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Photo by
ribenseijin
【エッセイ】ノイズキャンセリング・キャンセリング
先日、繁華街で紛失した2代目のワイヤレスイヤホンに代わり、ノイズキャンセリングを搭載した同系列の最新モデルを購入しました。
初めてのノイズキャンセリングは、世界が変わるという程ではないものの、やっぱり前回モデルよりは静かに、音そのものを味わえている気がします。
けれど、消えたノイズと同じくらいの寂しさを抱えることにもなりました。
と言うのも、私は電車によく乗ります。なので、イヤホンをつけつつも、車内アナウンスを気にすることが多いです。他にも、街頭の音楽や他人の会話、その他諸々の情報を耳から収集しようとしています。ですが、それらがノイズキャンセリングによりできなくなりました。
世の中に溢れる日常の音も、ノイズと一口に言ってしまえば邪魔者のように聞こえるかもしれません。しかし、私にとってはノイズも生活の一部であり、言うなればノイズのファンでもあります。
ノイズ聴きたさにイヤホンをつけない手もあるのですが、ラジオファンでもあるため常に聴き続けたい気持ちもあります。このエッセイを書きながらも"オールナイトニッポン"を聴いています。なので、結局はイヤホンが耳に在中しています。
大きな話になりますが、人生においてもノイズ的なものは必要なように思います。
もちろん、スティーブジョブズのように効率よく無駄を省きながら生活を送っていくことは素晴らしいことだと思います。けれど、エッセイを書いている時間しかり、意味不明な時間も長い人生で見れば必要な気がするのです。
そんな時間から生まれる知識や経験は、日常生活では8割方役にたたないです。ですが、残りの2割くらいは何よりも強い武器になる瞬間もあるらしいです。
なので、これからもノイズを出し続けようと思います。