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オフィスチェアの作り手がおすすめする「あなたに合う椅子の探し方」

皆さんはご自宅で長時間いすに座ることがありますか?

シーンはさまざまだと思いますが、仕事、勉強、お絵描き、動画編集、執筆、ゲームなど、自宅で長時間いすに座って何かに取り組む方はたくさんいらっしゃると思います。

今日は、「自分に合う良い椅子って、どうやって探せばいいの?」という方向けに、作り手がおすすめする「あなたに合う椅子の探し方」、その "基本のキ" を解説していこうと思います。

たくさんあります、椅子のメーカー

椅子のメーカーって何社くらいあると思いますか?(正直なところ、椅子メーカーの一つである私たちでも、その正確な数は把握できていません)

家具店やECサイトで取り扱われている(現実的に購入可能な)椅子メーカーだけでも数十社以上、アジア圏への販売に注力していない海外の椅子メーカーまで含めるとなると少なくとも数百社以上はありそうです。

「とりあえず、どのメーカーがどんな椅子を作ってるのか、自分で見てみたい」という方のためにも、日本での購入が可能な主要メーカー/ブランドを挙げてみることにしましょう。

ここでは、日本・アジア圏に本社を置くメーカーを10社、北米・EU圏に本社を置くメーカーを10社、計20社ほど挙げてみますね。(一般的にブランド名で認知されている場合はメーカー名と併記します)

※ もちろん、ここに挙がっていない椅子メーカーもまだまだたくさんありますよ!

【個人で椅子を探すときによく見かける椅子のブランド/メーカーの一覧(アルファベット順)】

AKRacing[エーケーレーシング] / 揚州奥凱カー用品有限公司(中国)
Bauhutte[バウヒュッテ] / ビーズ(日本)
DXRACER[デラックスレーサー](アメリカ)
Ergohuman[エルゴヒューマン] / Comfort[コンフォート](台湾)
Fellowes[フェローズ](アメリカ)
giroflex[ジロフレックス](スイス)
HermanMiller[ハーマンミラー](アメリカ)
Humanscale[ヒューマンスケール](アメリカ)
INABA[稲葉製作所](日本)
ITOKI[イトーキ](日本)
KEILHAUER[キールハワー](カナダ)
Knoll[ノル](アメリカ)
KOKUYO[コクヨ](日本)
LION[ライオン事務機](日本)
OKAMURA[オカムラ](日本)
PLUS[プラス](日本)
Steelcase[スチールケース](アメリカ)
UCHIDA[内田洋行](日本)
Vitra[ヴィトラ](スイス)
Wilkhahn[ウィルクハーン](ドイツ)

どうでしょう? 「知ってる!」「聞いたことある!」というメーカーは何社くらいありましたか?

各メーカーは「法人に強い」「個人向けがメイン」「ゲーマーなど特定の層に強い」など、それぞれ特徴があるため、すべてのメーカーが "ガチの競合" というわけではないため、家具メーカーの社員ですら、ここに挙げた主なメーカーを全部きちんと知っている、という人はそんなに多くないかもしれません。

くどいようですが、上に挙げた20社はほんの一例です。ECサイトで検索すると、まだまだ色々なメーカーが出てきます。これだけたくさんあるメーカーの中から、どうやって「自分に合う椅子」を見つけ出せばいいのでしょうか?

余談ですが、ソファやダイニングチェアではない、事務椅子を探すときのキーワード、皆さんなら何にしますか?
「ゲーミングチェア」で検索する、という方も多いかもしれませんが、このジャンルの椅子は一般的に「オフィスチェア」、「デスクチェア」、「ワーキングチェア」等と呼ばれることが多いようです。
ちなみに、オカムラをはじめとするオフィス家具メーカーでは「シーティング」あるいは「タスクシーティング」や呼称もよく使います。検索するときのキーワードによって、でてくるブランド/メーカーが結構変わってきますので面白いですよ。ぜひ一度お試しください!

「機能」と「座り心地」は別物です

さて、いざ「椅子を探そう!」というとき、皆さんどうしますか?

気になったデザインの椅子をピックアップしていって、それぞれの機能を調べながら候補を絞り、ECサイトで価格を比べつつ、口コミやSNSでの評判をチェックした後、意を決してポチる!・・・というプロセスが普通でしょうか?

オフィスチェアの作り手(椅子メーカー)の社員からすると、このプロセスには、とっても、とっても、とっても大事なことが抜けてるんです。もう分かりますよね?

そうです。言わずもがな、「実際に座ってみて、座り心地を確かめる」ことです。

おっと、こんな声が聞こえてきそうです。

「えー? 高い椅子は座り心地もいいんだろうから、ちゃんとしたメーカーの、ある程度のグレードのオフィスチェアから選ぶなら、別に試してみなくても大丈夫じゃないの?」

いいえ! NOです! NO

「たくさんの調節機能がある」のは、体格の異なる人々が、可能な限りご自身の体格・体型にフィットさせられるようにするためですが、「サイズや状態がその人にフィットしている」からといって、「座り心地が良いと感じる」わけではないんです。

どんなにハイグレードで高機能なオフィスチェアでも、「座り心地」としてどう感じるかは別物です。多くの調節機能を備えた椅子であれば「ほとんどの人の体格・体型に合うように調節してフィットさせる」ことはできますが、残念ながら「万人が必ず座り心地が良いと感じる椅子」はないのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

はい、まず試しましょう! 「いろいろ調べて候補を絞ってから1~2機種だけ試し座りする」のではなく、「何はともあれ、できる限りたくさんの椅子を試し座りしてみる」です。機能や価格(予算)を比べながら検討するのは、試してみた中で候補に残ったものの中から行うのがおすすめです。

ご自宅の近くにメーカーショールームや家具店がなくて試せない、という方もいらっしゃると思いますが、各地の中古オフィス家具店でも意外とたくさんの種類を試すことはできますので、ぜひともまずは「試しに座ってみる」ことを 強く おすすめします。

試し座りのTips

オフィスチェアの試し座りをするときに、ぜひ心がけてみてほしいことが3つあります。

① 最低でも20~30分は連続して座ってみましょう
「座った瞬間の座り心地」のことを、業界人(家具メーカー)は「ぱっと座りの印象」と言いますが、瞬間的な座り心地が良かったとしても、長時間座っているとき(あるいは座り続けた後)も座り心地が良いかどうかは、必ずしも同じではありません。
例えば、ふわっふわでマシュマロのような柔らかい背と座の椅子は、座った瞬間は良かったとしても、長時間座り続けていると、おしりと腰回りが支えられず安定しないため、かえって疲れます。
一般的に、長時間座る場合は適度な硬さのある座面の方が適しているんですが、これはある程度の時間を座り続けてみないと分からないので、試し座りをするときにはなるべく連続して20~30分は座ってみることをおすすめします。

② 靴は脱いで、なるべく薄着で試しましょう
自宅の中にいるときの状態にできるだけ近い服装にすることも大事です。特に、身体と直に接する背・座の感触は、重ね着している状態とTシャツ一枚のときとでだいぶ変わります。
また、膝から足の裏までの高さも、裸足のときと靴を履いているときとで変わりますので、試し座りのときは脱いでおくといいでしょう。

③ 中古オフィス家具店は要チェック
中古家具店に置いてあるチェアは「数年間つかった状態」のものですので、椅子の堅牢さ・耐久性をみるにはもってこいの場所です。
新品では甲乙つけがたい機種同士の比較でも、「数年以上つかわれた後の中古品でも状態がいい機種」と、「中古になるとだいぶ状態が悪くなる機種」の差はかなり明確に出てきます。
それに、中古家具店では "掘り出し物" が見つかることもありますので、新品で検討されている方も、中古もアリだという方も、一度は中古家具店に足を運んでみることをおすすめします。

椅子探しのおすすめフロー(まとめ)

今日ご紹介した「自分に合う椅子の探し方」、大事なところだけ抜き出してまとめます。

 1. できるだけ早い段階で、試し座りをしにいく!
 2. 「機能」と「座り心地」は別物!
 3. 試し座りをするときは20~30分は座りましょう!
 4. 試し座りは自宅にいるときに近い服装で!(靴は脱ごう!)
 5. 中古家具店にいくと機種の堅牢さ・耐久性がよくわかる!

以上、「どうやって椅子を探したらいいのか右も左もわからないよ~」という方向けの「椅子探しの基本のキ」でした。

なお、「ポイントになる機能って何なの?」「機能の見比べ方は?」「この機能って必要なん?」など、もう少し詳しいことを知りたいという方向けの情報は、また別の機会にお話しすることにします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
「自分に合う良い椅子」が見つかりますように!