かっこいいバンドは星の数ほどVol.3〜The Roosters/z〜
はい、月一連載、3回目はリクエスト貰ったんでThe Roosters(ザ・ルースターズ)を取り上げようと思います。敬称略で失礼!
The Roosters、めちゃくちゃメンバーチェンジしてるんだけど、結成メンバーはこの4人。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167745129/picture_pc_c8e98f2e24b5974df69a44d14f4be1ab.png)
大江慎也(おおえしんや) Gt.Vo
花田裕之(はなだひろゆき)Gt.
井上富雄(いのうえとみお)Ba.
池畑潤二(いけはたじゅんじ)Dr.
写真だと向かって左から、花田、大江、池畑、井上
北九州市出身。
元々、大江と池畑が薔薇族ってバンドを中学の頃やってて、その流れで人間クラブってバンドが結成される。
メンバーはVo.に南浩二って人がいて、大江、花田、池畑、本山って人がベース。
人間クラブも音源がCDになってるけど、サンハウスそっくり!というか、南浩二が見た目含め菊こと柴山俊之にそっくりという。
1979年の1月から半年くらい活動したらしい。コンテストで入賞したりしたけど、南が脱退。
その後少しだけ大江と花田でスニーカーズっていうラモーンズみたいなバンドをやったのち1979年11月にルースターズ結成。
バンド名はこの曲から。ストーンズもカバーしてる。
結成して5ヶ月後のコンテストでグランプリを獲得したルースターズ、そのままビクターと契約前のレコーディング。
結局、仕上がりに満足出来ないメンバーとレコード会社で意見が分かれ契約が流れる。
この時期の前にスタジオでカセットテープで出回った音源もあるんだけど、めちゃくちゃかっこいいんだよね。
今だとBOX SETかI'M KING BEEって編集盤で聴ける。
初めて聴いた時カッコ良すぎてびっくりした。
その後、1980年の8月に日本コロムビアと契約。40曲以上のレコーディングセッションを経て1980年の11月に恋をしようよ/ロージーでデビュー!
当時のスピード感がやばい。こん時、大江と池畑が22歳とか。
パブロックやR&Bに影響を受けた音はまんま初期のストーンズの高速バージョンなんだけどね。今聴いてもめちゃくちゃかっこいい。
アナーキーの仲野茂が1stは英語の曲入れてきて、こいつらわかってんなと思ったそう。
そのまま、2nd、3rdと出していくんだけどルースターズの凄いのは僅かな期間で音楽性がどんどん変わっていくところ。
3rdアルバムまで僅か1年…
とんでもないスピード感。ここらへんはメンバーは一緒に住んでたそう。
1982年には石井聰亙監督の爆裂都市(バーストシティ)という映画が公開される。
ロッカーズとルースターズの混合バンド、バトルロッカーズが劇伴を務めた。
この映画はスターリンや泉谷しげる、町田町蔵も出てたり。
打ち上げで、映画に呼ばれなかったアナーキーがスターリンのライブに乱入するなど…
この時期のアナーキーはかなりやんちゃで、ルースターズがライバルだったんだって。
アナーキーもめちゃくちゃかっこいいバンドなのでそのうち取り上げたい。
ただ、撮影の過労やストレスの結果、大江慎也は神経衰弱に…
ギターも一番上手く、リーダーとして作詞作曲もこなしていた大江が、一気に不調になっていく。1982年から1983年にかけてEPを2枚作るんだけど、既に不安定さが楽曲に表れてる。
代表作として有名なC.M.C(Cruising Missile Carrier)
SF的な歌詞になってる。ロックンロールなルースターズはここまで。
この後、大江は半年間休養に入る。
この時、残りのメンバーは下山淳を加えて1984というバンドを。
そして1983年の6月にはオリジナルメンバーの池畑が脱退、下山淳(Gt.)安藤広一(key.)、池畑の後任で灘友正幸(Dr.)が加入。
音楽性を一気に変えてDIS.ってアルバムを作る。一気にエコバニやらU2みたいなニューウェーブ色が強くなる。寄せ集めみたいなGood Dreamsを挟んでΦ(ファイ)ってアルバムが出る。ここらへんでThe RoostersからThe Roosterzと表記が変わる。特に深い意味は無いそうなんだけど、ある時大江がサインする時にSじゃなくてZと表記した流れから。
Good Dreamsの頃、Ba.の井上も脱退、後任に杵山一彦が加入。
この頃の大江は最早レコーディングもライブもままならない状態。
Φは一番売れたルースターズのアルバムだそうだが、バンドは最早めちゃくちゃ。
昔、VHSでこのライブを観た俺はトラウマになりました…この状態で人前に出すのは…
結局1985年の3月に大江は入院、キーボードの安藤も脱退…
そして、ここからが不思議なんだけど、ギターの花田がメインボーカルに。
大江がいつ戻ってきても大丈夫なようにバンドを残したかったそう。
この時期(Z時代)のルースターズはあまり顧みられないけど、この時期はこの時期で別バンドとしてのかっこよさがある。
ただ、そのまま大江は復帰することもなくバンドは進んでいく。
パリでレコーディングしたアルバムあたりからメンバー仲もギクシャクしだし、杵山、灘友が脱退。そのまま解散かと思いきや、あと1枚だけアルバムを作る。元ロッカーズのベース、穴井仁吉と元メトロファルス/ローザルクセンブルグの三原重夫を迎え1988年5月にラストアルバム、Four Piesesをリリース後、渋谷公会堂のライブでThe Roosterzは解散する。このライブには池畑、井上、そして大江もアンコールで参加。
ここでルースターズは終わった…かに思えたけども。
2004年にThe Roostersの解散ライブがフジロックで行われる。
その前から花田が中心となってロックンロールジプシーズというバンドを動かしていたんだけど、大江が歌詞提供したりメンバーもオリジナルルースターズ+下山だったりで一緒にやる機運が高まっていた。ミッシェルが影響を公言したり、トリビュートが出たりBOX SETも出てオリコンにも入るくらい売れた。定価5万くらいなのに!
俺はここらへんはリアルタイムなんだけど、凄い盛り上がってた。
ミッシェルガンエレファントもブランキージェットシティも影響を公言してたしね。
この時期のバンドはアナーキーにせよ、スライダーズにせよ、ほぼ忘れ去られた感が当時はあったんだけどルースターズの再評価は凄かった。
未だに若い世代にもルースターズリスペクトなバンドがいるのが凄い。
時系列で見るとデビューから僅か8年で全く違う音楽性とメンバーになりつつアルバムを出し続けたバンドなんてルースターズくらいしかいないと思う。
2004年以降は散発的にルースターズでやったりしてるよ。
再結成/解散のドキュメンタリーは必見です。
フジロックのライブ映像を最後に。
俺もルースターズにはめちゃくちゃ影響受けたし大好き。
めんたいロックって福岡のバンドが括られて紹介されてたけど、ルースターズは北九州の小倉辺りなので微妙に違うんだよね。
そして今聴いても凄いクールでかっこいい。
サブスクも解禁されたし、若い子もぜひ聴いてみて欲しいバンド。