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6ヶ月間、毎日クロッキーとかしつつ、6月はソッカの美術解剖学ノート強化月間だったよ。という話
前回の話はこちら。
今回のお話はなんかちょっと買った本の紹介メインになっちゃったかも。例によって全部アフェリエイトです。
クロッキーがまた楽しくなる
ちょっと失速してたクロッキーもなんとか持ち直し。ことし4冊目のクロッキー帳が終わりました。半年も続けたの、ほんとに偉い。
いつもやってるクロッキーはすっかりコンフォートゾーンになってしまった感じがあったので、今月後半は60秒とか30秒とかで描いてみたり、ペアの写真や着衣モデルなどを中心に。
いつも使ってない脳を使ってる感じでいい刺激になりました。
満を持してソッカ本
コンフォートゾーン出る出る作戦その②。昨年末流行った時に買ったものの、イマイチ使いどころがわからなかった「ソッカの美術解剖学ノート」を再読。
この本、とにかく分厚くて文字が多くてお値段も高く、圧巻の情報量で、描き方よりもむしろ進化の過程とか体のパーツの構造や役割について多くのページが割かれています。Amazonのレビューを見ると、絵描きだけじゃなくて医学生とかにも読まれてるみたい。
反面、じゃあ結局どうやれば上手くなるんだよー!!ということだけ知りたい人には遠回りが多いし(泳ぎがうまくなる方法を知りたいだけなのに流体力学の話から始まる感じ)、途中途中のギャグっぽいノリもちょっと合わなくて、当初は買ってからすぐ読むのをギブアップしてしまいました。hontoでプラス200円でフィルムコート加工までしてもらったのに。デカい本なだけにやたら視界に入るので、見るたびに罪悪感を覚えつつ。
でもやっぱりこの帯コメントが気になりすぎる。2日もらえれば画力3倍になる自信ある!ですってよ奥さん。
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一体、みんなこの本にどんな価値を見いだしてるんだ?どういう使い方してるんだろー?と思っていろいろ読んでみました。だいたいこのパターンみたい。
①ひたすら模写する
ソッカの絵の部分を模写する派。ページ数に心折れそうだけど絶対いい練習になる。
(↑高級タウンページっていう表現が面白すぎるw)
②教科書的に読み込み、ポイントをノートにまとめる
インプット的な使い方。これもちゃんとやればすごく力になりそう!
③作品など、絵を描く時にリファレンス的に見る
これどっかで見たんだけど元記事見つからなかった。Twitterかな。英作文する時にここの時制どうなるんだっけ〜?って参考書を見る感覚で、絵を描いてる時に「ここって背中の筋肉どうなってたっけなー?」ってソッカを開く感じ。
④ソッカで知識をインプットして、それを意識しながらモルフォ本や写真を模写してすり合わせ
だいたいこんな感じ。
いろんな人のやり方を参考に、ソッカを読んでフムフムってする(基本読むだけだけど気になるところは模写してみる)→ソッカで学んだことを意識しながら、クロッキーやモルフォ本の模写。という流れで回すことにしました。モルフォがちょうど上肢のパートに入っていたので、今月は肩や腕のページを中心に。
モルフォって説明が最低限で、「考えるな!感じろ!」なとこがあるので、時々自分が何のためにそれを描いてるのかわからなくなったりするんだけど、
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ソッカは図解なのでイメージしやすく、なるほどねーそういうことねー。となったりして。特に筋肉と筋肉の重なりについて理解できたのはよかった。
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使ってるうちにだんだんこの本のノリにも慣れてきて、今では結局①〜④をちょっとずつ網羅するような使い方になっています。もう7000円の元はとれたんじゃないかな。
そんなソッカの美術解剖学ノート。値段が値段なので、ほんとは機会があれば実物を見てから買うのが一番かなーとは思います。絵もちょっと人を選ぶ感じなので。インターネッツで買う場合は↓のリンクから購入していただけるとわたしにアフィリエイト収入が入ります。ラブ。
モルフォはさんざん今まで紹介したけど、こういうやつです。これは本モル。
最初はこれがおすすめ。箱モル。
わたしはまだ買ってないんだけど、この本も人気。これはガシガシ模写するのに向いています。
手首サポーター買ってみたよ
薬局で手首サポーターを買いました。同じものがネットで見つからなかったんだけど、こういうくるくる巻くタイプのやつ。効いてるかどうかはよくわからないけど。Amazonで買うよりも、大きめの薬局で買った方がいいかも。試着ができたりもするので。
毎日何ページもクロッキーするとすぐ腕に違和感が出てしまうんだけど、今月はそうでもなかったから(3月ほどは描いてないけど)多少効果はあったんじゃないかなと思います。
さて、技術やツールに関する話はここまで。以下は若干精神論っぽい話が続きます。
なんか似てる群に入らないために
この一連のツイート、画風を模索している自分としては、まさに知りたかった話!
イラストで「なんか似てる群」に入らないようにするには、流行っているイラストの「良さの源流になっている作品」にあたる方が良いと思う。今流行ってるテイストが「飲みやすく改良されたスープ」だとしたら、それの「ペースト」が何処かに存在する。
— 芦野公平 kohei ashino (@ashiko) June 6, 2020
トレンド感を大事にすると、「劣化版ナニナニさん的な量産型イラストレーター」になっちゃうし、難しいなーと思っていたところなのです。
ちなみに、このツイートに呼応する形で、木内達郎さんもnoteを描かれてます。有料だけどもしよければ。
木内さんは本当にいろんなイラストレーターに影響を与えている人だから、きっといろいろ思うところがあるんだろうな。
で、これらの話に触発されて、前に行った展覧会の図録とかチェコのマッチラベルや昔の外国の挿絵などを見て、いろいろ研究しています。(あ、ちなみにこの辺の話はデザイン系や装画系イラストの前提です。キャラ絵系・アニメ系の人はまた違うソースがいろいろあるはず!)
その中で特に買って大正解だったのがこの本。
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今見ても本当に美しくておしゃれだし、この人に影響受けたっぽい絵をよく見るので、まさに源流(少なくとも日本においての)だったのかー!と納得。時代を超えてもいいって思えるものって、やっぱりある程度の普遍性みたいなものがあるんだろうな。
Amazonで一時期プレミア価格になってたんだけど、増刷してくれたみたいで定価で手に入るようになってます。
https://amzn.to/3rb4K8O
杉浦非水さんについてはこちらも。
2021年7月の島根を皮切りに、各地で展覧会が開催されるそうです。
生活の全てがインプット…だよねそうだよね
こちらも最近すごく身につまされたツイート。
「デザイナーは人の生活を豊かにする仕事だから、忙しいと思うけどできる限り良い暮らしを送るよう心がけるよう。自分の生活破綻した状態で人様のを良くしようとしても判断誤るからね」て鬼のように宿題だしてくる厳しい先生の言葉、今でもたまに思い出して生活見直してる
— 檜垣 万里子 (@mrkhgk) December 19, 2016
デザイナーじゃなくても、生活破綻してる感じは絵に出る気がするし、おしゃれな感じの絵を描きたいならやっぱり普段の生活からおしゃれじゃないものは排除していきたい。感性やセンスって日々の生活の中でも培われるものだよね、と反省。
そもそも絵を描くのに夢中になるとどうしても生活が疎かになってしまうので、気をつけねばなーと思うのです。絵の本ばっかり増えちゃうし。
あと、暮らしだけじゃなくて、どんな情報に触れるかも意識。ゴシップとかネガティブなもの、自分にプラスにならないものを見る時間を減らして、美しいものや感性を豊かにしてくれるものを見る時間を増やさねば。実際にはなかなか徹底できないけど、ちょっとだけでも。
食生活を整える
もはや絵と全然関係ないですが、上記の生活破綻を立て直す話の一環として、壊滅的な食生活を何とかしようとオンラインの料理のレッスンを受けました。これが本当に楽しくて、今では毎週何かしらレッスンに参加しています。
食ってだいじ…。生活全面において人間としての力が底上げされたような気がします。体調が悪くて描けない、みたいなのも減りました。あとレッスンを受けて作り置きするようにしたら、他の日はすでに作ってあるものを食べるだけなので、「あ〜〜今日のご飯どうしよーかな〜買い出し行くのめんどくさいしな〜〜〜」ってウダウダ悩む時間がなくなって、結果的に絵の生産性も上がりました。
材料は自分で買わないといけないけど、1レッスン1000円くらいから受けられるし、下手くそでも他の人に見られずに済むし、楽しいしおすすめです。(これは別にアフェリエイトとかじゃないぞ)
なので、6月は自然と料理してるイラストが多くなりました。こうやってイラスト以外からのインプットも生きてるんだなあ。
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7月以降の目標
・ソッカは足のページに進む!
・商業の仕事のつもりで作品を4点以上描く。
・読んでない技法書を消化する
・カラーで模写
関係各所の尽力によってワクチン接種が急速に進んでいるおかげで(ほんとすごい)、リモートワーク生活も思ったより早く終わりそうな予感。限られた在宅生活期間を生かして、できることは最大限頑張る所存。
続き。ちょっと新しい段階に進めた感じです。7月あっという間だったな(´ω`)