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捨てた名刺の束、アラ還で手にした2枚の新しい肩書き (講師添削後のリメイク)

先日、「3つの名刺が物語るアラ還の転機」というnoteを書いた。私が2024年9月から受講している文章力強化講座の宿題として書いたものだった。テーマは「名刺」。そのテーマで800字の作文を書くのが宿題だった。

その作文を講師が添削してくれた。文章が見違えるようになって驚いた。その添削後の文章をそのまま載せようと思ったが、それでは芸がない。講師のコメントで「名刺をシュレッダーにかけるシーンから書き出すのもいいかも」とあったので、そのコメントを受け、再構成してのせることにした。

以下、再構成後の作文です。

捨てた名刺の束、アラ還で手にした2枚の新しい肩書き

「ガガガガッ…」

 シュレッダーの音が、静かなオフィスに響き渡る。34年間勤めた会社の、最後の出社日。ロッカーに入れていた荷物の整理を終え、手元に残っていた名刺の束をシュレッダーにかけた。

「これでもうこの会社で働くこともないんだな」

寂しくも清々しくもある瞬間だった。

この夏、59歳の「アラ還」の私に3つの転機が立て続けに訪れた。まず退職で長年使い慣れた名刺を手放し、次に独立して名刺を自ら作り、最後に再就職で新たな名刺を受け取った。

最初の転機は7月にやってきた。

新卒で入社以来、34年間勤めてきたメーカーを退職したのだ。商品企画とマーケティングを担い、天職かと思うくらいにやりがいを感じていた。だが、会社が業績不振で希望退職の募集をしたのをきっかけに、自ら退職する決心をした。

そして無職になった私。「自分は何者か?」を他人に説明しづらくなった。

定年後のセカンドキャリアに備えて、中小企業診断士や国家資格キャリアコンサルタントの資格を取っていた。ひとまず、それらの資格を記した名刺を作ることにした。自分で作った人生初の1枚だ。個人事業主として開業届も出した。

ただ、2人の子どもたちはまだ学生で、安定した収入も必要だった。再就職の活動を始めた。転職エージェントからの紹介は少なく、応募しても書類選考で落ちた。アラ還での転職は想像以上に厳しいものだった。

その後、会社員時代の縁で、社員5人の小さな企業に採用してもらった。再就職した初日、「コンサルタント」と書かれた名刺を受け取った。

2024年、観測史上最も暑い夏だった。2枚の新しい名刺と肩書きを手に、私は熱い気持ちを抱きつつ、セカンドキャリアを進んでいく。


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