS/Zero-Spike/GUNSHIP
サードステージやZXで仲良くなった2組とピーズナイト絡みで仲良くなった2組。そしてTheシーチキンズだ。
企画名は"やりたいだけvol.1"もちろんルースターズから引っ張った。
そして2004年12月1日、Theシーチキンズの初企画が開催される。
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