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一区切り

 この週末、むすびえ休眠預金事業「居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)」の実践報告会がおかげさまで無事に終わった。

 一区切り、感慨深い。この3年、ここでは書ききれないほどほんっとうに多くのことがあった。怒涛の中、走り続け心が折れそうなことも数えきれないくらいにあったし倒れる寸前までいったことも何度もあった。ただ、その度に多くの人たちに助けられた。

 実践報告会当日の朝、ひさびさにたばこをふかし深い祈りをささげたとき、ふと問いかけられた。

 オーケストラになったことで何が変わったでしょうか?」

 それは、2021年度にこの休眠預金のエントリーの直前、まだ何も形が生まれていないときに問いかけれたビジョンと、さらに事業が採択されいよいよネットワークの立ち上げの日に問いかけられたビジョンの断片の言葉。
 あのときにビジョンがもたらされ、それを心の奥に携えながら様々な方々の力をお借りして新たな道を開拓してきた。

 それまでの富田地区を対象とした実践から広く市域全域へと船(法人)のかじを切り、3年を経て80を超えるネットワークが生まれ、4トンを超える食支援となり、独自の官民、多セクター連携の包摂の仕組み(全国モデル)ができ、それは2度のNHK放映や子ども家庭庁や厚労省への報告にもつながった。また、社会全体に普及するための理論(今回はコミュニティ・オーガナイジング)と出会い、論文や書籍化し、さらに学会での賞の内定へとつながっている。いつもビジョンが先にもたらされ、感覚的に動き出す中でイノベーションが生まれ、それを全体へと普及するために理論と出会いあとづけで理論化する。(理論があってそれ通りに動いているのではない。ビジョンをもとに動き、それをあとで理論化する。)
 
 社会全体の一助となるため「私であって私でないもの」によって動かされる。3年を経て、見える視野も実現化できるものも大きく変わった。

 一つの区切りに立ち、次のビジョンがもう見えている。
 それは、2つのベクトルでより深く、より高くをキーワードに生きるビジョン。
 次の道では組織をまとうことで実現化できるものはそうするけれど、まとうことが足かせになるなら個人の領域で突き抜けていく。この数年はWAKWAKと個人のビジョンはほぼ重なっていたけれど、3年を経て、視野は変わりもう分離するときに来た。かといって無責任に投げ出すのではなく、「責任」を引き受けつつ現場は次世代へと移行していく。そして、自身はその余白を使って自由かつ独創的に生きる部分を再び開拓し始める。

 現状にとどまることなく、より高みを目指しチャレンジし学び続ける人生。次の生き方ももう目の前。


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