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「メモの魔力」 抽象化で生き方を知る!

紙のノートにペンでメモを取ることは誰でも日常的に行っていると思います。その誰でもやっていることに、「魔力」なんて大仰なタイトルだなあなんて思っていましたが、目を引くタイトルといかにも魔術っぽい装丁に惹かれて購入しました。自分自身読書は好きですが、今までビジネス書や自己啓発本の類をあまり読んできませんでした。ビジネス書と聞くとどうしてもHow toによった内容なのかなと勘繰ってしまいますが、結果から言えばこの本は全く逆でした。むしろメモを通して生き方を考える本でした。

知的生産のためのメモ

まずメモを取る目的ってなんでしょうか?冒頭で筆者の前田さんはメモには二種類あると書いています。それは、「記録のためのメモ」と「知的生産のためのメモ」です。ここで大切なのは、後者の「知的生産のためのメモ」です。新しいアイデアや付加価値をもたらすためにメモを取るのだということを意識することでメモは魔力を持ちはじめます。

メモによって鍛えられる5つのスキル

① アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)
② 情報を「素通り」しなくなる(情報獲得の伝導率向上)
③ 相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)
④ 話の骨組みがわかるようになる(構造化能力の向上)
⑤ 曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)

この中で特に①④⑤に関しては「知的生産のためのメモ」に深く関連していると感じました。また、これらの力についてはGoodpatchさんのWebページに詳しく書いてあります。知的生産のためのメモを継続していくことで、こういった力を身に付けていけたら最高ですよね!

「抽象化」によって物事の本質を考える

メモを行う上で大切なことは「抽象化」です。例えば自分が鋼の錬金術師を読んで、「深いなあ...」という感想で終わるのではなくて、なんで深いと思ったのか掘り下げて考えます。「等価交換の法則」→「何かを選ぶためには何かを捨てなければならない」→「これは人生でも同じ」というふうに等価交換の法則を抽象化して自分の人生に転用できます。(わかりづらい例え笑)

メモで生き方を知る

ここまではメモをどんなふうに有効活用すべきかの話が主でしたが、この本の後半部分ではメモによって生き方を考えるという話が書かれています。具体的には、就活での自己分析の強化版のようなものだと感じました。自分が何を大切にして生きていきたいのか。何に幸せを感じるのか。その問いに対して徹底的に深掘りをしていくことで、逆算して今やるべきことが見えてくるそうです。そのノウハウについてはここでは書きませんが、著者の前田さんがいかに自分と向き合ってきたか、それを逃げずに言語化してきたかが窺い知れる内容でした。

終わりに

ちょうど自分が就活を始めるタイミングで読んだので、自分のやりたいことってなんだろうと漠然と考える毎日の中で、この本がやるべきことの指針になってくれた気がします。この記事を読んでくれた中にもし自分のやりたいことに悩んでいる人がいたら、いますぐ本屋へダッシュしてください。そして鋼の錬金術師を全巻買ってください。

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