セツ・モードセミナーでセツ先生が伝えたかったこと 2020.01.17
かれこれ20年以上前のこと。社会人になって任せてもらった仕事の中で絵を描かせていただくことがありました。
絵を描く楽しさに目覚め、絵を学びたい!と思ったけれど、これから美大や専門学校になど入れないよな...と思っていたところ、抽選で入れる絵の学校があることを知りました。
早速応募、まさかの当選。東京、新宿舟町にあるセツ・モードセミナー(以下セツ)に通いはじめました。
絵の学校というとだいたい入学試験がありますが、セツは試験がありません。
創立者の長沢節(セツ)先生曰く
「これから絵の勉強するのに、絵の試験があるのはおかしい」
「誰にだって可能性はあるし、チャンスがあっていい」
という理念のもと、誰でも受け入れてくれるところでした。
学校とは言うものの、セツは先生の私塾のようなところで、2年~5年の間、ただそこへ行って、みんなで絵を描いて、先生が講評する。
技術を教わったり、指導を受けたこともないけれど、たくさん描いて、たくさん見る。だけをひたすらやりました。
先日、家の中を掃除していたら本棚の奥の方に入学案内と卒業証書を発見。
(↑渋すぎる入学案内)
入学案内には
「美しいものが本当にわかる人間になって欲しい。」
卒業証書には
「ここで培った技術とセンスを土台に、社会に働きかける人になるのを愉しみにしています。」
との文字が。
絵の学校に通っていたつもりでしたが、セツ先生は絵を描くことを通してこれが言いたかったんだと、20年の時を経て気づいたこの言葉に胸が熱くなりました。
「絵なんてね、教わるものじゃないんだよ~。」
「自分なりの答えをみつけてみな~!」と、おっしゃっている気がしてなりません。
色んな解釈があっていい。それが絵を描く、絵を見る醍醐味だ。
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