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傾聴力と複雑なコトを整理・伝える力が確実にアップする本「構造化思考のレッスン」
人の話に耳を傾け、複雑な情報をパッと整理して的確に伝えることができたらどんなにいいだろう。「構造化思考のレッスン」は、そんな力が確実に身につく本です。アラ還の私も傾聴力と問題整理力がレベルアップしそうな手応えが得られてワクワクしています。
新刊『構造化思考のレッスン』
みなさん、こんにちは。おかさんです。
今日は、先日読み終えたばかりの新刊『構造化思考のレッスン』という本を紹介したいなと思います。これは荒木博行さんが書かれた、ディスカヴァー・トゥエンティワンから2025/2/21に発行された本で、できたてほやほやの一冊です。
荒木博行さんは、音声プラットフォームのVoicy(ボイシー)で、毎日休まずに「荒木博行のbook cafe」という番組を配信されています。私も何年も前から毎朝の散歩中に、荒木マスターのVoicyを聞いているんです。その荒木マスターが書かれた最新の本ということで、発売を楽しみにしていました。実際に読んでみると、めっちゃよかったんですよ。
構造化思考「5つのP」
本書では、「構造化思考とは何か」について、5つのPというフレームワークで整理されています。「複雑なものや情報を目的に最適な形で視覚的にまとめる」ことが構造化思考である、と定義されています。複雑な情報をまとめるというのは何となくわかりますが、「目的に最適な形」「視覚的にわかりやすい」という2点がポイントなのだと改めて感じました。
そして整理したい情報や問題に対し、5つの要素を当てはめることで構造化思考がに実践できるように提案されています。
その5つのPというのは、Purpose(目的)、Piece(断片)、Perspective(視点)、Pillar(支柱)、そしてPresentation(表現)のこと。マーケティングではおなじみの「4P」よりも1つPが多いフレームワークです。
パーパス(目的) – 何のために構造化するのか?
ピース(断片) – 具体的な事例やアイデアには何があるのか?
パースペクティブ(視点) – 目的と断片をつなぐキーワード・軸は?
ピラー(柱) – どのくらいの単位でまとめるのか?
プレゼンテーション(表現) – 最適なビジュアル形式は?
大事なのは「目的」と「一気に具体へ降りる」こと
私がこの5つのPの中でまず大事だと思ったのが、最初にパーパス(目的)をはっきり決めることです。目的があいまいなままアイデアを出したり情報を整理し始めると、議論が発散してしまうという経験を私もよくしてきました。目的が定まっていれば、そのあとのステップがぐっとスムーズになるんですよね。
もう1つは、目的を決めたらすぐ「ピース(具体)」に降りること。この本では、まずは思いつくアイデアや事例をばーっと出し切ることが大切だと説いています。そこから整理の軸を見つけるほうが、構造化がスピーディに進むというわけですね。私も抽象的な話を少しずつ具体化していくトップダウンのやり方だと、なかなか議論や整理が進まない経験もしたことがあるので、ピースという具体に降りるというアプローチにはとても共感しました。
整理する軸を定める肝は「ミクロ視点」と「エッジケース」
構造化を成功させるためには、パースペクティブ(視点)をどう決めるか重要です。著者は、その方法として「ミクロ視点」と「エッジケース」の2つを挙げています。
ミクロ視点
いくつか出てきた具体例のうち、1つをじっくり掘り下げることで整理の軸が見えてくるというもの。マーケティングや商品企画でもよくある「ペルソナ」を設定するのに似ているかもしれません。エッジケース
あえて微妙な事例をぶつけて、どちらに分類するか迷うようなラインをハッキリさせる。たとえば「これって重要なこと? それとも重要じゃないこと?」みたいに、境界があいまいな事例を出してみて、そこから切れ目を明確にしていく。私はチームで議論するときにも、わざと「これってどっちに入るんだろう?」と微妙なケースを投げかけることで、議論の軸をよりクリアにすることがよくあります。今回の本ではそれを「エッジケース」だと言語化されています。言葉として頭にいれることができたので、今後私が問題整理をするときの再現性も確実に高まります。
仕事やコミュニケーションがレベルアップする予感
読んで本当によかったなと思います。私はアラ還なのですが、こういう構造化思考が言語化できるというのはもっと早く知りたかったと感じる一方で、今からでも十分レベルアップできるチャンスをもらったなとも思います。明日からの仕事やコミュニケーションに生かしていけそうで、ワクワクしています。
特におすすめしたい3タイプの方
難しいことを整理するのが苦手だけど、うまくできるようになりたい人
複雑なテーマでも、5つのPを意識して進めれば、ぐっとわかりやすく整理できるようになると思います。人の話を聞く力を高めたい人
聞く力は構造化思考のスキルとほぼ同義だと私も実感しています。最近、現職の社長から『おかさんは人の話を聞いて整理して、新たな論点を見つけるのが得意だね』と言われたことがありますが、それは構造化思考を使っているからなんだなと改めて感じました。構造化思考がある程度できるけれど、それを人に教えるのが難しい人
自分自身はある程度、構造化して物事を考えられているけれど、それが暗黙知になっていて人に伝えられない。そんな方は、この本を読むことでフレームワークを言語化でき、他の人にも広められるようになるでしょう。結果的に自分の構造化思考の再現性も高まるし、周りにも貢献できるようになる。私もまさにこのタイプです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。荒木ひろゆきさんの最新作『構造化思考のレッスン』についてご紹介しましたが、すぐに実践できるヒントが詰まっています。ぜひ手に取ってみて、日々の仕事やコミュニケーションに取り入れてみてくださいね。きっと傾聴力と複雑なコトを整理・伝える力がレベルアップすると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。