【ビジョンを実現化する鉢④‐私のビジョンを私たちのビジョンに】
ビジョンの一つの終期
地域に根を張りWAKWAKに足場をおきながらも一方で、個人の領域でさらなる高みをめざす生き方を決めようとする中、6月21日、地域・学校・行政・大学・企業等のみなさんにお集まりいただき4年目となる多セクター共創プロジェクト会議を法人として開催した。
あらためて、今後WAKWAKとしてどのようなビジョンを描き実現していこうとするのかをまとめ、かつ共有した。会議後、あるスタッフさんから「今までは2事業(富田エリア・市域エリア)が別々のものって感じやったけど、目指すところは同じで、アプローチが違うんだということ、掛け合わせることでミッションの実現性が高まり、より大きなインパクトを生み出せるっていう伝え方。私も腑に落ちたし、めっちゃ良かった。」とうれしいフィードバックをもらった。自分自身も今回、資料作りをしビジョンを図解することで、これまでビジョンをもとに実現化してきた一つ一つがつながり、めざそうとするものの画が整理された感覚があった。と同時に一つのビジョンの終期をむかえたことを感じた。
私のビジョンを私たちのビジョンに
法人にきた当初は組織の財政危機もあり、“個”の力を全身全霊で投入し多様な人たちの力をかりてビジョンを実現化してきた。WAKWAKのビジョンは、私のビジョンでもあったし危機的状況化においては個人で全体をけん引し局面を打開することが求められた。
ただ、この数年で組織規模、財政規模、対象エリアも大きくなり、分担、役割分けをしながら実現化する必要性が生まれてきた。個人が求心力をもとに変革していく組織から、組織に携わる人たちそれぞれが分担してビジョンを実現化していく遠心力にもドライブをかけていくタイミングに来た。そして、次の10年を見据えたときには次の世代の育成もまったなしの状況。
次の自分の役割
移行後の次の自分の役割は「統括」として全体の大きなビジョンの道筋は示しながらも、そこに携わるスタッフの人たちに権限や役割を委譲し、かつそこへ多様なステークホルダーの人たちに携わっていただきながら実現化していく方法、その中で携わる人たちの「I Wish」を実現化するのを後押しする役割、まさに「私のビジョン」から「私たちのビジョン」に切り替える時にきているし、もう実際にその方向にシフトし始めている。
「今この地域の中であなた個人にかかるものが重すぎる。」
自分自身が幼少期から本当にお世話になっているM先生がある日、事務所に来られた時に言われた言葉。地域に戻り全身全霊、人生をかけてきたからこそ、そこには相当深いコミットメントと責任、危機感そして孤独も引き受けてきた。喜びと同時に矢面に立ち多くの傷も引き受けてきた。それらは今となれば、マイノリティの地にコミュニティリーダーとして立っていくための数々の経験だったのだと腑に落ちる。
こうして引き受けてきたものの中で、これからも自分が扇の根元で引き受ける必要があることと渡していけること、それらを峻別しながら時間をかけて渡してともにビジョンを実現化していく、それも次の役割だと思う。
ビジョンを実現化する鉢の中で、地域(WAKWAK)、個人(大学研究員や講師)、社会的な役割、学ぶ場(博士課程等)・・・、それぞれが拡張したビジョンに合わせたあるべき位置に整理されようとしている。
果たして、これが今年の旅でどのように示されるのか?