高血圧患者の血圧管理目標に関する研究:120mmHg vs 140mmHg

背景
- 収縮期血圧120mmHg未満 vs 140mmHg未満
- 糖尿病患者や脳卒中既往者での有効性不明確

方法
- オープンラベル、アウトカム盲検RCT
- 中国の116病院/地域で実施
 - 心血管リスク高い参加者対象
- 集中治療群(120mmHg未満)と標準治療群(140mmHg未満)に無作為割り付け
- 主要アウトカム: 心筋梗塞、血行再建術、心不全入院、脳卒中、心血管死の複合

結果
- 11,255人参加(糖尿病4,359人、脳卒中既往3,022人)
- 平均年齢64.6歳
- 平均収縮期血圧: 集中治療群119.1mmHg、標準治療群134.8mmHg
- 追跡期間中央値3.4年
- 主要アウトカム発生率:
      - 集中治療群9.7% vs 標準治療群11.1%
         (ハザード比0.88、p=0.028)
- 糖尿病の有無、罹患期間、脳卒中既往による効果の差なし
- 失神: 集中治療群で多い(0.4% vs 0.1%)
- 低血圧、電解質異常、転倒、急性腎障害: 両群で差なし

解釈
- 心血管リスク高い高血圧患者に有効
- 糖尿病や脳卒中既往に関わらず、120mmHg未満を目標とする治療戦略が有効
- 主要血管イベント予防。軽度の有害事象リスクあり

研究の重要性
- 血圧管理目標の明確化。長年の議論に一石
- 糖尿病、脳卒中既往者への適用可能性を示唆

結果の意義
- 120mmHg未満の目標が有効性を示す
- 相対リスク12%減少。臨床的に意味のある差
- サブグループ解析で一貫した効果。汎用性高い

安全性の考察
- 失神リスク増加。注意が必要
- 他の重大な有害事象は同等。全体的に安全性は許容範囲

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