機能性運動障害に対する理学療法と認知行動療法の併用: 無作為臨床試験

研究目的:
機能性運動障害(FMD)患者の生活の質に対する多職種治療(理学療法と認知行動療法の組み合わせ)の有効性を評価。

方法:
   - 単一施設での無作為化比較試験。
  - 40名のFMD患者を対象。
   - 多職種治療群と対照群(心理的支援介入)に1:1で無作為割り付け。
   - 主要評価項目:生活の質の変化(EQ-5D-5L、SF-36)。

主な結果:
   - SF-36 PCS(身体的要約スコア):
      5ヶ月後に有意な改善(群間差 5.62ポイント, P < .001)。   - SF-36 MCS(精神的要約スコア)、EQ VAS、EQ Indexに有意差なし。
   - 3ヶ月後と5ヶ月後の健康状態改善報告:
      多職種治療群(42%、47%)vs 対照群(26%、16%)。

結論:
多職種治療はFMD症状と患者の生活の質の身体的側面を効果的に改善。
本アプローチの費用対効果の評価が今後の課題。


研究の意義:
   - FMDの治療に多職種アプローチの有効性を検証。
   - 生活の質を主要評価項目とし、患者中心の視点を重視。

主要な知見:
   - 身体的側面(SF-36 PCS)の有意な改善。
      臨床的に意味のある変化を示唆。
   - 精神的側面(SF-36 MCS)への影響は限定的。
      治療の焦点や期間の再考が必要か。
   - 主観的健康状態改善の割合の差。
     患者の体験的な変化を反映。

この研究は、FMD患者に対する多職種治療アプローチの有効性、特に身体的側面での改善を示す重要なエビデンスを提供。一方で、精神的側面への効果は限定的であり、治療プロトコルの更なる改良の余地を示唆。

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