勝利を目指す3つの調整方法の選択〜RAGE、地方大会〜
初めまして。Okanishiです、
現在シャドウバースをメインに取り組んでいる
社会人プレイヤーです。
今回は、シャドウバースにおいての
主にRAGEや地方大会についての私の取り組み方、調整方法をここに書いて行こうと思います。
はじめに
先月行われた、RAGEリバースオブグローリー
でプレーオフ準決勝に進出する事が出来た。
RAGEの大会は2日間に分かれており
初日は5-1もしくは5-0で2日目へ
2日目は6-1もしくは7-0でプレーオフへ進出
そしてプレーオフは最大3回戦のトーナメントとなり優勝者のみが後日開催されるグランドファイナルに進む事が出来る。
こう書いてみると、優勝者になるのは大変だ。ざっくり15-1、15-2くらいの成績が求められ初日、2日目各1回しか負ける事が許されないのである。
今回のRAGEはナーフ(カードの修正)が入って実質2週間弱で使用デッキを決めなければならなかった。
環境最強の復讐ヴァンパイアは、ナーフによって違う形に組み直さなければならなくなり
ミラーマッチの練習、相方探しなどをしていた、私を含め様々なプレイヤーは1から出発し直すことに大変さを感じただろう。
実際にRAGEで使用した2デッキ
ヴァンパイアに関しては、前日まで本当に色々な構成を試していて、ゼウス入りの構成、闇の街の採用の有無、進化軸に寄せるかetc
エイラに関しては、調整している仲間にラビットヒーラー抜きの構成や、ミラーマッチを見たテミスの粛清を採用した形などの提案を受けたが最終的にはずっと調整していたエンジェルシュート2枚入りの形に落ち着いた。
今回はこれらの構成に至った経緯や、採用理由を細かく解説していく目的の記事では無く
RAGEや地方大会に向けて私がどのような思考、調整方法を用いてシャドウバースをプレイしているかを発信して行こうと考えた。
おもにシャドウバース対しての調整の仕方を書いているが、他のカードゲームをプレイしている方にも通じる部分はあるかも知れないので、良かったら目を通して欲しい。
調整方法の種類
シャドウバースは大きく分けて3つの調整方法があると考える
1.ランクマッチ
2.調整仲間とのルームマッチ
3.Ratings for シャドウバース
この3つを組み合わせ私は調整している。
それぞれにメリットがあるので、どれか1つという選択では無く、状況に合わせてどれにウエイトを置くのかが大切だ。
ランクマッチ
シャドウバースは素晴らしいカードゲーム(本格スマホeスポーツ!!)だ。
今までプレイして来たアナログカードゲームは必ず
対戦相手
が必要だった。
これまで、調整をする為には、街のカードショップにいったり、調整仲間の家で行うのが当たり前だった。
よく行ってた今は無きcard shopパ○リック
確かに気の知れた仲間と調整するのは楽しいし、有意義な部分も多い、しかし冷静に考えてみると
移動するのに時間がかかる、お互いの日程を擦り合わせ無ければならない、毎日通うのは現実的では無いなど。
しかしDCG(デジタルカードゲーム)は全てを解決した、ランクマッチのボタンを押すだけで、すぐに対戦する事ができる。
これにより、思い立ったらいつでも練習する事が可能、毎日家で調整することも出来るしちょっとした空き時間でも有効に活用できる。
ランクマッチでの調整に置いて最大のメリットは
試行、試行回数の確保である。
カードゲームはとにかく数をこなす事が大切な期間がある。
新しいデッキを作った、枚数差を試したい、取り敢えずデッキが回るか確認したいなど。
またシャドウバースはマリガンがかなり大切だ、感覚を身につける為に試行回数は必須事項である。
そんな時にこそ、ランクマッチで調整するべきだろう。
その他、私が主にランクマッチを多用するときは
環境初期、ナーフ後環境初期
何かデッキのヒントが欲しい
ときである。
しかし、このランクマッチにも欠点が存在するのだ。
まず、シャドウバースの大会はbo3だ。
デッキを2つ使って両方勝利する事が目的なのだがランクマッチにそのような機能はない
bo1しかする事が出来ないのだ。
つまり、大会形式では無い練習方式で調整する事になる。
「この組み合わせはbo3だと良いな」
「相手の対面が○○だから、こっちから出そう」
などの経験値を得ることができないのは、大きなデメリットだ。
そして、もう1つの問題は
対戦相手の力量だ。
調整するなら、出来るだけ相手は強い方が良いし、大会を想定するならメタゲーム(tier)の上位デッキと対戦する方が良いだろう。
ランクマッチは決して、その2つを満たしているとは限らない。
みんながみんな競技的にランクマッチを求めているわけでは無く、ミッション消化の為、楽しく遊びたいプレイヤーなど、目的は違うのだ。
ちなみに、私が今回のRAGE前日にランクマッチで調整した時、1番多く当たったのは「機械ロイヤル」だった。
つまり、そういう事である。(機械ロイヤルプレイヤーごめんね( ; ; ))
以上の事から私が思うランクマッチの役割は
試行回数による調整が必要な時
新しいデッキを作って回す時、ヒントが欲しいとき
環境初期に理解度を深めたい時
である。
調整仲間とのルームマッチ
ある程度環境が理解していき、メタゲームが固定されてくると、対戦する事が多い組み合わせ、デッキが明確になってくる。
現在の環境で言えば
機械ウィッチ、AFネメシス、エイラビショップなどがそれに当たるだろう。
大会に勝つことを目的にしているならば、いま1番強いと言われているデッキは使える方が良いし、対戦する回数は多い方が良い。
そんな時に信頼できる調整仲間がいると心強いだろう。ルームマッチで調整していき、より精度の高いデッキ、プレイスキルを身につけていくのだ。
ルームマッチでの調整方法は人数によって変わる
2人ならば、そのまま対戦。
3人以上なら、残った人間はルーム観戦によるプレイの検討、選択肢の提示など。
どちらの調整方法も通話状態にしておく。
そして、ここが大切なのだが
対戦後、必ず感想戦を行うこと
シャドウバースはマリガンから始まり、アクセラート、チョイス、エンハンスなどで格段に選択肢が多くなった。
つまり、その分ミスの回数が増えやすくなっている。疑問に思ったところ、ターンなどは、検討すべき事項なので積極的に意見の交換を行う事が大切だ。
2人でならば、対戦後に
「あのカードケアしてプレイしたけど効果あった??」
「このターン、こっちプレイしたけどこっちの方が良かった??」
など疑問手を対戦相手の目線から聞く事で発見はあるだろう。
3人以上なら、両方の手札を見ている側の大局観、分岐点などの提示などを行うと気づかなかった選択肢が見えてくる。
また、3人以上ならば対戦中に疑問が湧いた時、手札を見ている側に相談する選択肢も可能だ。(多用しすぎると対戦のテンポが遅れるし、自力で考える力が付かない)
ランクマッチでは、当然感想戦をする事が出来ない、つまりミスや選択肢に気づくことがルームマッチ調整より難しくなっている。
そして、特定の組み合わせのマッチアップを調整したい時に、ルームマッチを活用すべきだ。
例えば、前回の「鋼鉄の反逆者」環境下ではミッドレンジ ロイヤルを使いこなす事が全競技プレイヤーに課されていたといっても過言では無いだろう。
とくにミラーマッチが難解で、
リオードの進化、アサシンの使い道、リーシャの切るタイミングなどは継続的な練習無しでは理解するのが難しい。
クイブレよりタージ派
ルームマッチならば、同じマッチアップを試す事が可能で効率よく練習する事ができプレイの修正もしやすいだろう。
この調整方法において、何より1番大事なポイントはやり方というより、実は
調整メンバーのスキル(クオリティ)
が1番大事だと考えている。
とにかくプレイが上手い、デッキ構築が上手い、斬新なデッキを作る、客観視ができる、やる気があるetc
調整メンバーのクオリティーでルームマッチ調整の全てが決まると言っても過言では無い。
冷たい言い方になってしまうが下手な人より上手い人と継続的に練習する方が効率が良いのだ。
しかし、私を含めプレイも構築も完璧な人間などそうそういない。
プレイが下手でも構築が上手かったり、その逆もまた然り、デッキの分析が上手い、絶妙なバランス感覚でデッキを作る、分析が得意。
欠点があれば補いあえばよいし、それがチームや仲間と調整というものだろう。やる気があり正しい練習をすれば実力も付いてくる。
また、個人的には
なんでも言い合える関係性(遠慮をしなくて良い)
やる気を感じる姿勢、スタンス
の集合体の方が望ましい。
整理すると
調整仲間とのルームマッチのメリットは
自分が気づかなかった選択肢の提示、疑問に感じた事の解消
bo3の対戦による、大会方式の調整
ミラーマッチや特定のマッチアップにおいて相性を確認するための継続的調整
であると言える。
デメリットは特に思い当たらないが、敢えて言及するならば
ルームマッチの見ている側で練習した気になってしまう(配信などを見て勉強するときも含む)
調整メンバーの意見を客観視できずに過信してしまう(特に結果を残してるメンバーの意見が正しく聞こえてしまう)
そもそも調整する仲間がいない(( ; ; ))
だろう。
シャドウバースは調整チームメンバーを募集しているところも結構見かけるので、気になるところがあれば入ってみても良いかも知れない。
Ratings for シャドウバース
Ratingsはbo3調整を提供してくれるだけではなく、期間中に高い勝率を出し、ランクインする事でRatings杯に出場することもできる。
Ratings最大のメリットは何と言っても
bo3を繰り返し練習できる事だろう。
対戦相手も強者が多く、メタゲームの中心の組み合わせと対戦する事が多い。
また、デッキ毎の勝率やbo3の対戦勝率も見る事が出来る。
活用方法としては
bo3の継続練習
調整メンバーとのRatingsでの勝率の情報共有
がメインとなる。
bo3の練習ならメンバー調整のみでも可能だが、RAGEや地方大会は基本的にはメンバーと対戦する訳では無い、まだ見ぬ相手と対戦することの方が殆どだ。
目的意識をしっかり持つことで、Ratingsはメンバー調整よりも本番に近いと言え、緊張感を持ってプレイする事が出来る。
また、調整メンバーがRatingsでプレイした結果をシェアしあうことで、時間の短縮に繋がる事もある。
例えば、メンバー5人がデッキAを用いて
Ratingsを10戦プレイする事で実質50戦のデータを把握する事が出来、効率よく分析する事も可能だろう。
但しRatingsにもデメリットは存在する。
例えば、今回のRAGE前Ratingsは一応開催していたのだが本番期間では無かった為、対戦相手の強さだったり、デッキの組み合わせがメタゲームの中心では無かった事がいつもより多く感じた。
つまりRAGEや地方大会のタイミングで開催されていないと、有効に活用できる機会が減少するのだ。
私が思うRatings調整のメリットは
bo3の反復練習
調整メンバーとの情報共有
であると言える。
3つの調整法の時に意識するべき事項
調整法のメリット、デメリットが確認できたところで、ただ闇雲にプレイしていては上達するのは遅いだろう。
勝敗には理由が必ず存在する。
意識して掘り下げる事が大切だ。
実は、負けた時の方が得られる経験値や次への対策を用意しやすい。負けた時に何故負けたのかを深く考える癖をつけよう。
例えば、あなたはエイラビショップを使用していたとしよう。
全力マリガンをしてエイラを探しに行き、手札に2コストフォロワーを引く事が出来ずにパスしてしまい、結果そのパスが響いてゲームに敗北してしまった。
その時、こんな風に思うだろう。
「あぁ、運が悪かったなぁ」
確かに運が悪い事は否定できないが、生産性が無く成長すべき点を見つける事ができていない。
ここで考えるべき事は
「本当に運が悪かっただけなのか?」
疑うべき事である。
例えば上記の構成だと、フロードボードマーセナリー(都会の鉄板って何?)を含めて2コストフォロワーは13枚含まれている。
全力マリガンをした時に、2コストフォロワーが来る確率は?マリガン時に2コストフォロワーキープを許容できるマッチアップなのか?都会の鉄板では後手2に出すには心許ない時があるのでは?
さらに、そもそも構成の問題があるかもしれない、リーシェナネメシスが減っている今ならばエンジェルシュート2枚は明らかに余分だろう。マシンエンジェルまで採用して2コストフォロワーを厚くする選択肢は、検討するべき事項だ。
「2ターン目パス」というたった1つの事項で、パッと思いついただけでも、これだけ頭に浮かんでくる。
プレイングやデッキ構成にしてもそうだ、実は正解だと思ってた認識が間違えているということは多々あるし、環境の変化により、正解のプレイや構築で無くなる事だってあるだろう。意識をもって取り組む事で発見、疑問点は出てくるだろう。
シャドウバースは選択肢がかなり出てくるゲームだ、迷ったらリプレイを見返す。スクリーンショットを撮って後で他の人に相談しても良い。
考えるクセをつけよう。ただ手なりでプレイしていても、成長のスピードは遅くなるばかりだ。
実際に状況に応じて使い分けて調整する
さて、実際にこの3つの練習方法の上手く組み合わせて、使い分ける。
まずは目的だ。
例えば、貴方は9月1日の地方大会に出場すると仮定しよう。
私は落ちました!( ; ; )
目標はシード権もしくは、2by。スイスドロー6回戦もしくは7回戦を5もしくは6勝して負けは1回のみがプレーオフ進出が最低条件だ。
現在が8月18日で調整期間は約12日。
来週の22日にはアディショナルカードが出る。
現在の環境は、先ほども述べた通り
機械ウィッチ、AFネメシス、エイラビショップが多数を占めている。
私ならばまず、
上記の3つのデッキのいずれかを使って
Ratings for シャドウバース
で調整するだろう。
ここでひたすら調整して、ミラーマッチ、よく当たるマッチの戦い方を理解しておく。期間はアディショナルの前日まで。この段階で、もしアディショナルが出ても環境が殆ど変わらなくても大丈夫なように。
もしくは新しいデッキの調整、プレイが間に合わなかった時の最低の保険を用意しておく意味合いだ。
そして、アディショナル当日は
ランクマッチを回して、調整する
ここでの意味合いは、新しいデッキやカードが強いのかどうか、もし対戦相手が新しいアイデアの構築をしていたら参考にする為に調整する。
この時点で得るものがあまり無いと感じるならばRatingsに戻っても構わない。
そして、大会1週間前に
調整メンバーと意見をシェアして 気になる部分があれば ルームマッチで調整する。
そしてルームマッチで得たものを試す為に
またRatingsに戻って調整だ。
ここからは、ルームマッチ、Ratingsを織り交ぜて調整しておく。
そしてもし、上記の3デッキ以外を使う場合で、明らかな新しいアーキタイプを使う場合は必ず
ランクマッチ調整も混ぜる事
基本的にランクマッチで勝率が悪いものは、例えメタゲーム上有利だとしてもおススメしない。
そして、この期間の間の
jcg の上位デッキの構成を全てチェックしておく。
ベスト4が最低限で、ベスト16に残ったリーダーの組み合わせの数も確認しておくと尚良いだろう。採用カードの選択肢や発見を増やす為にも情報は多い方が良い。
そのような流れで最終日まで調整して大会に備えるだろう。
勿論これは、今回の状況においての選択だ。環境初期ならランクマッチを増やすだろうし
臨機応変に調整方法は変えていくべきだ。
ざっくりとした指標として
環境初期→ランクマッチ
環境中期→3つともバランスを考えて
(デッキの選択肢が多いならランクマッチを増やす、少ないならRatings、ルームマッチ調整)
環境後期→Ratings.ルームマッチ調整
の目安で考えている。
トライ&エラー
実際に大会に出てみて、思うような成績を残せないときもある。カードゲームの性質上勝率100パーセントは不可能だし、かみ合わずに負けてしまうことも存在する。
イライラするときもあるだろうが、
正しい努力を続けていればいつかは勝てる時が来るはずだ。
カードゲームを15年以上やってきて、本当にそう思う。
仕事だろうがカードゲームだろうが、継続し続ける事で地力が絶対ついてくるので、もし今は勝てなくても諦めずに頑張って欲しい。
勿論、何故負けたのか?の反省と次回の改善点を忘れてはいけない。
トライアンドエラーを繰り返していこう。
終わりに
いかがだったろうか?デッキの組み方やプレイ考察の記事を書く事も考えたが、違う視点の記事も面白いかなと思い立ち、久しぶりに記事を書いてみた。
何故、リオードロイヤルや機械ヴァンプを調整しないのか?、プレイの比重によるデッキ選択、大会の心構えなども書きたかったのだが
それはまた機会が有れば是非。
もし良ければ、記事の感想や、こんな調整方法があるという提案があれば私に教えて欲しい。また、少しでも共感できる部分があればツイッターの方でイイネやリツイートを押していただけると幸いです。
それでは、最高の調整をして大会で勝ち進んでいきましょう! okanishi tatsuya