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恋愛悲喜交交 その後

2年前に恋愛悲喜交交について書いた。三浦しをんさんの本を読んだあとだった。「いまに見ておれ」で締めくくった、その後のわたし。

ドラマの中の恋愛

恋愛悲喜交交を書いてから2年と2ヶ月。恋愛は、、、しなかった(プロジェクトXふうに)。趣味のひとつである(別に評論家でもなんでもないのに)日本のドラマをほぼ制覇するという悪趣味は継続中で、もちろん恋愛ドラマも複数見ている。しかし、面白いと感じるのはちょっとキテレツなドラマで、医療モノや刑事モノ、あとは学校モノ。それらの中でもできれば恋愛要素がないモノがいい。恋愛ドラマがぜんぶ嫌なわけではないけど、最近はどうも主人公にさえも”こういう女いやだなぁ〜”と感じてしまうことがあって、するとひゅーんとそのドラマへの視聴熱が下がる。自分がもはや誰目線でドラマを見ているのか不明になる。

光る君へ

そんな中、今年いちばん面白かった恋愛ドラマは、NHK大河ドラマの「光る君へ」だった。大河ドラマで恋愛もので、平安のなかの短い時間を1年もかけてっていったいどんなドラマになるのだろう? と思っていた1月。気づくと1年しっかりじっくり見ていた。あんなに惹かれあっていたのに、くっつくことはなく、でも揺るぎない心の絆で結ばれている男女。大石静さんのこの脚本は、ほんとうにすごい。恋愛ドラマなのに好もしいと感じたのは、主人公が子ども時代からずっと思い続けながら、別の人と結婚し、友人として励まし合って、お互いの仕事を戦友のように鼓舞し合って、気持ちが繋がったまま40代を過ぎる、どこかに区切りが必要と悟ったのかもう会うことがないときっぱり言い放って旅に出る(いまはここまで)というスケール感だ。主人公と一緒に人生を生きたかのように物語の中に入れてしまう。ひとりの人間の恋愛であっても、年齢によっていろいろ変化がある。3ヶ月程度のドラマでは一時期の恋愛模様しか表現できないので、自分と合わなければ面白くないと思ってしまうのは当たり前かもしれない。だから1年で何十年分の恋愛を物語った「光る君へ」は、わたし的に好もしいのだ。

吉高由里子さん

「光る君へ」で主人公を演じた吉高由里子さんが、今朝のNHK「あさイチ」に出演されていた。彼女に対しての表現でとても興味を引いたものがある。共演した松下洸平さんが吉高さんのことを「男女も年齢もそういうものが関係ない女性」(というような感じ)と言ったこと。ははぁ、ほほぅと思った。恋愛につなげて考えてみたのだ。恋愛となると、男女が主だったものだし(そうではない人もいる)、年齢は、とくに女性には大きな要素となりうる。わたしは40歳を過ぎて恋愛したときに、子どもを生めない問題で傷ついた経験があるので、恋愛を一休みすることにした。好きな人はいっぱいいる。それは男女も年齢も関係ないひとたちばかり。だから恋愛をしないのだなと、吉高さんへのコメントをねじ曲げた解釈で勝手に納得した。わたしは、たぶん、自分のことをそう思っているのだろうし、人からもそう思われたいのかもしれない。「男女も年齢もそういうものが関係ない女性」と。もはや、吉高さんとは無関係な話である。吉高さんに謝れだ。吉高さんはめちゃんこ恋愛しているみたいだし。

いまわたしが恋愛をして誰かに夢中になったら、「男女も年齢もそういうものが関係ない女性」感が希薄になってしまうことを恐れているのかもしれない。ということを言い訳にして、いまだ、恋愛モラトリアムにいる。

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