目的から逆算した採用部門の数値管理
当記事は高品質な採用支援サービスをご支援しているWHOMさまによるアドベントカレンダー12/24の記事となります。お誘いいただきましたえりまきさん、ありがとうございました。おかげで思考の整理ができました。
自己紹介&こんな方に読んでほしい
WebIT企業でビジネス職の中途採用に携わっています。責任範囲は「数値化、自動化をはじめとしたオペレーション開発」で、採用面接はリクルーターが担当しています。この記事は「スプレッドシートの管理に限界がある」と感じている採用担当者に「この考え方….アリかも!」と思っていただけるはずです。
Why(何のためにやってるの?)
「採用における数値管理」と聞くと、このような表を連想されるでしょう。
そして引用元のリクルートエージェント様によると、数値管理をすることの3つの利点の記載がありました。
私も私もそう思って数値管理を進めていましたが、ボスからこのような一言が飛び出しました。
「え!不要!(自分はこのチームに不要….)」と驚きましたが、続けざまにボスから数値管理の使用シーンの啓示を受けました。そうです、5つもあるのです。
特に以下の4、5の視点は普段の採用業務では抜けることが多く、それゆえ数値管理の尊さを知るのでした。これは主語を「自分」から「弊社」に変えても同じ。「5年後の事業規模や日本の転職人口から逆算した内定承諾数」を考える事はとても大事な視点と言えます。
What(何をやってるの?)
定番である各選考の実施数=パイプラインを計測しています。
セグメントは「①各リクルーターごと」「②人材紹介会社ごと、求人媒体ごと」「③ポジションごと」、期間は「①デイリー」「②月次」を計測しています。また各選考ごとの日時を計測しているので、選考時のリードタイムも計測していることになります。他社様も同じ状況という理解です。
どのデータを利用するか
となります。リクルーターの学習コストを下げるため、採用管理システムに入力しきれない要素はスプレッドシートに手入力をしています。
(採用管理システム=弊社はHERP社様の「HERP Hire」を採用しています)
How(どうやってやるの?)
方針はこちらです。1は自動化、2は軽量化、3は省力化、4は見える化と、いい感じで「化」が分散されました😇
図にすると以下となります。(クリックで拡大)「どっちもスプレッドシートがメインやん!」というツッコミが聞こえてきそうですが、「毎日、人力でCSV反映」「激重スプシをイライラしながら入力」という地味に面倒なペインは消滅しました。
近似曲線という大発見
各選考ごとの数値を棒グラフにしたのですが、採用という業務は一進一退が続くもの。そこでボスから「近似曲線を付け加えたらどうだろう?」というアイディアが飛び出しました。入れてみたらモメンタムが可視化されるではありませんか。近似曲線だけ見て「Aさんは今月一時的に減少しているが、傾向としては上がり調子である」と断言することができました。計測期間が増えれば増えるほど、近似曲線の信頼度が上がっていくわけです。これは大発見でした。
地味に助かること:外部サービス連携時の設計
2024年秋に、採用イネーブルメントSaaS「RekMA」を導入しました。その際助かったのが「どこからデータを引っ張ってくるか?」という疑問に「そりゃBigQueryでしょ!」と即答できたこと。BigQueryが絶対的存在としてのデータハブとなることで、データのヌケモレや重複管理が解決された状態で連携設計を整えることができました。Rekmaについては柳澤さんの投稿がいちばんしっくりきたので共有します。
もっと良くなる、もっと良くする
日程調整の自動化
採用管理システム=HERP Hireにも日程調整機能が実装されているのですが、弊社中途採用では比率の多い「人材紹介会社さまに最適化した日程調整の仕組み」を開発中です。こちらも「BigQueryありきで進めるとラクだ!」と実感しております。
KPIシート自動送付 for 人材紹介会社さま
Looker Studioの得意分野はレポート送信やダッシュボード。この機能をフル活用して「人材紹介会社さまにレポートを定期送信する」ということも可能なはず。弊社の強みは「人材紹介会社さまとの強固なリレーション」なので、定量面でも「あの会社すごい」と思っていただけるような動きをしたいです。
「鷹の目とアリの目」で管理する
現場に近ければ近いほど「今月どうする」という想いが先行しがち。数値管理の仕組みをしっかり構築することで「獲得可能性の総数=トップダウン」の視点で逆算し、「狙える数=ボトムアップ」と突き合わせて未来を引きよせ続ける。そんな想いで弊社の採用という経営課題にコミットしたいと考えております。
謝辞
とはいえ私は「BigQuery導入したいなー」と言っただけで、同僚ゆきちさんが設計・実業務を引き受けてくれました。感謝に堪えません。
最後までお読みいただきありがとうございました!