版権を引き上げるとは。 その3~離婚届に捺印してください~
配信サービス会社「電書バト」のお問合せフォームにかくかくしかじかで個人配信したいのですが、私のような初心者でも可能でしょうかと書きこんだ文面は、エンターキーと共にぴゅいーんと吸い込まれていった。
本当に返事、来るのかしら!!私みたいな小者は、3カ月くらい待たされるんじゃないかしら!! とか思って床をごろんごろんのたうっていたけど、なんという事でしょうその日の夜にはメールの返事が来ていた。
そして、早々にバトの中の人から直接のお電話が来ましたよ。いったいどういう事ッ!!
真面目な会社のようだ。諸々わかりやすく説明して貰った。
バトの最大の特徴は、配信における作家へのロイヤリティの多さである。例えばこれは2019年4月26日に改定された契約内容ですが、
ひとつのストア売上が10000円発生した場合、ストア料率(サイトさんの取り分)が40%の場合、ロイヤリティが6000円生まれる。電書バト事務手数料を20%を差し引き、残り4800円が作家の取り分(印税)になる。(個人口座の作家さんには源泉税10.21%が差し引かれる)
出版社によって多少の違いはあるけど、作者の電子印税は大体10~20%のところが多いのに、こちらでは80%もある。普通は出版社のほうが取り分多いのに、それが逆転している。
これを最大のウリと見る業界の人は凄く多いと思うんですが、正直私は、
いくら作家の取り分が多く設定されていても、肝心の本が売れなきゃ意味が無いと思いました。
ガリガリ君一本程度の売り上げが4本になるくらいで涙とか流せるか!!
知名度もそんなにない作家の作品が、ろくな宣伝も無しに売れるとかほとんどありえないし。しかしよくよく中の人のお話を聞いてみると、個人作家の配信記念フェア、1年に2度の社をあげての巨大フェアを行っていました。ほかにもちまちまちまちま、いつもなんかセールにして売ってる!!
詳しく描きすぎるとバトのステマ作家かよと思われるので端折りますが、
通常の出版社のフェアにも入れて貰えないことも多々あったけれど、ここでは自分から断らない限り(たまにいるらしい)必ず参加させていただける。フェアが大きいほど、多くの読者さんたちが読んでくれる。
そして、配信してほしい作品のタイトル数が長年描いただけあって多い。これだけあるなら配信記念キャンペーンもありえますという有難すぎるお話で、この機会を逃したらもう過去作品が日の目を浴びることなど絶対に無いと思ったので、デビューして32年お世話になった出版社から多くの作品の版権を引き上げる交渉をしようと決心しました。
しかし、話が進んでいくにつれ、めっちゃ気が重くなってきました。
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