技術士思考を社内に浸透させる
技術士思考を社内に浸透させるとはどういうことか
技術士コンピテンシーに基づいて業務を行うことを、「技術士思考」と呼んでいます。
この技術士思考を、所属チームや社内に文化として根付かせることに、私は取り組んでいます。
技術士思考の実践例
例えば、チーム内で以下のようなやり取りが行われるようになるのが理想です。
この案件の「課題抽出」をすると、3点が挙げられます。そのうち最も重要な課題は~であり、この課題に取り組みます。
この解決策の実行により、目的の達成が可能です。一方で、~というリスクが存在します。
作業安全性、品質、納期の観点からマネジメントを行うと、コストは必要ですが~の導入が有効であると考えます。
技術士思考を共通言語化することで、技術者として高品質なアウトプットを出すことが可能です。
なぜ技術士思考を浸透させたいのか
技術士思考を浸透させることで、組織が生み出す価値を高めることができると考えています。
メーカーの生み出す価値は、単純なものづくりから問題解決型に移行しています。
物を作って売ればよいというビジネスモデルから、顧客の抱える問題解決を技術を用いて担うビジネスモデルに多くの企業が移行してきているわけです。
技術者も高品質でより安く作るという考え方から、顧客の問題に寄り添う考え方への移行が必要です。
技術士のコンピテンシーには「問題解決」が含まれています。
技術士思考は問題解決に重点を置いた思考法です。
したがって、技術士試験に関係なく、社内や所属チームでも技術士的な考え方を持つ文化が必要なのです。
どうやって技術士思考浸透させるのか
技術士思考を組織文化とするために、2つの手法を採用しています。
技術士の意義の伝達
技術士とは何かについて、理解してもらうことが重要です。
技術士の価値を理解して初めて、技術士思考の有効性を理解できます。
私は少数ですがチームを率いる立場であるため、技術士とは何か、なぜ技術者が技術士を目指すべきかについて伝えています。
ミーティングで問いかける
メンバーには「技術士的に考えると、どう判断する?」、「問題解決の考え方だと、まず何から始める?」などと問いかけています。
問いかけることで、技術士思考とは何かを身をもって理解できるようサポートします。