【ビジョンインタビュー】人とのつながりの中で生きる・山下貴世華さん
〜満たされることで満たしていける〜
「めっちゃ家族が好き。常に中心は家族。家族が満たされてくるとそれを広げていきたいと思うようになった。」
今の満たされた想いを話してくれた貴世華さん。そんな貴世華さんも、昔は強がりで弱いところを出せず、助けてって言えない人だった。いっぱいいっぱいになって、どうしていいかわからなくなってパンクしていた。と言います。
そんな貴世華さんを満たしてくれたのは旦那さん。
「いっぱいいっぱいになって、わあ〜!って怒るんじゃなくて、しんどかったらしんどいって言葉で伝えてくれたらいいやん。そしたら助けられるのに。」そんな風に言ってくれた旦那さんの言葉に、貴世華さんは「あ、そんなんでいいの。全部自分でいいんや。」と思うことができて、自分の開き方を知ったと言います。
貴世華さんが満たされたことで家族を満たしていけるようになり、家族のコミュニケーションがとてもスムーズになったそうです。
そんな中、家族から範囲を少し広げ、自分の居心地の良い場所を探していた中で行き着いたこと、それは”人とのつながりの中で生きていく”ということ。
見たもの・感じたことを人と共有したい、人と過ごす時間の中ではお金も気持ちよく使える。そんな自分の想いに気がついた貴世華さんは自分のことを”人が好きなんだ”と教えてくれました。
思えば小さい頃から人が好きだった
「小さい頃から人が好きで社交的な子だった。でも、親は人が好きではなく、外に出ていく私が嫌だったんだと思う。すぐに友達を作ってくる、どこでもいろんな人と絡みにいく私にやめてって言ってきていた。その親の言葉にモヤモヤを抱えていた。自分のしたいことは、悪いことだと思っていた。」
貴世華さんは、自身の子どもの頃を振り返ってこんな話をしてくれました。
そんな貴世華さんが、「やっぱり人が好きで、人とのつながりの中で生きていきたい。」と思えるようになったきっかけは、インナーチャイルドを学んだこと。
自分の感情と親の感情を分離したことで客観的に見れるようになって、「したらダメなことではなく、親にとって嫌だっただけでしてもよかったんだ。」と気づくけたことで、再び自分に向き合い、本当にシンプルに自分の本質に戻ることができてとても楽になったと言います。
みんながつながれる場づくりを
そんなシンプルな自分に戻って、今、貴世華さんが思うこと、それは、「いいなと思うことを自分だけでやりたいのではなく、人とやりたい。共有している時間を楽しみたい。楽しいと思うことを一緒にしたい。 自分がリーダーになるわけでもない、それでも、そこに興味がある人が集って好きに過ごせる居場所。そんなみんながつながれる場所を作りたい。」
そして、これまでは誰かの作ったコミュニティの中に自分が入っていくことをしていたけど、そろそろ自分が中心となって人と人とがつながれる場づくりをしていく時期なのかも。とお話ししてくださいました。
そんな貴世華さんは、防災を軸にした地域のコミュニティづくり『おぞの探検隊』の活動をしています。
この活動に講師を呼んで、興味を持ってくださる人たちと共に自分も学べる時間にしたい。と行政の助成金申請や関係者との調整など、初めての挑戦をしているそうです。
「調整するって大変だね〜。」と言いながらも、複数の関係者の立場を丁寧に聞き取り、一つ一つステップを踏んでいく貴世華さん。
知らないことに対しても好奇心を持って純粋に接することが出来るのは自分の軸ができているから。自分と向き合い自分の軸ができたことで人に対して羨ましいとか妬みの感情が無くなったからこそ、純粋に目の前の人を知りたいと思うことができていると言います。
怖いと安心の中間にある心の持ち方
地域住民の一人として、身の回りの人に防災についての知識や心の持ち方を伝えている貴世華さん。防災に関わるようになったきっかけに、震災などでの実体験があるのかを聞いてみました。
「阪神淡路大震災にあったのは、小学5年生の時。校舎は潰れて、断水して、プレハブ校舎で他の学校を間借りして、、、大変だったけど、不安はなかった。」と言います。
「幸い家族は全員揃っていて、仕事が無くなったわけでもないし。父が『兄弟みんなで水汲んでこーい!』のように声をかけてくれて、非日常を楽しむぐらいの感覚で過ごせていた。ただ、自分に子どもができた時に、何かあった時にこんな赤子を抱えてどうやって逃げるの?と不安になって勉強しようと思ったのがきっかけ。」と教えてくださいました。
貴世華さんが目指しているのは、怖いと安心の中間にある心の持ち方。最悪のパターンを想定したら外も歩けなくなる、一方で、これをしたら100%安心ということもない。だからこそ、どこで折り合いをつければいいのか。を学ぼうと思ったそうです。
そんな中、貴世華さんの行き着いたのは”心のあり方”。
「どんなに大好きなクリスタルのグラスだって、地震が起きたら壊れる。防災バックもどんなに準備をしていても持ち出せないこともある。
あるもので満足する、工夫する。不足ばかり見ていても気持ちは沈んでいくので、前を向くために、今ここにあるもので折り合いをつけて現状で楽しめる工夫をすることが大切。」と聞かせてくださいました。
だからこそ、貴世華さんが場づくりをしているおぞの探検隊のコンセプトは、”日常の生活の中に少しだけ防災の視点をプラス”
いつ何があっても最低限命だけは守っていけるように水筒や飴などエネルギーを補給できるもの持ち歩く、初めての場所では非常口だけは確認しておこう、など、普段の生活に取り入れられるほんのちょっとの防災視点を伝えています。
人を助ける側に整っている人を増やしたい
最初は、興味を持ってくれる友人向けに伝えていた防災の知識。今では、子育て世代だけに伝えるのではなく、もっと身近な地域の人、地域の福祉施設などとも連携して赤ちゃんからお年寄りまで幅広く伝えれる方法を考えている。と言います。
「何か起こった時に助けられるのは 目の前にいる両手の人まで」
これは、防災の世界で言われていること。本当に何か起こった時に、実際に自分が助けられるのは家族、そして両隣の家の人。どれだけ助けたくても、遠くにいる友人をその時に助けに行くことはできない。
そう考えた時に、人を助けれる側になれる人を一人でも二人でも増やしていくこと、自分が助けれる側になれるように整えておこうと思える人を増やすことが、貴世華さん自身や貴世華さんの家族や大切な人を守ることでもある。と気づいたそうです。
防災を軸に身近な人に向けた活動を始めた貴世華さんの想いは、少しづつ分野を超えた地域コミュニティづくりにも広がりつつあります。
心地よいを伝え広げるために
地域での防災活動に加えて、アクセスバースという脳内セラピーやご先祖さまを大切にする活動も行っている貴世華さん。
「自分がやってみてよかったものを家族にもやりたいなと思って資格を取った。家族にやっていたら反応が良かったので、興味を持ってくれる友達にもやっている。」と話してくれました。
どちらも自分の心と向き合うためのツール。目の前にしんどそうな人がいる、その時に自分自身がやってみて良かったもの、心が整ったものでそのしんどそうな人を助けてあげられれば。そんな想いで続けておられます。
貴世華さんが自分自身の心地よさを目の前の人に伝えることで、水面に波紋が広がるようにその心地よさが伝播してく。
まずは家族を。そして、その周りにいる人たちを。
人とのつながりの中で生きていく貴世華さんの周りには、少しづつ少しつづ、大きくなる優しさが波打っているように感じました。
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山下貴世華さんのが関わっている防災を軸にした地域コミュニティづくり
「おぞの探検隊」については、ぜひこちらのレポートをご覧ください。
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