よさこいソーランってどこの何?
先日プノンペン日本人会主催の盆踊り大会があり、わたしが土曜日に勤務しているプノンペン補習授業校(補習校)の子どもたちがステージでよさこいソーラン節を披露しました。毎年子どもたちが踊っているこれ、わたしが子どものころは全く知らなかったのですが、一体どこの何なんだろう? と思いまして。
高知と北海道のミックスだった
調べるとすぐに出てくるもんで。高知県のよさこい祭り、で鳴子を持って踊ったりするのと、北海道のソーラン節をミックスさせたものでした。登場したのは、1992年というから、わたしはもう高校生で、知らん! のも当たり前ですね。現在は、Youtubeでもあらゆる地域の学校で踊られているよさこいソーラン節が出てきて、運動会などですごくかっこよく演舞している高校生の姿などを見られます。北海道のソーラン節といえば、ヤーレンソーランソーランソーランソーランソーランソーラン、ハイハイ♪ というやつ。これ、わたしが育った黒川村の集落に毎週来る移動販売のトラックが鳴らしてやってくる曲で、これを聞くと、「あ、お店が来た!」ってみんな財布を持って駆け出したものです。わたしのソーラン節の思い出はそれしかないなぁ。ちなみにスーパーがない村にはいろいろな移動販売が来ていて、来る店によって曲が違うので、耳で買い物をしていたような時代です。
地域色があった
話が昭和のド田舎の買い物事情に逸れてしまいました。戻しまして、さて、運動会の最後に何かを踊る、という風潮が古今東西見られますが、そこには地域色があって面白いなぁと思うのです。たとえば、例の移動販売が来ていた村には、胎内音頭(音だけだと体内温度みたいですが)というのがあって、小学校も中学校も運動会の最後には、これを踊ります。集落の盆踊りも、村の盆踊りもしかり。村民運動会では大人も子どもも当たり前のように踊りました。実際、この村の住民しか知らない踊りなんですけど。恐ろしいことに、踊らなくなって30年くらい経ちますが、ひとたびあの民謡が流れると、体が勝手に動いて踊れるという不思議。みなさんにも、ありますよね? では、ミュージック、スタート!
海外の日本人コミュニティだから
プノンペンに来て、”盆踊りで何を踊ったか”でなんとなく出身地域がわかるという面白さがありました。炭坑節だったり東京音頭だったり、日本人ならほぼ誰でも知っているものもありますが、たいていは、胎内音頭のようなローカルなもの。先日の補習校の子どもたちのよさこいソーラン節を見た日本人の人が、しみじみ言ったのです。「なんで、これを踊るんだろう? 」と。わたしも、最初、なんでこの知らん踊りをやるんだろうか、と思いました。けれど、地域限定ではない新しい踊りだからこそ、海外の日本人コミュニティが運営する学校にマッチしているんだなぁと。子どもたち(というかその親たち)はそれぞれ日本のあちらこちらからプノンペンに来ている、そこで地域色というものをあえて外して、よさこいソーラン節なのではないかと。よさこいソーラン節って、いわゆるオールJAPAN的要素を持っているのではないだろうか、と思ったのです。うん、理にかなっている。
盆踊り文化
来月にちょっとしたパーティーを、わたしの職場主催でやるのですが、それぞれのチームで出し物をすることになり。我々日本人3人+日本に留学経験のあるカンボジア人2人は、炭鉱節を踊ることになりました。クメールダンスに対抗するにはこれしかないんじゃないか、と。カンボジア人2人はそれぞれ四国と九州に留学していたのですが、ふたりとも知っている盆踊りが炭鉱節だったんです。新潟出身のわたしも知っているし、広島と福島出身の先生たちも踊れるっていうので、これもオールJAPAN的なのかもしれないですね。
あれ? それならば、子どもたちが炭鉱節でもいいってこと? あ、いや、それだと地味ですね。やっぱりよさこいソーラン節は躍動感があってすばらしい、ってことで、〆ましょうかね。