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【ビジョンインタビュー】金沢大学スタッフ・松村典彦さん
〜どこにいても埋もれないOnly1であれ〜
行動の積み重ねの上に歴史がある
「歴史の研究者を目指していた。」とお話してくださった松村典彦さん。
研究テーマは「16世紀から18世紀ごろの朝鮮の外交史」
他国から攻められ外交政策としては従属的に語られることが多いこの時期の朝鮮。ただ、そこにもやはり国家としての戦略や意図があったはず!
そんなことに興味を持ち、仮説を立てて証明していく研究者という仕事は、松村さんにとって「研究中は大変でもちょっとづつでも自分が立てた仮説が実証されていくことが単純に楽しかった。これは自分だけにしかできないことだと思っていた!」まさにOnly1の仕事。
子どもの頃から歴史が好きだった。ローマや中国など、日本だけでなく世界の歴史に幅広く興味を持っていた子だった。
どうして歴史が好きだったんですか?と聞くと返ってきた答えは。「人が好きなんだと思う。その時代を生きた人がいろんなことを考えて行動したからこそ、そこに歴史があるから。」
そんな風に答えてくれました。
松村さんにとっての歴史とは、「人の行動の上に積み重なっていくもの。」
地域と大学とのつながりを再生する
歴史研究者を目指していた松村さんの今の仕事は、金沢大学のスタッフ。
大学という一つの枠組みの中でも様々な分野で仕事をしてきた松村さんが、今、手がけているのは、地域と大学をつなげる仕事。
そんな松村さんが手がけた仕事の一つがこちら。
新時代の働き方を考える”8”のヒントがもらえる
『アントレプレナーシップⅠ-2040年の仕事論-』
様々な分野の社会人と学生が出会える場。
社会への視野を広げ、積み重ねた先を見据えることができる授業。
「大学教員や学外の人からやりたい。と言われたことを実現できている。今まで参加したイベントで一番よかった!悩んでいたけどこんな進路に進んでいきたいと思った!と学生や教員、参加者に喜んでもらえることはとてもやりがいになる。」とお話してくださいました。
松村さんがスタッフとして働いている金沢大学。ここは松村さんの母校でもあります。誕生の地は金沢城の中にあり、世界的にも珍しい城郭全域をキャンパスにしている「お城のキャンパス」でした。
その当時は自然と日常生活の中にあった大学の人と金沢の町の人とのつながり。郊外にキャンパスを移したことで、町と大学との間に精神的にも距離ができ、自分が学生の時より、さらに距離が広がっているように感じる。と松村さんはお話ししてくれました。
その距離を縮めていきたい。仕掛けや場所など何かあれば、きっとそこにつながりが生まれるだろう。だからこそ、これからも町の人と大学の人がカジュアルに交流できるような場所を増やしていきたい。
「昔は自然とあった町の人と大学の人とのつながりを、なんとか再生できないかな。」これが、松村さんが地域と大学をつなげる仕事をしている中での想い。
これまでの歴史を大切にしながら、この先の歴史を創る。
そのために今ここにいる人の想いや行動を大切にする。
松村さんにとっての「歴史」がここにも積み重なっています。
北陸エリアを北欧のようなイノベーションエリアに
「この北陸地域から面白い人を見出していき、輩出し続けるのを担いたい。北陸エリアは北欧のようになれる大きな可能性を秘めていると個人的には思う。」
これから先、所属や部署を問わずどんなことをしていきたいですか?という質問にこんな風に答えてくれました。
人口規模は大きくないが、昔から夫婦共働き世帯が多く、大学のような高等教育機関が多い北陸は、高等教育機関をコアにした、新しい価値発信地域になれる!
地域を大切にしながらイノベーションを起こせる力があると思う。
同じく、人口規模は大きくないが、ワークライフバランスが進み、大学がハブになって先進的なスタートアップ企業を生み出している北欧のようになれる可能性がある。
このポテンシャルを引き出すために、金沢大学のスタッフとして貢献したい。20〜30年後には、北陸をそんなとんがった地域にしていきたい。と話してくれました。
Only1の人生を大切に生きていく
このインタビューの一番最初で、生きていくうえで、大切にしていることは?と質問した時に話してくれた大切にしている想い。
「家族と自分の人生を大切に生きていくこと」
この言葉には、「家族全員がそれぞれ自立して生きていけるようにしたい。家族だから自分を犠牲にして一つにまとまってとかじゃなくて、みんな自分の人生をめいいっぱい楽しんで生きていく中でベースキャンプとして家族があればいい。」という想いが込められていました。
そんな家族の中での松村さん自身の人生は、意識的に仕事だけにならないように形作られていました。
今の仕事は、限られた時間で誰よりも成果を出す。延長戦はなし!という考え方。そして、それ以外で大切にしているのは、寝る時間と子どもとの時間。
ただ、これから子どもが手を離れたら、兼業・副業・プロボノや趣味など何か楽しそうなことを見つけようかな。とのこと。
そんな中でも、こっそり教えてくれた夢。
「大学の中にいるとなかなかできないことを、外に会社を作って大学の色んなことをうまく回していけるようにしてみたい。誰にでもできることではなくて、自分が得意とすることをやっていきたい。」
子どもの頃から我が強く、進路選択も仕事も、誰にも埋もれない場所を選択してきた松村さん。
いつも大切にしてきたのは、自分自身も自分のいる場所もOnly1であること。
そしてこれからも、誰にも埋もれない場所で、自分らしい生き方を創っていく。そんな強い想いを感じました。
そんな松村さんからの最後の言葉「だからこそ、子どもたちにも自分らしく自分の人生を目いっぱい楽しんで生きてほしいと思う。」
大学という“人を創る場所”で仕事をする松村さんは、きっとこれからもたくさんのOnly1な人を創り出すことを担っていくのでしょう。
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松村さんが、金沢大学と地域をつなげるために企画した事業はこちら。
◆金沢大学オープンアカデミー◆
多様な学生、多様な講師、多様なプログラムで構成され、専門的知識の習得だけではなく、人生を愉しむことも大切にする新たな学びの場。
ビートルズ大学などオンラインで参加できるものもありますので、ぜひチェックしてみてください。
https://koa.w3.kanazawa-u.ac.jp/
◆金沢大学SDGsのひろば◆
SDGsに関心のある金沢大学の学生や教職員が気軽に取り組みや情報や思いをシェアし、「学生の主体的活動を支援する」「学生の学びにつながる」活動を、地域の大人たちも含め、支援する場です。
金沢大学の関係者が参加するコミュニティですが、グループの投稿は公開されているものもあります。
https://www.facebook.com/groups/2508479332751972
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