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【エッセイ】居場所
自己紹介の記事でも書いた通り、就職を機に大阪から上京を果たしました。
上京した理由としては、今の会社しか内定が貰えなかったというのもありますが、そのほかの理由は長渕剛さんの「逆流」という曲の想いとほぼ同じです。
僕がここを出て行くわけは
誰もが僕の居場所を知ってたから
やさしさを敵にまわしてでも
生きてる証しが欲しかった
竹馬で歩く様に 今はまだぎこちないが
先ずはここから足を踏み出し
飾り言葉を投げ捨てて
「若いくせに!」なんて言わせたくない
奴がブーツのボタンをはずしていようと
奴が他人の生きざま馬鹿にしようとも
一歩前のこの道を行かなければ
だって僕は僕を失う為に
生きてきたんじゃない
なんとなくになるのですが、私は地元に残るのが嫌でした。
当時の私は「どこかで一度守られた環境から飛び出して、自分ひとりで勝負しなければならない」こんな使命感というか、義務感に駆られていたのです。これは今も大きくは変わりません。
もちろん、地元には家族や友人などがおり不満はありませんでしたが、それを実感するのと比例して、やさしさを敵に回す必要性を感じたのです。
そうして出てきた東京ですが、やはり順応するには時間がかかり、ストレスで胃腸炎になることもありました。
これは時間が解決してくれ、同期とも先輩とも仲良く仕事ができています。
しかし反対に、気づかないうちに、今の東京の暮らしだけが自分の要素の全てに思ってしまうときもあります。
これは帰省し、地元の友人や家族に会ったときに初めて気づかされます。
地元にも居場所があったんだと、コミュニティごとに居場所があったんだと。
そんなみんなのおかげで、仕事が上手くいかないときや、一人暮らしが苦しいとき、「自分の居場所はここだけじゃない、もう少し広く考えてみよう」そう思えるようになりました。
居住地と心の居場所は全く違うことを心に留め、やさしさを敵に回し、一歩前の、この道をまだもう少し逆流していこうと思います。