【ビジョンインタビュー】ただそこにある誰かの道の駅・藤井菜摘さん
〜いま目の前を100%全力で生きる!〜
立場の違う人たちと
win-winの関係性を築く
三人目のお子さんを出産したばかりの藤井菜摘さん。
不思議なことに、藤井家の自宅にはいつも誰かが集っています。それも子供から大人まで。しかしどうもそれは、菜摘さんから誘っているから、というわけではないのだとか。そんな今の状況に対して彼女の言った言葉。
「自分でもすごいなと思う。こんなにいつも家に誰かいるのは自分でもびっくり。今はそれが何で?とかあえて考えていないけど、これってすごいことだな。と漠然と思っている。」
一人目の子を生んだとき、うまく優しく出来なくて、周囲との関係性もまだ狭くて、こういう時は親に頼るもんなのかな。と思って親に頼ってもうまくいかなくて。本当の意味で人に委ねるということを考えて実験し始めた。
二人目を妊娠したとき、このままじゃ二人育てられない!と感じた菜摘さんは、二人目が生まれる前から「この子は、絶対に、母親である自分と過ごす時間より、自分以外の人と過ごす時間を増やすぞ!」と心に決めていた。
しかもその相手は、あえて、子育て中ではない、同じ立場じゃない人たち。それは、菜摘さん自身が、そういう人たちからの助けを素直に受け入れられるし、自分もそういう人の役に立ちたい。と思ったから。
地域で開催しているイベントなどに頻繁に顔を出し、そこで何度か顔を合わせて、ちょっとづつ知り合いになった近所の方たち。 そんな人たちに「お腹の中のこの子を、今から産むから、一緒に育てて欲しい。」と、自分に言い聞かせるように伝え続けていた。
その想いが伝わったのか。生まれてきた子に興味を持ってくれて、抱っこしてくれたり、気にかけてくれたり。そこで助けてくれる人たちの想いがとても心地よかった。 そうやって二人目、三人目と徐々に本当に意味で人に委ねられるようになってきた。と言います。
その時に大切なことは、“win-winの関係性”であること。
子どもを委ねて自分が有意義に過ごすことができるのはもちろん、委ねた相手にとってもいい時間になっていて欲しい。
今、子供達の保育園への送り迎えをしてくれている近所のおじいちゃんや週末になると家に来てくれる近所のおばちゃん。
この人たちは、子どもと過ごす時間を心の底から有意義に思ってくれているのを感じ、信じることが出来ている。と言います。
余白のない日々こそ しっかり生きた証
子どもを産む前から、手帳に予定を詰めるのが好きだった。もっというと、子どもの頃から、時間を詰めて使う子だった。
小学生時代の放課後、課外活動には必ず参加、そして習い事までの短い時間にも友達と遊ぶ約束をしていた。遊ぶことと習い事、今は、どちらが有意義か。それを常に考えていた。
その時のBestを取る。
そんな子供時代からの経験が積み重なって、最近ではその時々に自分に必要なものが判断できるようになってきたと言います。
余白を持った生き方が出来ない。今まで後悔したこともないから立ち止まって後悔するのが怖いのかも。
今やらないと出来なくなる可能性もある。今できるながらやっておきたい。
そんな目の前の日々を全力で過ごす菜摘さん。
その日々こそが彼女の生きた証。
妥協はしたくない!そんな想いを話してくれました。
教師は天職。
100%の愛を注ぐ。
「中途半端はイヤで、完璧にできることが好き。だから、正解がなく時には妥協が必要な子育てより、仕事が好き。」
そんな菜摘さんの子供が生まれる前までの仕事は、学校の教師。
クラスの子どもたちには愛を、そして子どもたちが学校以外の時間を共に過ごすその子たちの家族にも愛を注ぎたい。
家庭訪問の時間はいつも長い。家族もひっくるめて子どもたちのことを考えるので、何人もの人生を過ごしてきた感覚。そしてその人たちに感情移入することで、気持ちまで背負ってしまうこともあった。
そんな教師の仕事の醍醐味は。
「その時できる100%で関われば子どもたちからは想像以上のものが返ってくる。いい意味で驚かせてくれる、それこそが私にとってご褒美。」
そこまで全力で関わりたいと思う教師という仕事。だからこそ、子供が生まれた今は、自分の家族がいる中で教師としての仕事には関わりきれない。
「教師は自分にとって天職であり、だからこそ、やってはいけない仕事なのかも。」そんな風に言葉にしてくれました。
自分がしてもらって
嬉しいことは、何か?
菜摘さんが今、子どもと一緒にしている活動の一つに、NPO法人ママの働き方応援隊のプログラムである「赤ちゃん先生」があります。
赤ちゃん先生とは、赤ちゃんとママが教育機関や高齢者施設・企業行政などに訪問し、赤ちゃんのもつ「人の善なる心を引き出すちから」で学びや癒し・感動を共有する教育プログラムです。
菜摘さんはこの活動に一人目の時から関わり、今年で5年目。例年は直接、小・中・高・大学と様々な学校に行って、触れ合いの場を持つのですが、今年はそれもリモート開催に。ひと月に20回以上の開催に三人目の子どもと共に出席しているというから驚きです。
菜摘さんが寝不足であっても、こうやって各世代の子どもたちと話せる時間を大切にする理由は、「子育て中で全然キレイじゃなくて毎日ギリギリの今の自分を知って欲しい。そして、子どもたちの今も知りたい。」単純にただそれだけ。
子どもたちがそれを受け取って何を感じるかは、将来蓋を開けてみないと分からない。でも、今の状態を立場の違う人たちに伝えられることでスッキリするし、もしかしてその子に何か残る可能性があるのなら行き続けたい。と話してくれました。
菜摘さんの人付き合いの基準は、
「自分が何をしてもらったら心地いいのかを伝えられる、そして、相手も自分にそうあってくれる関係性。」
自分が誰かを助けてあげる。ではなく、自分がしてもらって嬉しいこと、助けてもらいたいことを伝える方がいいんだ。と気づき始めてからは、意識的にそういう人と繋がり続けている。と言います。
自分がしてもらって嬉しいことがある人、それは、自分の出来ないことが出来て、知らない世界を知っている人であり、必然的に自分と違う立場の人たち。
菜摘さんが、立場の違う人たちとお互いの今を伝え合いながら、win-winの関係性であることを大切にしていることがここでも感じられました。
自分の知らない世界への
飽くなき好奇心
最後にお聞きした、菜摘さんがこれから先やりたいこと。それは、
「今住んでいる尼崎に道の駅を作る!!そして、子供たちが完全に手を離れたら、最低限の装備が揃ったシンプルな車と共に、住所不定で生きていきたい!」
実は、菜摘さんご家族はもう何年も道の駅ライフを送っています。まだ小さい子供たちを連れて、道の駅を周りながら車中泊で旅をするんです。
なぜ道の駅が好きなんですか?そうお聞きしたら、こう答えてくれました。
「今の所得で旅行に行かせてもらえるのは道の駅があるから。知らないところを知りたい。この気持ちを叶えてくれるのが道の駅で、そこではその土地の暮らしやモノを知ることができる。だから、下道で旅をして道の駅を巡るのは本当に楽しい!」
道の駅は、菜摘さんにとって、どんな立場の人であっても受け入れてくれる場所。そして、飽くなき好奇心を満たしてくれる場所。
「知らないことを死ぬまでに一つでもなくしたい!」
菜摘さんは、溢れんばかりの好奇心と共に、今を100%全力で生きています。
ーーー
そんな藤井菜摘さんご家族が、丸一日自宅を開放して毎年開催しているのが
「藤井家のクリスマスパーティー」✨2020年も開催予定!
今年一年つながってくださった方々への藤井家からのプレゼント。
今年は、家族も増え、そのおかげで周囲との関係もより強く多様になった年。
とても賑やかな1日になりそうですね^^
ーーー
毎日を一生懸命生きているあなたの
想いや活動を聴かせていただいて、
他己紹介をプレゼントしています。
ライフもワークも全てひっくるめて
「こんな生き方もあるんだ^^」と言う気づきになれば幸いです。
このマガジンの執筆者 おかみわ の活動については、こちらをご覧ください。