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パートナーセールス立ち上げ1年目の振り返り

はじめまして、オートロ株式会社の岡と申します。当社ではクラウド型RPA(業務自動化ツール)AUTORO(オートロ)の開発販売を行っており、2023年秋からパートナーセールスについての活動を始めました。本記事はパートナーセールスアドベントカレンダー2024の11本目の記事として記載させて頂いております。

自己紹介:私自身はこれまで金融系の営業職からキャリアをスタートし、自身での起業などを経て、AUTOROリリース前(2017年)から当社に参画しております。これまで直販のBizDevから、営業チームのマネジメントを担当してきました。直近1年間はパートナーセールスの立ち上げを中心に実施しており、経験値としては浅めですが、1年目のリアルを共有できればと思い記載させて頂きました。

自社紹介:当社で開発しているAUTOROは人がPC上で行う作業を自動化することを目的に開発されたシステムです。特徴としては、RPA的な基本機能としてPC画面の操作が行えることに加えて、API接続やオンプレとの接続もできるため、最近はシステム導入時のインテグレーションツールとして利用頂くケースが多くなっております。

パートナーセールスを始めた目的

事業背景と課題:スタートアップがグロースのために初期に注力するのはリード数の拡大と成約率の改善ではないでしょうか。しかし、リードは見込み顧客がインターネットで検索をしたりする数量以上に増加させることは困難です。また、リードを増やそうとするこほど関心の薄い層へのコンタクトを増やすことになるので、後工程でのコンバージョンレートが低下し、全体での受注数向上につなげることが難しくなります。そもそもRPAのようなデータ連携製品は8~9割が間接販売経由であり、直販だけで活動することは市場の1~2割しかアクセスしないことを意味します。そのような背景からパートナーセールスの活動を開始しました。

当社の製品リリースが2018年であったことを考えると、パートナーセールスの取組は遅かったといえるかもしれません。要因のひとつは事業リリース当初中途半端に取り組んだ代理店施策が失敗したことにあります。当時はプロダクト購入を前提としており、軌道に乗らないと代理店分の製品が解約になりステークホルダーへの心象も悪くなるという状況が発生したのです。これによって、パートナーセールスに再度取組むという話は上がったものの、なかなか着手できない状況が続いてしまいました。

立ち上げの準備と戦略

準備フェーズ:パートナーセールス立ち上げの準備フェーズでは、パートナーセールス経験者へのヒアリングや、PRM(代理店管理システム)ベンダーが提供するホワイトペーパーを読み込むなどして情報収集するところから始めました。次に、ターゲットと課題仮説の設定を行いました。結果的にターゲットはサイボウズ社のパートナー企業に設定しました。理由としては、既存ユーザーがkintoneの接続ツールとして利用しているケースが増えてきていたことや、kintone導入時の課題をAUTOROで解決できパートナーに直接的な収益以外で貢献できると考えたためです。

アプローチ方法:当社自身もサイボウズ社のパートナーであったため、担当の方にどのようにサイボウズ社のパートナー企業にアプローチしたら良いか相談の機会を頂きました。その打ち合わせでは、サイボウズ社にはCy-Musubiというパートナー同士を繋げるポータルが存在することや、サイボウズ社主催の展示会であるCybozu Daysでのアプローチの可能性について教えて頂きました。また、新規流入する問い合わせのうち、SIerからの問い合わせは自分に回してもらうフローに変更するなどを行いました。

実際の活動と経験

具体的取組:基本的には候補先企業のリストアップ、アプローチ、資料作成とう流れで進んでいきます。サイボウズ社のパートナー企業から200社ほどリストアップし、パートナー同士の連絡プラットフォームからの連絡の他、SNSやフォームからのDM、展示会でのブース訪問、既存リードへの連絡など実施していきます。アポイントが取得できたら、仮説を記載した資料をベースにディスカッションさせて頂き、ベンダーの方たちが抱えている課題への理解を深め、また次の提案に活かすというサイクルを回します。

成功事例と反省:実は自社リードの中には一定ターゲットとなるベンダーの方からの問い合わせが存在していました。自社の直販担当営業は、これを通常の商談として対応しているのですが、このような商談に同席しベンダーの方へ別途ご挨拶で訪問するという活動も実施しました。このような切り口で活動することによって、単なるエンドユーザー向けの活動とするのではなく、ベンダー企業の支社の方たちへ認知を広げるための活動としての訴求を強めました。結果、勉強会の開催や支社で実施されるフェア(小規模の展示会)へご招待頂くなどして、支社での認知度を上げることができました。またサイボウズ社が主催しているパートナー向けの懇親会では、他の企業の方をご紹介頂き、そこからの御縁も広がっております。一方、二回目以降のコンタクトが作れない候補企業のほうが多かった点は反省点となっております。

関係構築の工夫:基本的に少ないリソースでパートナー企業との関係値を多面的に維持することは難しいです。そのなかで工夫したことは自社の他部門を巻き込んでいくということです。例えば、マーケチームと連携して共催セミナーを実施させて頂いたり、CS担当と連携して複数回にわたって実施する研修を提供したこともありました。また直近では、自社で受けているインプリ系の業務についてもパートナーお任せするように動いています。このような取組を行うことができたパートナー企業とは、会社同時のつながりを深めることができたと感じております。

KPIや成果の振り返り

KPIと成果:KPIは活動当初は候補企業とのアポイント数や相談数を重視しいました。ただ、何が正しい指標か分かったうえで行動しているわけではないので、活動のペースメーカーのように記録していたという形にはなります。成果としては当初目標には届いていませんが、一定の受注が出たことや、多数の勉強会開催、大手ベンダー様を中心に支社で実施されるフェアへの参加をさせて頂けたことに手応えを感じています。

改善検討:今後の改善活動に取り組むうえでの検討テーマは以下の3点を中心に考えています。

  • 現在のターゲットは適切なターゲットのか:当社製品の性質上、ターゲット企業が取り扱う製品との価格帯を含めた相性があります。連携製品の価格より当社製品の値段が高すぎる場合にはターゲットを変更するか、製品単価を変更することが想定されます。

  • パートナー数を増加させるか既存先を深耕するか:パートナービジネスを行う企業の話を聞いてみると、代理店契約のなかでアクティブ先の企業は全体の20%程度となっております。もし20%の企業だけを先行して見分けることができない場合、先に数量を増やす必要があります。

  • 製品提供のあり方は今のままでよいか:より上流工程の提案から巻き取ることによってパートナーの負荷を軽減する施策や、現場のニーズに応じたプロダクトへの反映が検討されます。

次のステップと今後の展望

今後の目標:これまで自力でのパートナー開拓について説明してきましたが、2024年7月から当社はBizRobo!というRPA製品の販売を行っているオープングループ株式会社の傘下企業となりました。今回のM&Aに伴い、今後はいかにオープン社のメンバーの方を巻き込んでいくかということが重要なテーマになってきますので、そのあたりの活動を主軸にして参ります。

新たなチャレンジ:今後は様々なSaaSベンダーの方と協業して、OEMのような形でSaaS製品と他のシステムを接続するデータ連携ソリューションを提供する座組を構築しています。当社ではこのようなパートナーシップのことををコラボプランと呼ぶことにしました。

協業の募集

ということで、当社では協業させて頂けるSaaSベンダー様を募集しております。この協業によって、SaaS製品販売の際に生じるデータ連携の課題を解決します。直近事例としては、株式会社ピカパカ様が提供するピカパカ出張DXとSmartHRなどの人材労務管理システムを接続するソリューションをリリースしております。SaaS製品と他のシステムの接続にお困りの方はぜひお声がけ下さい!  また当社のパートナーセールス活動にフィードバック頂ける方もコメント頂けますとありがたいです!


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