1日複数回のインスリン注射または自動インスリン投与を行う成人1型糖尿病患者において、吸入インスリンと速効型アナログインスリンを用いた食後血糖上昇の無作為比較試験
目的
吸入インスリンテクノスフィア(TI)と皮下速効型インスリン(RAA)の食後血糖変動を比較
研究デザインと方法
1型糖尿病成人122名を対象
参加者の治療法:
多数回注射法(MDI)
非自動化ポンプ
自動インスリン注入(AID)
ランダムに2群に分類:
通常のRAA群(n=61)
TI群(n=61)
食事負荷試験を実施
結果
主要評価項目
2時間の血糖値180 mg/dL超過部分の曲線下面積(AUC)
TI群がRAA群より小さい
調整済み差: -12 mg/dL
95%信頼区間: -22 to -2
P値: 0.02
その他の結果
血糖変動:TI群が小さい(P=0.01)
血糖ピーク値:TI群が低い(P=0.01)
ピーク到達時間:TI群が短い(P=0.006)
低血糖(70 mg/dL未満):各群1名ずつ
結論
AIDとMDI使用者を含む集団で、TI群はRAA群より食後血糖変動が小さい
研究の重要性
新しい吸入インスリン製剤の有効性評価
従来の皮下注射との直接比較
異なる投与法での効果検証
結果の意義
TIの迅速な作用:
血糖ピーク値低下
ピーク到達時間短縮
血糖変動の改善:
高血糖の程度と持続時間減少
安全性:
低血糖リスクはRAA群と同等
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